「魅惑の珍ルートで行く鉄道博物館の旅」という面白いJRの「びゅうツアー」があるという話を知人から聞いたのは、1年前のことでした。さっそく一緒に申し込んだのでしたが、東日本大震災の影響で中止。1年後の20日(春分の日)にやっと催行され、念願かなって乗車できました。

「珍ルート」とは、新宿から南下し、大崎からりんかい線に入り、新木場では普段営業列車が走らない連絡線を経由して京葉線に直接乗り入れ。その後、西船橋から新松戸、武蔵浦和と武蔵野線を走って、最後は貨物線経由で大宮まで行くというものです。新宿から大宮までだったら、埼京線快速で30分ほどで行けるのに、大回りですから2時間半近くかかります。物好きな鉄道ファン向けの企画ですね。車両は、旧国鉄特急電車だった183系です。新宿駅は1番線から発車しました。発車案内には「団体」とだけ出ていました。

渋谷、恵比寿と停まって参加者を拾い、あとは大宮まで運転停車はあるものの、ドアは開きません。
まずは、大崎で運転停車。いよいよりんかい線に入るのですが、定期列車を先に行かせるため、しばし停車。ディズニー塗装の電車が出発していきました。

りんかい線は地下区間が多いので景色は見えません。東京テレポート駅で運転停車。クロスシートの車内から撮影した証拠写真です(笑)

東雲(しののめ)で地上に出ます。ホームでは何人も「撮りテツ」が出迎えてくれました。そして、京葉線の高架が近づいてくると新木場到着です。

停車位置が悪かったのか、こんな証拠写真しか撮れませんでした。しばし停車後、この旅のハイライト、りんかい線から京葉線へ乗り入れる瞬間です。りんかい線から直上を走っている京葉線に合流するので、コンクリートに囲まれた中を上っていきます。運転台展望が見られたら最高なのですがね。
京葉線に入ってしまえば、あとは葛西臨海公園、東京ディズニーリゾートとおなじみの車窓です。この区間は房総特急も走っていますから、特に珍しい車窓ではありません。新浦安あたりは運送会社の倉庫が続きます。ここで発見した「尋常ならざるもの」がこれです。

西濃運輸の倉庫なのですが、提携先の運送事業主と思われるDB(デーベー=ドイツ鉄道)のロゴです。DBとは旧ドイツ国鉄、日本でいえばJRに相当します。ドイツではおなじみですが、まさかこのロゴを日本で見られるとは・・・。JRマークを外国で見つけたようなものですね(笑)
京葉線から武蔵野線に入って西船橋でまたしても運転停車。子供が驚いてこちらを見ていました。

武蔵野線の東半分を走破したのは、何年ぶりでしょうか?ずいぶん開けたものです。17日に開業したばかりの吉川美南駅は、宣伝のためかどうかわからないけれど徐行してくれました。他にも、もちろん見どころは多々ありましたけれど、省略して、最後に大宮到着後、ようやく撮影できた183系の写真を載せて終わりにします。

あっという間の2時間半でした。できれば183系ではなく、前面展望のきく「華」とか「スーパービュー踊り子」、伊豆急「リゾート21」などで企画してもらえたらなどと言うのは欲張りすぎでしょうね。
面白列車は他にも色々ありますが、詳しくは、
拙著「
旅が10倍面白くなる観光列車」(平凡社新書)をご覧ください。

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