業界最高年齢社長Halのゲーム日記 その478 昔のカメラのお話し編

2012/3/18 | 投稿者: hal

今でこそカメラと言えば日本製と相場が決まっているが、ちょっと前(昭和の30年代)迄は高級カメラはツァイスとライツで決まりだった。 

当然非常に高価であり、「ライカ1台(或いはローライ1台)家一軒」という言葉さえあった。 戦前のライカが確か800円だかで、当時は安い家は1000円で買えたそうだから、文字通りライカ1台と家1軒は等価だったのだ。

私は小学生の頃からカメラに興味を持ち、スタート35とかいうボックスカメラで写真を撮り始めた。 シャッターはバルブと1/30、絞りは・・・忘れてしもた。 ごく簡単なオモチャに近いようなものだった。

中学の頃にねだりにねだって「ミノルタコード」という二眼レフを買って貰った。 価格は確か2万円位ではなかったかと思う。 現在のレートでは20万円位なのだろうか。 厨房のガキには過ぎた金額である。 

同級生に金持ちの息子がおり、ライカのIIIfを学校にぶら下げてきていた。 羨ましかったですなあ・・・ しかし当時の価格で30万円ほど、現在では400万円近いものを、いくらワガママな私でも買ってくれとは言えなかった。


戦前から昭和20年代にかけて、ライツとツァイスはライバル関係にあったわけだが、レンズは断然ツァイスに軍配が上がっていた。 ライツのレンズが本当に良くなったのは昭和も30年代に入ってからではないか。 

戦前にはライカのボディに細工をしてツァイス(コンタックス)のレンズを着けたという人までいた位だ。

ところがボディとなると、ツァイスのボディはスペック(機能・性能)は高くても実に使いにくく、非実用的なものだったようだ。 フィルムの装填にもかなりの注意が必要だし、なにより重くて持ちにくい。

しかもコンタックスの距離計には、8センチもある長いむくのプリズムが入っている。 したがって不用意に衝撃を与えるとこれが折れてしまい、一巻の終りとなる。 なんとも恐ろしいカメラボディである。

大体ツァイスのボディで使いやすい傑作と言われるボディはほとんどない。 二眼レフのローライフレックス位だろう。 同じローライでも一眼レフの方は、ハッセルブラッドと比べてでかくて重く、使いにくいという定評がある。 レンズも二眼レフのプラナー80oF2.8は名玉中の名玉という定評があるが、一眼レフの方はあまりぱっとしない。

ツァイスイコンのコンタレックスというカメラがあった。 上野のカメラ屋で始めたこれにお目にかかった時はびっくりした。 なんという醜悪なカメラ、とその時は感じた。 しかももの凄く重く、つるつる滑ってホールディングしにくいのだ。 

最悪なのはファインダーの中央部が非常に暗く、ピント合わせがしづらい。 これはファインダー中央部がスポット測光の為にハーフミラーになっているためで、大半の光を測光用に取られてしまい、人間の眼に届くのは20%位だったのではないかと思われる。

このコンタレックスは当時(昭和30年代の終わり頃?)としては最高水準のスペックを持つカメラだったが、スペック的には最高クラスで、実用的には最低クラスという、非常にアンバランスなカメラであった。 しかもハッセルブラッド一式より高いというとんでもない価格設定であった。

このみっともなく使いにくいボディに比較して、レンズは実に素晴らしいものだった。 このアンバランスさが、ツァイスがカメラボディから撤退という結果を生んだのではないだろうか。


一体に一眼レフのレンズは、距離計式や二眼レフに比べて描写性能面では劣るという定説がある。 特に広角レンズでこの傾向が顕著である。

一眼レフの場合「可動式のミラー」というくせ者があり、そのためレンズの後端をある程度以上フィルム面に近づけることが出来ない。 このために特に焦点距離の短いレンズ、広角レンズは設計的に無理がある。

レンズの設計上理想的なのは、焦点を中心にして前後対照になるのが最も良いという。 しかし一眼レフでは前記の理由により、プラナータイプのような前後対照型のレンズ設計が出来ないので、最前面に曲率半径の大きな凹レンズを入れなければならない。 これが描写能力の低下の大きな原因となるそうだ。

ハッセルブラッドswcのビオゴン38oという広角レンズ(ツァイス製)がある。 これはswcという一眼レフではなく目測式のカメラで、ビオゴンレンズが固定されている。 このレンズの描写は唖然とするほど素晴らしいものがあった。

又ライカにはエルマリート28oF2.8という広角レンズがある。 このレンズも一眼レフの28o広角レンズに比べて、信じられない程の高性能なレンズだった。

この2つはいずれも一眼レフのレンズではなく、ツァイスといえども一眼レフ用の広角レンズでは超高性能と言うほどのものはないようだ。 これは設計上の根本的な理由によるものなので、いかにツァィスでも非一眼レフ広角レンズと同等のものは作れなかったらしい。
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