2005/3/18

生活の柄/高田 渡  音楽

山乃口獏は生涯名声や裕福というものとはかなり縁遠かった人だった。
もちろん晩年には時の人ともなり、それなりに作品も有名にはなった。
そしてなんといっても高田渡の代表曲でもある「生活の柄」
この曲の元となった詩をはじめ、彼は今でも数多くの獏作品を手がけ続けている。そうした活動を通して僕も含め、遅れて獏さんの世界に魅了される人たちが少なからずいるのだ。

獏さんの詩からは貧乏を絵にしたようなその暮らし、奥さまへの愛情、そして沖縄がおかれている現実や、戦争がもたらす悲劇というようなことが、おかしく、寂しく、明るく、朴訥とした文体のなかから湧き出してくるのだ。
もがきながら、苦しみながらも、懸命に生きる平易な人々、自分を見事に炙り出すような生き生きとした詩なのだ。

世界の大半はずいぶんと貧乏(日本にくらべて)かもしれないし、いろいろ大変なことも多いかもしれない。
アジア各国を旅するとき、いつも思う。何が幸せなのかと。
モノが豊かになっても、なに不便のない生活がおくれたとしても、失ってしまったものは取り返すことはちょっと楽にはいかない。
獏さんの描いてきた世界は、僕に「ちょっと待て。今オマエはどこにいるんだい」と問いかけてくる。

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