クラス、1期生の加藤佳代子です。
新潮社、新潮文庫で、橋本治・著「リア家の人々」のカバー装画を描きました。
ガンで妻を亡くした官僚の父、残された三人の娘。
平凡な家族の歳月を「リア王」の孤独と日本の近代史に重ね、昭和の姿を映す物語です。
この長編小説は昭和を知る意味でも意味深い小説だと思います。
作者の橋本治氏は東大在学中の駒場祭のポスターで
「とめてくれるな おっかさん 背中の銀杏が泣いている 男東大どこへ行く」
というコピーとイラストレーションを描き注目されました。
現在は小説家、評論家、随筆家として活躍されているのは皆様ご存じの通りです。
橋本氏と私は同じ年齢なので、小説を読み終わった時には、この家族が生きてきた昭和を私も追体験するような感覚になりました。
私のホームページに載せていた昭和メモリーズの中の一枚がこの小説に合うということで、装幀部の二宮由希子さんからご連絡を頂きました。
打ち合わせの時すでにその絵にタイトルを載せた状態のものを見せて下さり、この絵のイメージそのままでという事でしたので、小説の内容に合わせて三姉妹にすることや家の変更、タイトル位置の考慮、二宮さんのアイデアで父親の存在を表現するなど描き直しすることになりました。
二宮由希子さんは1月の合同授業で講師をされますね!
温厚で語り口の優しい二宮さんの授業、今からとても楽しみです。
「リア家の人々」12月26日発売、2013年1月新刊です。
加藤佳代子(1期・Aクラス)
