2006/12/28

核という存在  

最近、ノーベル賞候補だからってわけではないけど、村上春樹の本をまとめ読みしてます。
昔アルバイトしていた神保町のジャズ喫茶のウェイトレスだった人が彼の奥さんだってきいたのは随分あとになってからですが、音楽や映画への造詣はもしかしたら、このジャズ喫茶が重要だったりして、って想像しちゃうと楽しくなります。

で、春樹じゃなくてちょっとヘビーな本を一気読みました。

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「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」

これは東海村の核燃料加工施設でおきた臨界事故についてのドキュメントです。

まだ読んでない方、お勧めします。

核とか放射能とか、原発とかってなんかわかったような気がしていながら、よくわかってないんですよね
特にそれが人体にどんな影響を与えるのか、ということが。

この本では被害者の治療にあたった医療現場の取材によって、放射能被害の影響を鮮烈なまでにあぶりだしています。

負けの見えている戦いに望んだ医師、看護婦たちの苦闘と苦悩、一縷の望みをもすてない家族たちの愛情、さらに「モルモットではない!」と叫ぶ被害者の大内さんの姿をみごとにとらえています

読んでいるうちに息苦しさを覚えるくらい、放射能の怖さが伝わってきます。
人間には到底太刀打ちできない、暴走する放射線被害。
この前には我々は結局無力でしかない。

この本では核の是非とか、原発の是非を問うているわけではありません
しかし人間一人の命、というなにごとにも代えがたい尊い存在を通して、我々に問題提起をしていることは明らかです。
ひいては人とはなにか、命とはなにか、という根源に対する問いかけ。

唯一の被爆国、というキャッチが日本にはついてまわりますが、チェルノブイリを初め、アメリカやビキニ環礁、その他世界では核兵器、原発による被害者は数多く存在していることを忘れてはいけないですね。

そしてその人たちにどういう惨事がおきているのか、おこっていたのか、もう一度広島、長崎をふくめ、自分の問題として考えていかなければいけない時代になっているんだってことも。

シンゾー君とかナカガワ君とかに、ぜひ読んでほしい!
大内さんの死を無駄にしないために、けして風化させてはならない事故であることは間違いない。


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