1月26日の合同授業のゲストは「イラストレ−ションズBOOK」を
素敵にデザインして下さった阿部かずおさん。
挨拶もそこそこにファイル講評が始まります。
約2時間半ノンストップで、とても丁寧に熱心に講評をしてくださ
いました。
阿部さんが多くの方にしていた質問。
「好きなものは何か」
「(ファイルの中で)好きな絵はどれか」
「好きなイラストレーターは誰か」
何が好きかと聞かれると、私はいつも答えに窮してしまいます。
きっと、なんとなくうすぼんやりとしか考えていないからなのだと
思いました。
自分の頭の中をビジュアル化して、好きなものをピンナップしてい
って好きな世界を明確にするとよいというアドバイス。
早速やってみた方も多いのではないでしょうか。
考えてみれば、誰に命令されたわけでもなく、わざわざ好き好んで
絵を描いているのですから好きなもの描かなくてどうするよと思い
ました。ほんとに。
「好」という字、女性が子を大切にかばってかわいがるさまを示す
そうで、自分の好きなもの、かわいがっていきたい所存です。
他にも、小物にまで気を配るように、見る人にストーリーを喚起さ
せるように、ありきたりなものにしないように、など峰岸先生から
も度々いわれていることと重なり、出来ていない自分には耳が痛い
話でした。なぜこんなに同じことを言われているのに牛の歩み以下
なのでしょうか。二階で深く掘り下げてくる必要があります。
懲りずに何度も助言して下さる先生方の存在に救われています。
デジタル技術の重要さについてもお話がありました。
自分で原画の色味を印刷で出せるように。
なかなか難しいのですが最後まで手を抜かずに面倒をみきりたいと
ころです。
最後には「イラストレーションズBOOK」の製本行程を、折丁の見本
や台割表を用意して説明してくださいました。
印刷の種類など詳しい知識がなく、どのように書籍がつくられるか
勉強が必要だと感じました。
さまざまな過程を経て、手元に「イラストレーションズBOOK」があ
るのだと思うと感慨もひとしお。
MJ生は阿部さんに足を向けて寝られないですね。
お褒めの言葉あり、ピリッとした緊張感あり、セツ時代のお話あり
内容たっぷり充実の授業でした。
阿部さん、貴重なお話本当にありがとうございました。
下田ひろみ(16期・A)
★
以下の文は私。峰岸です。
今回の合同授業は、イラストレーターとしての経験を経てからのデザイナーではないと、語れない内容の講義だった。
上記で下田さんも述べているように、作品の講評だけでもとても丁寧に熱心にやってくれた。
で、、時間も超過してぼくとの対話の時間が少ししかとれなかったが、講評の中にもデザインの事、デジタルの事、本の事、印刷の事などいろいろな話が盛り込まれていたので、とても充実した講義だった。
昔のセツ・モード時代の話は、おもしろい話がいっぱいあるので、それがあまりできなかったのが、ちょっと心残りではあったが。
イラストレーションズBOOK,今後ともなにとぞよろしく!

今までの講師とは違うのは、ファイルがみんなに見えるように(前方の人しかよく見えなかっただろうけど)ボードにに載せての講評だった。

合同授業のこの手の写真な毎回似ているので、キャプションに苦慮する。とにかく生徒が3クラス分大勢集まるので、森下文化センターの教室2つ分をぶっ通しで使う。

最後の方にイラストレーションズBOOKのデザイン、印刷、製本についていろいろ教えてくれた。この本は、何度も言うけど阿部くんなくしてはできなかった。

おまけの写真。
左より加藤裕将(25歳)、阿部かずお(26歳)、早川タケジ(28歳)、峰岸達(31歳)。1976年夏、沢田研二の衣装やグラフィックをやっていた早川タケジに「グァムでジュリーのコンサートツアーをやるんだけど、すごく安く行けるんでみんな行こうよ!」と誘われてみんなで行った時の写真。みんなセツの仲間。光陰矢の如し・・・。