順序から行くと、課題作品「冬」のピックアップを先に載せなければいけないのだが、灘本さん来塾の記事があまり遅くなっちゃうとタイミング的にちょっとなにかな、と思うので、こちらを先に載せることにした。
12月3日の3クラス合同授業は、ゲスト講師に日本イラストレーション界のご老公灘本水戸黄門唯人さんを招いて乃木坂教室で行われた。
あらかじめ集めておいた紙に書かれた生徒達の質問をぼくが読み上げ、それに灘本さんが答えるという授業形式で進められた。これは和田誠さん、山口はるみさんに来て頂いた時と同じ形式である。
面白くてためになる話、ためにならない話が満載のまさに名人会の名に恥じない笑いの絶えない2時間だった。
動物園のカンガルーにノックアウトされ気絶した少年時代、上官のラブレターを代筆していた一方で、何人もの先輩が南の海に散っていった予科練の時代、せっかくデザイナーとして高島屋に就職が決まっていたのに、早川良雄さんが知らない間に勝手に断り、自分の事務所に勤めさせられた青年時代、レギュラー二十数本かかえ睡眠時間三、四時間でノイローゼ状態になった超売れっ子時代、そして、スター達との交遊話・・・。
毒舌で軽妙洒脱、辛かった出来事も最後は笑いに持っていく。さすが関西人!
休憩時間には休憩しないで持参した原画をみんなに披露。今も仕事には貪欲!
灘本唯人名人会は大盛況のうちに幕を閉じた。
あとでぼくに「今まで来た(ゲスト講師の)中で誰の時が(生徒が)一番笑った?」と聞いた。「あんたは芸人か!」と、大先輩につっこみを入れたところで、おあとがよろしいようで。
授業の後は灘本さんを交え、いつもの「土風炉」で懇親会。総勢六十数名。いつもの月並みな言い方だが大いに盛り上がった。
この後、ぼくとぼくの奥さんとナイスケイコ(4期)さん(彼女は前から灘本さんと親しい)が連れられ、灘本さん行きつけの「OP」へ。
そして、この店のオーナーの由美さんもお客に加わり、灘本唯人名人会第二部が夜中の三時過ぎまで繰り広げられた。
壁には灘本さんがプロデュースした黒田征太郎、長友啓典両氏(このお二人は灘本さんの弟分みたいな人たち)の合作作品が展示されている。
大変楽しくはあったが、3時過ぎね、夜中の、ウーム、この八十二歳はやはり只者ではない!