自転車は左側通行が基本です。
しかし信号にひっかかった時など、ちょっとだけ右側を走って、交差点からちょっと離れたところで横断、とかは日常的によくやると思います(^^;)。
自転車ならではのズルイ手段といえるでしょう。
ズルイだけならまだ「カッコ悪い」だけで済むのですが、
これは、非常ーーーーーーに危険です。
交差点しのぎだけならばまだいいのですが、最近増加中の自転車通勤者をみていると、右側の歩道をずっと走り続ける人もみかけます。彼らはきっと自殺志願者なんだと、解釈しています。(それほど危険です。)
なぜ危険なのか。
※半分は自転車講座の受け売りの内容ですが、日頃思っていることでもあり、この時期事故が増えることもあり、書きました。
いくつかの明確な理由があるのです。基本的には、日本の自動車が左側通行であることに由来します。
交差点での場合をまず考えてみましょう。イメージして下さい。(図に書いてみてください。)
・十字の交差点を描きます。街なかだと仮定して、四隅は見通しが悪いと考えて下さい。
・自動車を描きます。停止線からちょっと顔を出した位置に描いてみて下さい。(四隅とも)
・自転車を描きます。右側通行で交差点に入ったと仮定して描いてみて下さい。(四隅とも)
もうおわかりですね。自動車と自転車はぶつかっていると思います。出会い頭事故です。仮に自動車が安全確認のため、ごく微速で前進したとしても、右側通行の自転車はぶつかってしまいます。
これは
「避けようがない」という、最悪の事故パターンとなります。
もうひとつ危険があります。自動車と自転車は正面の位置関係にもなります。正面衝突はとても危険な衝突パターンです(後述)。
では自転車がちゃんと左側通行をした場合はどうでしょうか。自動車と同じように、停止線からちょっと顔を出した位置に描いてみて下さい。
すべて自動車と並ぶと思います。この場合はたとえば車がちょっと停止線から顔を出したとしても、少なくとも片側車線分の余地があります。そして正面衝突の危険はありません。
さて、正面衝突の危険について考えてみましょう。正面衝突は、何も自動車対自転車の場合だけではありません。自転車対自転車でも十分に危険です。
A)時速20km/hで左側通行している自転車があります。これを追い抜こうとして走る時速30km/hの自転車がありました。ところが追い抜き際で追突してしまいます。このときの衝突速度差は10km/hです。
B)時速20km/hで左側通行している自転車があります。正面から右側通行をして向かってくる時速15km/hの自転車があります。お互い避けようとしたものの、同じ方向によけてしまい、衝突してしまいました。このときの衝突速度差は35km/hです。
傍から見ていればおそらくAのほうが速度があるので、危険に見えると思います。しかし、ダメージのエネルギーは衝突速度差の2乗に比例します。AとBでは衝突エネルギーは
実に10倍もBの方が大きいのです。
上の例は、お見合い衝突してしまうというマヌケな例ですが、わりと日常的に見られます。それはなぜか。
左側通行をしている人は、相手に対して左側によけます。右側通行をしている人は、右側によけます。これはどちらも「道路の外側に向かって回避する」という回避行動ですが、これが仇となってしまうのです。
自歩道などを自転車で左側通行をしているときに、正面から右側通行で自転車がやってきた場合、どう回避するでしょうか。
左側通行の私は進行方向左によけますが、右側通行の相手は相手から見て右によけるため、私から見ると左によけることになります。どちらも道路外側によけることになり、結果としてお見合い衝突することになってしまいます。アイタタタ。こういう経験はわりとよくあると思います。
右側通行には、こういう不必要な危険が潜在しているのです。だから、やめましょう。
「ちょっとだけ右側通行」をするくらいなら、どうどうと赤信号を渡った方がよほど安全です。
守らなければならないのは、交通ルールではなく、自分の命です。
道路を通行する物体(車、自転車、人、ほか)が、基本的にはどう動く(はず)か、イレギュラー的にはどう動くか(←これ大事)、それを予測し、リスクを減らすことが、命を守ることにつながると思います。
基本的には、交通ルールは守る。交通ルールを守らない奴は相手にせず、離れる。衝突するのが事故とするならば、「(人、物から)離れる」という行動は文字通り事故から遠ざかる(安全を高める)ことにつながります。とくにルールを守らない奴は基本行動が読みにくいので、回避しにくい相手です。十分に離れましょう。
夏休みになり、夏期講習で運転免許取り立て、という初心者も多くなると思います。就職してようやく車を手に入れた、という人も出てくるでしょう。
なにより朝から晩まで道路には子供が必ずいます。早朝にカブトムシ獲りに来ていたりするかもしれません。
自転車のルールを知らない(というか道路交通法を知らない)悪い高校生もいます。
たとえ悪いのが相手だとしても、彼らと自分の両方を守るにはどうしたらよいか、自分には何ができるのか。
予測してみてください。