業界最高年齢社長Halのゲーム日記 その306 怖いぞフラグメント編

2011/2/15 | 投稿者: hal

「怖いぞフラグメント」 でもデフラグすればなんてことないや。
ほんとに? 怖くない?

でもこちらのフラグメントはデフラグなど到底不可能なのだ。

フラグメント ウォーレン・フェイ 早川書房

フラグメントという言葉はコンピューターをやっている者にはおなじみだが、こちらはウォーレン・フェイという作家の、クライトンの「ジュラシックパーク」を思わせる傑作だ。 専門用語を駆使しているので、生物学か生態学の専門家かと思ったら、ごく普通の作家だった。 下調べには3年以上の日時を費やしたそうである。

あるテレビ番組のスタッフたちは、偶然ヘンダース島という絶海の孤島に立ち寄る。 ヘンダース島は断崖絶壁に囲まれた小さな島だが、数億年も外界との接触がなかった。 そのため、進化の過程は通常の世界とは全く異なる状態となり、島の生物は独自のしかも恐るべき様相となっていた。

上陸したスタッフは、抜け駆けして一足先に断崖をよじ登った仲間が、後にスパイガーと呼ばれるようになった怪物に襲われるシーンを、リアルタイム中継のカメラに納めることになった。

アメリカはいち早く機動部隊の一部を回航、その島を支配下に治める。 そしてNASAの惑星探査機器を利用して島の生物の状況を調査するが、このヘンダース島の生物は通常の常識が通用するようなやわな相手ではなかった。 

驚異的な反射神経を持つマングースでさえ僅か2分で捕食され、NASAの火星探査機器を流用しての有人調査は、悲惨な結果となった。 島の生物が分泌する強酸で、分厚いプレキシグラスを見る間に割られてしまったのだ。

そして・・・ とまあ、こんな具合で話しは進む。 アイデア的にはこのフェイは非常に良いと思う。 アイデアの凄さはクライトンさえ上回るかも知れない。 なにより凄いのは、詳細精密に描写される新種の生物たちだ。 

5億年の間に、通常の地球の生物とは全く異なる進化を遂げた恐るべき生物たち。 それは脊椎動物・無脊椎動物の垣根を乗り越えた、表現のしようもないほど多種多様でおぞましい形態となっていた。 銅をベースにした緑色の血液を持ち、その捕食性は極限にまで達していて、お互いに食い合い殺しあっていたのだ。

植物と動物との相違さえ曖昧で、一見植物に見えても素早い動作で相手を捕食する。 しかもある生物に至っては、相手の腹を食い破って卵を産み付けると、その卵は瞬間的に孵化して幼生となり、その幼生は相手の腹の中で更に卵を産み付け、その卵が瞬く間に幼生となって更に・・・

 どうです? 怖いでしょう、おっかないでしょう? これが怖くなければ、それは私の紹介文がつたないせいであります。

但し、ストーリーテリングはやはりクライトンには一歩を譲る。 もう少し捻った展開にすれば、歴史に残る傑作になっていたかもしれないが、ややストレートに過ぎて読了後の印象は佳作の上というあたりに留まった。 ラストがごく単純にめでたしめでたしというあたりも、その物足りなさ感を覚えさせるところの一つである。

でも面白かったお。 ホラー系或いはバイオハザード系SFがお好きな方には、充分お勧めできる。


ノパルガース (積ん読済) ジャック・ヴァンス ハヤカワ文庫
これまたなつかしや、「竜を駆る種族」などでおなじみのベテラン、ジャック・ヴァンスの新作ではないが新刊。

久方ぶりのヴァンスの作品ということで期待していたのだが・・・ 少し、いや大分がっかり。 ジャック・ヴァンスの作品ってこんなに古くさいものだったのか? 「竜を駆る種族」にはかなり興奮したものだが、これはいにしえの40年代の作品とさえ思える。 書かれたのは50年代半ばらしいので、やむを得ないと言えばやむを得ないのだが。 

大味でおおぶり、良く言えば古き良き時代の作品というところ。 残念ながら未だヴァンスを読んだことがないという方に、お勧めできる作品ではない。


以下は又後で・・・

銀河乞食軍団黎明編1-4 (積ん読中) 大元帥閣下原案 鷹見一幸 ハヤカワ文庫
なつかしや、故大元帥閣下の残したアイデアによる新作リメイク?である。 閣下御真筆のものは、完成に至らず中断したという記憶があるが、果たしてどうだったのか。 なにせだいぶ前のことなので、私の記憶も曖昧模糊としている。

同種のものには、田中芳樹原案・荻野目悠樹作の「野望円舞曲」というものもある。 
この種の著作はどうしても大物原案家の方に目が行ってしまい、肝腎の内容は今一つというのが多いが、これはどうだろうか?

それにしても、ムックホッファとかロケ松とかいう名前に、再びお目にかかれるとは! 懐かしい上にも懐かしい。

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