7月14日の合同授業のゲスト講師は、ささめやゆきさんでした。
ちょうど授業の始まる少し前くらいからいっとき激しい雷雨に見舞われましたが、教室はぎっしり満員!で静かな熱気に溢れていました。
峰岸先生がインタビューされる形式で進む授業、
ささめやさんはとても静かな声で淡々と、若い頃からの数々のエピソード(20代はじめの出版社時代、パリ〜ニューヨーク〜シェルブールの海外放浪生活、帰国してからのこと…)をお話しくださいました。
が、やはり絵を描くことについての話になると、強く、熱を帯びてきて、
スケッチはどこでもしたほうがいい、いまこの二人(=ささめやさんと峰岸先生)を描きなさい!
と仰ったのには、はっとしました。
(峰岸先生はあとで笑いながら「絵中毒!」と仰っていましたね…)
また、数あるご著書のなかから、3冊の絵本をお持ちくださりました。

・マルスさんとマダムマルス(原生林、1997年)

・幻燈サーカス(BL出版、2003年)

・いとしい小鳥きいろ(ハモニカブックス、2013年)
マルスさん〜は、シェルブールでお世話になったご夫妻が主人公、
幻燈サーカスは、実際にサーカスに住み込んで(!)
絵を描かれたとのことでした。
後半は質問に答えて下さったのですが、そのなかで、
今でも、やめたいと思ったり、すごく悩んで、毎回手探り、と仰られたことにすごく驚きました。
(勝手ながらすらすら描いていらっしゃるのかとの思い込みがありました…)
たくさんたくさん描いて形を追求されていること、
いつも、常識から超えること、を考えていらっしゃること、
そうして素晴らしい作品が生み出されているのだと知って、深い感動を覚えました。
ささめやさん、
暑い中そして雨の中遠くからお越しくださり、
貴重なお話をありがとうございました!
10期
宮前伊津子

「わーっいっぱいいるねえ!」「ささめやさん人気あるもん!」

「オレ、若い頃、お茶美(お茶の水美術学院)に通ってデッサンしてたら、先生に「キミ、才能ないから辞めたら」って言われたの」「オレ、高校のとき美術がずっと2だったの、で、おもしろくないし、授業出なくなったら、とうとう1になったの」

「でも、イラストレーターになったもんね」「なったもんね」
ささめやさんは、3年ほど前、奥さんと二人でイタリアのどっか地方の方へ行ってしまった。
しばらくあちらで暮らしてみるという。
1,2年で帰って来ちゃうかもしれないけれど、5,6年はいるかもしれない。もしかしたら一生あちらで暮らすかもしれない、とも言っていた。
そのためミケランジェロというすごい名前の先生からイタリア語も習っていた。
ちょとした送別会をやり、女子たちから花束を受け取った時などは、うっすら涙ぐんでいた。
ぼくらもちょっとしんみりした。
ところが、3ヶ月経ったか、経たないうちに、なんと日本に戻って来てしまっていたのだった。
「ビザがまずくてさあ、血圧は高くなるし・・・」
「えー、イタリアなのにピザがまずいの?それ食べてたら血圧上がっちゃったの?」
「バカ、ピザじゃなくてビザ!ビザがまずい事に3ヶ月しか使えなかったの、いろいろあってね・・・。血圧はたまたま、そういうトシだし」
そんなこともあったけど、今は元々いた鎌倉の家に落ち着いている。
血圧も薬のおかげで安定しているし、2ヶ月ほど前にやった耳の手術も全快し、今年70歳になる(なった?)が、益々創作意欲満々のささめやさんである。
話、とってもおもしろかったね!
懇親会もつき合ってもらったら、終電ぎりぎりになっちゃったらしい。おつかれさまでした。!ありがとうございました!
峰岸達