業界最高年齢社長Halのゲーム日記 その323 東電の責任編

2011/3/24 | 投稿者: hal


福島第1原発と女川原発の違いとは?

今回の原発事故で思うことは、東電の福島第1は大事故を起こしたのに、殆ど同じ条件下にあった東北電力の女川原発は何故無事だったのか、ということだ。

今回の原発事故では、地震そのものによる被害は最初に想像していたよりずっと少ないようで、殆ど何もないと言っても過言でない位だ。 最大で且つ最も重大な被害は、津波による「バックアップ電源の損壊」というものだと思う。

地震の第一波では原子炉は緊急停止していた。 つまり地震「だけ」なら炉心や燃料棒プールの冷却は可能だった。 冷却がうまくいっていれば、燃料棒の露出による水素の発生などもなく、建屋の損傷もなかった。 したがって放射能の漏出なども避けられただろう。

しかしその後の想像を絶する大津波により、バックアップ電源関係の建物などは全て流出してしまった。 この発電所の建設時の津波の想定は7m程度らしいが、それを遙かに超える20m近い津波だったようだ。

とはいえ、女川原発は一部には海水が侵入したものの、設備自体は無事だった。 女川に押し寄せた津波は15mクラスで、福島第1原発と同じ程度のものと思われる。 後発である女川原発は建設時の津波対策の設定が、9.1メートルと想定して設計されたそうだ。 これは福島第1原発とほぼ同程度だが、敷地自体の海抜が14.8メートルあるので、合計24メートル近くのマージンになる。 このマージンの差が被害の大きさに決定的な違いを生んだのだろう。

福島第一原発では津波の想定は5.7メートル、原子炉がある建物やタービンがある建物は、海抜10メートルから13メートルのところに建てられていたとのことだ。

もし、福島第1原発でも女川と同じクラスの建設基準で建設されていたら?

恐らくは女川同様に無事であり、少なくとも今回のような重大な事故は発生しなかったということになる。 大竹政和・東北大名誉教授(地震学)も「福島第1原発の建設前の津波の評価が過小だったことが証明された。」と述べている。

つまりは古い建築基準のままの原発を、そのまま放置したということだ。 この点で東電の責任は非常に重く大きい。


単に原発の事故に留まらず、電力不足による日本経済への影響は深刻で、長期的には地震・津波による直接の被害より、金額的にはこちらのほうが遙かに重大ではないだろうか。

電気がなければものは作れない。 車も作れない、電気製品も作れないとなると、「経済大国」などという一枚看板はあっというまに消えてなくなる。 

日本の場合、国土が狭く人口が多いなどの条件で、原発以外の発電方式はかなり困難だ。 水力発電はとっくの昔に限界に達していて、今後新しく大規模な水力発電所が建設される見込みは皆無に近い。

風力や潮力発電は、現状ではごく小規模なものだけで、大規模な実用にはほど遠い。 火力は後少しは建設出来そうだが、これも限界に近づいている。 しかもCO2排出などの問題も抱える。

核融合は50年後に実用化されるのやらされないのやら、とんとあてにならぬ。 その他の方式も、例え理論的には優れていたとしても、今すぐ実用に供することができるものは見あたらない。

となると、どうなるのか?

このままでは東電管内の電力不足は1.2年は続きそうだ。 それに加えて原発の再建・新設が全くなければ、一時的に生産量が落ちるだけではなく、今後相当長い年月(代替え発電方式が開発されるまで恐らく数十年)は日本国の生産能力は、事故前の2/3程度にとどまるのではないだろうか。

その間に国際的シェアは他国に奪われ、製品が売れなければ技術開発に回す金もなくなる。 日本の売り物の一つである技術力も低下し続ける。
5年後10年後には、経済的にも技術的にも二流三流の国に落ちぶれるのは必至である。


『もし』、福島第1原発に津波などへの対策がとられていたら?

今回の事故は発生せず、日本の原発の安全性は高く評価されて輸出も行われ、電力不足も起きず、経済と国力の低下も避けられただろう。


こう考えると、大津波に対する対策を怠たり、単に原発事故のみならず日本経済にも計り知れない大打撃を与えた、東電の責任は万死に値する。

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