ラスト・ミステリー・ツアーの先にあったモノ(ノケ)御報告申し上げる
まだ桜が咲き誇っておりました
来年は許可を得てこの場で花見をしたいものです
(クラウンしょってるのは初代トヨタダイナ、しかも2台います)
鎮座するクラウンも緑に覆われつつあります
こうしてみると、この角度 仁王像にも見えてきます
はたして ブリスカは なんと「トヨタ」でありました
ブリスカと言えば日野なわけですが
トヨタとの合併後ハイラックス登場までの間
1年弱というわずかな期間トヨタブリスカとして発売された
という稀代の希少車であります
そして前回は完全に雪の下だったため
正体が判別しませんでしたが
屋根だけしか確認できなかった謎のバン
その正体は プリンスの なんとスカイウェイです
写真中央にフロントグリルの端が映ってますが
まさしく50系スカイラインの見慣れた形状であります
しかしこの車体には、テールゲートがあるわけで
雪による圧損が著しくバンかワゴンかまでは
判別不能ですが、セダンで無いことは確かであります
三角窓のレバーにプリンス魂を見つけました
そして前回心奪われた初期型ペレット1500
水仙を見つめるそのテールライトの輝きは
まるでラピュタの例のロボットを思わせます
水仙は そこかしこにも 圧損の激しい個体の周囲に
供えたように咲いておりました (写真はDATSUN521バン)
桜が散るのと入れ替わるように
この地にも新緑が芽吹き始めます
そうなればこの廃車体たちは緑に包まれ
その姿は見ることすらできなくなるでしょう
クラウン以外は すべて緑の中へ
そして秋枯れとともに また一瞬だけ姿を表し
冷気とともに雪の中に姿を隠すのです......
正直、写真全部見てると見てるほうも廃になって
具合悪くなるかもしれねすけ、気を付けてくんなせ
現地へ行った自分はまだ具合悪いですて、こんなの
深く追い込むもんでは、ねーですよ
負のエネルギーというか、ほぼ「妖怪のたぐい」化してるので
それらに触れ過ぎた我々3名は帰ってきてから具合悪くなりました
しかしこのほかに
初代ファミリアバン(たぶん800)、初代ルーチェ、パプリカ700のバン
FBでしたっけ?ボンネットのあるスズライトキャリィ、三菱J30の初期
内装が朽ちてエンジンも見えないのでG7かG11か分からないけど
ハチマキグロリアがいるんですが、計12台すべて再生不能状態
それこそ廃車体になって、ウン十年という猛者ばかりですので
現代のカラカサお化けというべきか、たんなる車ではなくなってます
割烹ゐぬ乃では以前から提唱していますが
日本は道具が化ける文化を持つ国です
過度に長い間使われ続けた道具(農具や草履が化けた例)
あるいは道具として生を受けたものの不遇な扱いを受け
それを戒めるため化けたもの(なんだっけ思いつかない)
長い間使われ続け耐用年数も超え生き残った車は
自ら更に生き延びようと意志を持つように、オーナーを操り始めます
あるいは自らが生き延びようと“オーナーを選ぶ”ことを始めます
そうして生き延びている車は
イニシエから続く妖怪の類の継承と言って良いのではと思うんです
そうなれば廃車体はどうなのか
車として長い距離と時間を走りぬけ
満身創痍となって、廃車の運命となり
廃車体ヤードで部品取りとしての余生を過ごす
いわば部品として生き続けることができるわけですが
この場の廃車体たちの特殊性としては
エンジンはおろか部品の多数(希少な部品もそのまま)を
残したままなんです、つまりは部品取りとしてここいるわけではない
ということ、しかし雪害により原型をとどめている部品はほぼ皆無です
エンジンもすべからく水が入り、ほぼ鉄塊でしょう
内燃機関としての使用はできそうもありません
ただただ 朽ちるにまかせるばかりの車たちであります
パブリカ700のバン 初期型ペレット トヨタブリスカなどは
廃車体としても、全国レベルで見て極めて希少な車でしょう
そんな車たちが
毎年の雪の重さを動力源としてミリ単位で地面を目指す
この状況に諸行無常感以上のものを感じます
商業車が多いので 商業無常感とも言える
昔の日本人は働いた その産業文化財として
保存すべきです ただし夜は入場禁止

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