2020/5/31 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその22
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陣堂はるーくんの中に、なにかを隠したらしいとわかった所からである。
■第4話 傷ついたテディベア 第7日
そしてそれは、ルークンの中にある筈である。
成美がるーくんを探すと、背中の縫い目になにか小さいものが入っている。
それはマイクロフィルムだった。
ともあれまどかにも話を聞かなければと、友凜病院へ警察の車は走る。
車の中で森川は、あの死体は所長の可能性が高い、京香に無駄な期待を持たすなと言い張る。
森川の最近の不機嫌の理由はこれだったのだ。
恭介はピンと来た。
森川は京香に本気で惚れているようなのだ。
二人が言い争っていると、無線で氷室の声が響いた。
「あの死体の歯形は、所長のものではなかったぞ」
そしてまどかに陣堂と話した時のことを聞くと、どうも陣堂はまどかの父親に関心があったらしいことがわかった。
更に推理を進めて行くと、あのようなスプラッター状態で死体を放置せざるを得ない状態が、恭介の頭に浮かんできた。
あの時は急患が3人も担ぎ込まれ、外科医がどうしても必要だったのだ。
この病院での外科医は、陣堂と院長のみである。
その時森川が現れて、院長は院長室にいないと言う。
京香も表れ、あのフィルムの内容は、この病院の臓器故買の記録だったと言うのだ。
森川と手分けしてまどかを探していると、3階の踊り場で院長とまどかを発見した。
院長はまどかの喉に擬している。
そこへ森川が駆けつけ、拳銃を院長に向けた。
しかし・・・ 森川は署内随一の拳銃の「不名人」として有名なのだ。
恭介は森川に銃を降ろせという。
森川は銃を捨てたが、その隙に恭介はまとかを奪い返した。
エエカッコしいの見本ですな。
院長は身を翻し、窓に体当たりして飛び降りた。
■エピローグ
院長は一命はとりとめたが、頭部を強打したためか、自分の名前すら覚えていないようだ。
その後友凜病院からは退職、転院が後を絶たず、存続さえ危ぶまれているらしい。
そしてまどかが転院する日、恭介と京香は病院を訪れた。
完治したるーくんを携えて・・・
まどかは「おおきくなったらおにいちゃんのお嫁さんになる!」と言ってくれたのだ。
そして氷室からの連絡では、上遠羽山中の死体は、元毎朝新聞の柴田という男なのだとのことである。
「それはおかしい、柴田さんには先日会っていますよ」と言うと、氷室は不思議そうだった。
これにて第4話 傷ついたテディベアは全巻の終わりである。
■第5話 迷いの懐中時計 第1日
平穏無事な日常・・・
テレビでは解体した木原グループの後継企業、不思議ビバレーツのニュースをやっていた。
不思議ビバレーツは福祉団体コンティニューの支援をしており、所有している豪華客船アニバーサリー号でチャリティコンサートを開くとのことである。
あの事件で知り合った盲目の少女とその兄は、音楽留学のため海外に旅だっていったが、その後どうしているのだろうか?
事務所に出所(監獄から釈放されたわけではない)すると、京香が一通の海外便を見せてくれた。
なんとあの兄妹、嘉納浩司と潤からのものである。
潤はイベントでピアノを弾くため、一時帰国するとのことなのだ。
ミッシングパーツその23へ続く

2020/5/31 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその21
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天然超能天気の奈々子の発案で、夜の友凜病院に潜入した所からである。
■第4話 傷ついたテディベア 第5日 続き
待つこと暫く、奈々子はやたら話しかけてくる。
怖いからだろう。
その内にふと鏡を見ると、見覚えのある白衣が揺らめいている!
陣堂だ。
奈々子には哲平の部屋に逃げろと怒鳴り、白衣の跡を追って行くと、看護婦らしい声が聞こえる。
慌てて手近な扉を開いて飛び込むと、そこは物置らしい。
声はやがて去って行ったが、なにやら不快な匂いがすることに気づいた。
匂いのするあたりを調べると、赤黒い筋となにかを引きずったような跡がある。
その先には髪の毛らしきものも落ちていた。
陣堂の死体が置かれていたのだろう。
二人が見はっていたのにその目に触れず中央廊下に現れるには、廊下の途中、つまりこの物置から出て来るしかない。
結局恭介は、見張りのためまたあの物置に戻り、朝迄見はる羽目になった。
■第4話 傷ついたテディベア 第6日
翌朝、固まった身体を無理やり伸ばし、まどかの部屋に行くと、まどかと奈々子は二人でお休み中だった。
奈々子を叩き起こすと、着替えるから出てけ〜っとオン出され、やがて制服に着替えた奈々子が出てきた。
その後、もう一度物置を調べてみたが、やはり手がかりはない。
そういえば、夕べの陣堂の死体は、T字路を右に曲がっていた。
そちらに行くと、手術室があり、暗証番号式のロックがある。
0214と入力すると扉は開き、中には幾つかの扉が並んでいる。
しかも、扉のかなり高い所に血の跡がついているのだ。
2番の扉から入って見ると、手術台の上には陣堂の死体があり、その腹は大きく切り開かれていて、腸が周囲に散らばっていた。
我慢しきれず外に飛び出すと、婦長に見つかってしまったが、「陣堂の死体があるので警察を呼んで」というと、婦長はすぐ通報するとのことだった。
警察がくるまでにもう一度確かめておこうと、なけなしの勇気を振り絞ってまた手術室に入った。
しかし特に新しい発見はなにもなく、しかも院長が入って来た。
外科医である院長さえ、現場を見るとひいてしまうのだ。
その後は氷室に手術室と物置のことを話し、まどかからるーくんを預かってセクンドゥムに向かった。
幸いミズ吸血鬼は起きていて、3日もすれば右目が届くそうで、るーくんはそのまま成美に預けた。
ハードラックに行ってみたが、今日はエミーは来ていないようだ。
帰りがけにとおば東通りで意外な人物を見つけた。
威である。
しかし、威は恭介より一枚も二枚も上手で、軽くからかわれてしまった。
■第4話 傷ついたテディベア 第7日
翌朝事務所へ行くと、氷室から電話がかかってきた。
なにかわかったことがあるようで、早速警察へ。
氷室もあの内蔵の開き方は奇妙に思っているようだが、恭介はふと「あれは内蔵内にある筈の何かを探していたのでは」と話した。
氷室もそのように考えているようだった。
そして「こんなものが陣堂のズボンのポケットに入っていた」と、黒いものを見せる。
これは・・・ るーくんの右目だ!
ともあれ、左目と照らし合わせてみないと、セクンドゥムに向かった。
間違いなくその黒いものは、るーくんの右目だった。
そうなると、陣堂は右目だけを取って自分で持ち、るーくんそのものは投げ捨てた、ということになるが、その理由はなにか?
腹の中を探すということは、陣堂は何かを呑み込んだと犯人は考えたからだろう。
となればそれはごく小さいものだ。
ミッシングパーツその22へ続く

2020/5/30 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその25
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タクシー運転手波多野の足跡を辿り、上遠羽山麓に分け入ると、防空壕を発見した所からである。
■第5話 迷いの懐中時計 第5日
内部には草が積まれているが、その下からスーツケースが見つかった。
死臭の元はこれらしい。
鍵がかかっているが、キーホルダーの細い所を針金代わりにして、なんとか鍵を開けると、中には腐乱死体があり、凄まじい匂いが立ち上る。
慌てて外に逃げ出し、氷室に連絡を入れた。
かけつけた鑑識によると、被害者は公安の刑事で、死因は撲殺で犯人は右利きらしい。
それを聞いた京香は泣き崩れる。
哀しみではなく喜びの涙である。
誠司所長は左利きだったのだ。
この後は事務所でファイルと推理となる。
ファイルを分類して、M・A・YとGの、それぞれの頭文字に該当するファイルを割り当てるというものだが、かなり面倒な作業である。
Mは枕ヶ碕、Aは青島組、これはすぐわかる。
Yは友凛病院だが、Gが難物である。
そして姓ではなく名前のGは剛三とすれば、木原剛三となる。
整理すると。枕ヶ碕で失踪した人間が青島組に拉致され、友凛病院に連れて行かれて、臓器売買の対象者となる。
そのシステムの指揮をしたのが木原剛三で、江榮グループもそれに関わっている、ということになった。
ハードラックで哲平と合流し、エミーに所長が追っていた人物のことを聞くと、「大野政吉」という人物らしいのだ。
しょうもないゴロツキで、警察も拘留しようとしたのだが、いきなり緊急入院となり、そのまま死んでしまったという。
どうにも怪しい話である。
■第5話 迷いの懐中時計 第6日
氷室に連絡すると、波多野の家族に聞き込みをするとのことで、できるだけ人目の多い所として、皐月にはサイバリアに来て貰うことにした。
そしてわかったことは、タクシーの忘れ物は携帯だということだった。
睦美の話では、波多野は後部座席でこの曲が鳴っていたと言っていたそうだが、それは携帯の着信音だったのだ。
その着信音は、「Painful rain」だった。
これは一目で持ち主、つまり犯人がわかってしまう。
それで忘れ物を扱った巡査も殺したということなのだろう。
■第5話 迷いの懐中時計 第7日
SAKUからオフラインメッセージがあった。
「昭沢という医師が医療ミスをした相手だが、大野という男で、とんでもない奴だった」とある。
この大野は、所長が妻の清香殺害の犯人として追っていた男である。
ハードラックでエミーと話すと、エミーの部屋も荒らされたと言う。
いよいよ犯人は焦っているのだ。
そして伏線の通り、柴田=所長だということもわかった。
危険が身に迫ってきたことに気づいた所長は、殺された柴田になりすましていたのである。
そして氷室に連絡すると、警察署の屋上で会おうということになった。
氷室は犯人は警察内部の者かも知れないと考えているようだ。
公安の殺人の件にしても、本部長が強引に介入しろと言っている。
波多野運転手の事件にしても、捜査に協力してちょっと見て貰いたいと警察官が言えば、あの律儀な波多野は信用して着いて行くだろう。
さらに、交番の巡査殺しにしても、殺された丸尾巡査と顔見知りなら、携帯を忘れたというのは体裁が悪いなどと言えば、誰にも話さないだろう。
だから宇野巡査は丸尾からは何も聞いていないと言ったのだ。
どの点を見ても、犯人は警察内部の人間であり、しかもこれまでの捜査に関わっている者としか考えられない。
そして氷室はそんな条件に合致する人間は誰だと思うと、問うのだ。
ミッシングパーツその26へ続く

2020/5/30 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその20
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友凜病院で婦長に昭沢のことを聞いている所からである。。
■第4話 傷ついたテディベア 第3日 続き
その事故の診察時には、婦長も症状やレントゲンを見ていたが、そんな疾患があるようには思えなかったそうだ。
しかし、裁判では婦長の意見は採用されなかったらしい。
しかも、その後婦長は地方の系列病院に転勤させられたとのことである。
そして婦長は遠羽の下町に、人柄や風体が昭沢に似ている人物がいるという、噂を聞いたと言う。
4階の廊下にはまどかがいたが、るーくんを抱いていない。
まどかの話では、陣堂に部屋に置いてと預けたそうだが、その部屋にはないのだ。
裏庭に出て見るとるーくんが見つかったが、右目がなくなっている。
これは「あの人」の出番だなと思い、まどかにはるーくんは熊野病院に入院して治すと言っておいた。
哲平の病室に行く途中、3階の階段の踊り場がなにやら物々しい雰囲気である。
近づくと陣堂が倒れていて、どうやら既に息はない様子である。
壁を見るとそこだけ色が違う。
「どうしてここだけ色が違うのだろう」と呟くと、「なんか昔、そっちにも病棟があったらしいで」と、独り言に返答が返ってきた。
沖山看護婦に聞くと、この階段は普段は使われていないそうだ。
なぜ陣堂は使われていない階段から転落したのか?
そしてるーくん治療のため、「あの人」、いや人ではなく、あの女ドラキュラの所に赴いた。
「あのドラキュレスに弟がいたら、その弟さんは随分大変だろうなぁ・・・」とは、神ならぬ身の恭介は思わなかった・・・
女番長成美は、るーくんを見るなり目が鋭くなった。
「これは・・・ 間違いなわねぇ。 ミルン・ギリングの「ルークだわ」
しかも「世界で唯一、持ち主がわからないテディベア」とのことなのだ。
自宅に帰ってから調べると、その価格はなんと850万円とのことだった。
■第4話 傷ついたテディベア 第4日
事務所でるーくんを預かって貰うと、京香は病院に一緒に行きたいと言う。
昼頃に又来ることになり、自宅に戻ってsakuとチャットした。
彼の話では、鷹野という政治家には多額の金が流れていたようで、しかもその出所は木原剛三らしいとのことである。
しかも鷹野への入金は剛三の死後も続いているそうだ。
柏木邸でご隠居に昭沢のことを聞くと、今は「黒沢」という偽名で枕ヶ崎にいるそうだ。
そして、黒沢こと昭沢には「身内」をつけておくから心配ないとのことである。
「身内」というのは、当然アチラの世界の人間なんだろうな・・・
京香と落ち合い、友凜病院へと向かった。
まどかは驚くべきことを言いだした。
昨夜遅くジュースを買いに行くと、2階の階段で陣堂が寝ていたと言うのである。
そこへ沖山看護婦がやってきて、更に不思議なことを言う。
陣堂の死体が霊安室から消えたとのことなのだ。
となると、まどかが見た「寝ている陣堂」とは、死体を動かしたものということになるが、一体何のために?
それにこの病院では幽霊が出るという噂もあるらしい。
バイクの自損事故で死亡した若い男の幽霊なのだが、その事件は旧病棟があったころのもので、今はもう出ないとのことだ。
薄暗くなった頃、氷室からこれから事務所に行くという電話がかかるが、そのあとすぐにスピリットのマスターから「助けて!」wwという電話がかかってきた。
とりあえずセーブしておいて、まずは事務所に行ってみることにした。
氷室の話は、以前誠司所長は、刑事時代に犯人を追っていて足に怪我をしたそうだ。
その足が右か左か記憶が曖昧で、悩んでいると言うのだ。
無論ちゃんと覚えているのだろうが、あの死体について京香に確認したいため、そのようなことを言いだしたのだろう。
京香が左足だというと、こころなしか氷室は安心したような様子を見せた。
あの死体ではなかったらしい。
その後スピリッツに行ってみたが鍵がかかっている。
ではハードラックに行ってみようか。
ハードラックではエミーに新しいパスワードを教えて貰った
■第4話 傷ついたテディベア 第5日
翌朝目が醒めると昼になっていた・・・
あわてて事務所に駆け込むと、幸いにして?京香も遅刻したそうだ。
ともあれ、まずは病院である。
哲平と話すと、夜中に大騒ぎがあったそうだ。
2階の廊下の鏡に、陣堂が踊っている姿が見えたという、看護婦が居たのである。
一回りその階段や廊下を回ってみたが、新しい発見はなかった。
警察で氷室に池辺のことを聞くと、毒はタバコに仕込まれていたらしいのだ。
そして恭介は思い出した。
池辺は部屋を出る時に陣堂と鉢合わせし、その際陣堂が落としたタバコを渡そうとしたが、そんなもんほっとけと言われたのだ。
つまり、毒入りのタバコは陣堂が目標であり、池辺は間違って殺された、ということになる。
そのことを奈々子に話すと、この馬鹿娘は「ならそのゾンビを捕まえよう!」と言いだした。
「網とか縄も持っていこう!」などと言うのである。
セミ取りじゃないんだぞと言っても、聞き分ける娘ではないし、一人で行かせたらとんでもないことになりそうだ。
やむなく、恭介も不法家宅侵入の片棒を担ぐことなってしまった。
夕刻、病院前で待ち合わせると、奈々子はでかい荷物を持ってきている。
制服や着替えが入っているそうで、この病院から学校に直行するつもりらしい。
恭介は深い深いため息をついた・・・
ミッシングパーツその21へ続く

2020/5/28 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその19
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哲平の見舞いに奈々子と共に友凜病院を訪れた所からである。
■第4話 傷ついたテディベア 第1日 続き
奈々子は担任の池辺教諭を見つけてはしゃいでいる。
恭介は、この生徒を受け持つのではさぞ大変だろうなと、我が身を振り返り同情したのである。
事務所に戻り、京香に報告すると、なんと報酬は既に振り込まれていたそうだ。
そこへ氷室から電話がかかり、直ぐ来いとのことである。
氷室の話は、昨日見つかった死体のことで、特徴が誠司所長に似ているということだった。
身元を確認するようなものは何もなく、特定には暫く時間がかかりそうだが、ちびちゃん(京香)にはまだ何も言うなとのことである。
■第4話 傷ついたテディベア 第2日
今朝は目覚ましではなく、携帯の着信で叩き起こされた。
かけてきたのは奈々子で、いきなり「先生しんじゃったぁ!」と泣くのだ。
先生とは誰? 死んだとは何?
そして「今から事務所いくぅっ!」で電話は切れた。
???
ともあれ事務所に駆けつけると、奈々子が入って来たが、普段から言うことがまるでわからん娘なのに、興奮しているから更にわからん・・・
一緒に来ていたクラスメイトの茅原奏という女の子が、代わって話してくれた。
それによると、昨日であった池辺教諭が駅で急死した、ということだった。
しかも学校には警察が来ていたとのことなので、病死などではなさそうだ。
ここまで全て奏による情報で、これを奈々子に聞いていたら、来年の夏になってもまだ意味不明のままだろう。
そして奏が調査料のことを心配すると、京香は「なに言ってるの! そんなこと心配しなくていいのよ!」と、いつもの段取りとなってしまった。
そしてサイバリアでネット検索ということになった。
しかしネットではほとんど情報はなく、遠羽警察では氷室も森川も留守と、外ればかりで、やむなく質屋安館に行ってみた。
静ちゃん(´・ω・`)の言うことには、山の死体のことは知らないが、枕ヶ崎のヤブ医者も免許を取り上げられていると、似たような経歴があるそうだ。
一旦事務所に戻り、京香の書類整理を手伝うことにした。
特に変わったファイルはないが、最後に調べた書類には、「ハーメルン」というメッセージが書かれていたことが、記憶に残った。
その後病院で聞き込みをしたが、これも特に役に立つ情報は得られなかった。
その後警察に行くと森川がいた。
池辺の死因は自然死ではなく、薬物中毒の線が濃いが、どんな薬物かは未だ不明とのことである。
成美に召喚されてスピリットに行くと、テディベアのルークはもしかするとかなり著名な作家の作品かもしれないと言う。
■第4話 傷ついたテディベア 第3日
今日は奈々子の学校に聞き込みに行くことになっている。
sakuに行方不明者のことを話すと、調べてくれるそうだ。
そして鷹野が党首になったが、どうもきな臭いとも言うのだ。
さらには、裏サイトはパスワードが変えられていて入れない。
質屋阿館で昭沢のことを聞くと、また引っ越したらしい。
そろそろ時間なので、奈々子の学校に行くと、いずれがあやめカキツバタ、無慮数万人のjkに取り囲まれた。
幸い奏と奈々子がやってきたので、不審者にはされなかったが、キャピキャピ少女のお相手は、疲れるのだ。
そこへ氷室と森川が現れ、池辺の死因は毒殺で、それも神経毒とのことである。
そして氷室たちの尻馬に乗って、学園長にも話を聞くことができた。
しかし学園長の話も、生徒達の話とほとんど変わらず、恭介は事件の中核はここではないような気がしてきた。
友凜病院では哲平はまたトンズラしていて、病室にはいない。
ロビーで婦長とであったので、昭沢のことを聞いてみた。
婦長は新人の頃、昭沢に会っていて、大変優秀な医師で事故など起こすような人ではないと断言した。
しかし、投薬ミスの証拠が出てきたので、裁判では敗訴となり、その後失踪したが、人一倍人間の命には拘る方なので、自殺とも思えないと言うのだ。
ミッシングパーツその20へ続く

2020/5/28 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその18
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成美からナイフを探している客がきていると告げられ、駆けつけるとその客とは紫宵だった所からである。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第8日 続き
紫宵は買いに来たのは自分が欲しいからではなく、祖父の張が欲しがっていたからだと言う。
直ちに氷室に連絡すると、あの会社は裏で組に関係しているようだとのことである。
しかし、この事件はあの威張りたがりやのおっさんのイメージとは、いすかのくちばしのように食い違っている様な気がするのだが・・・
そこでこれまでの経緯を再度考察することにした。
そして辿りついた結論は・・・
そこへ氷室と涼雪が入ってくる。
森川にたのんであのナイフを涼雪に見せると、彼女は言う。
「鞘はどうしたの」と・・・
鞘はもともとないのだ。
鞘があると思っているのは、あの裏サイトに書き込みをした人物だけである。
さらに気になることは、最初に涼雪に会った時と、今の涼雪のでは何かが異なる。
髪型が違うのだ。
あの髪にはワイヤーが巻き込まれていて、そのワイヤがドブ川の死体の凶器だったのである。
それを問い詰めると、すっと涼雪の表情が消えた。
そして目にも止まらぬ回し蹴りで森川を蹴倒し、ナイフを奪うと外に走り出た。
恭介と哲平はグランパレス江榮に駆けつけた。
最上階に上がると、扉は開け放たれていて、威と涼雪がいた。
涼雪はあの全くの無表情のままだが、威は楽しげな薄笑いを浮かべている。
そして彼は「私が作者で、君たちは登場人物に過ぎない」と、嘯くのだ。
飛びかかろうとした哲平は、銃で撃たれ倒れた。
ヘリの音が近づき、ではこれでお別れと、威は銃の狙いを恭介に定め、引き金を引き絞った。
その時飛び出した涼雪が射線に立ちはだかった・・・
抱きしめる恭介の腕の中で、涼雪はうれしいと囁いた。
涼雪の遺体は中国に送られ、両親と同じ場所に埋葬されることになったそうだ。
これにて第3話 託されたペーパーナイフは完了である。
■第4話 傷ついたテディベア 第1日
夢を見た。
赤い夢である。
落ちてくる赤い彼女を受け止めるが、彼女は腕の中にはいない・・・
事務所に行くと京香が心配そうに顔を見つめる。
かなりひどい顔をしているらしい。
その時、珍しいことに電話がかかってきた。
どうやら依頼のようだ。
20数年前に行方不明になった人を捜して欲しいとのことだが、この際仕事ならなんでもよい。
期限は1週間とのことで、見つからなくても応分の謝礼は出すとのことだ。
名前は昭沢次郎、年齢は52.3歳だそうだ。
人探しとなれば、まずは警察だろう。
遠羽警察で聞くと、氷室は心当たりがあるそうだ。
医者なのだが、誤診のため免許は剥奪されたらしい。
時期的には20数年前のことなので、一致してている。
サイバリアで奈々子と会うと、一緒に哲平のお見舞いに行こうと誘われた。
友凛病院では、哲平の隣のベッドにADの富野が寝ていた。
富野はあの時の怪我がまだ完治していないようだ。
帰りがけに小さな女の子と衝突、その拍子に熊のお人形が転げ落ちた。
テディベアを拾って女の子に渡すと、熊の名前は「るーくん」だと教えてくれた。
まどかというその子の母は、エリザベスというイギリス人で、姓は朱原と名乗った。
まどかは自然気胸で入院しているのだが、遊び盛りの子供には至って退屈な環境だろう。
ミッシングパーツその19へ続く

2020/5/27 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその17
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グランパレス江榮で青島組と出会い、涼雪と共にワインセラーに逃げ込んだ所からである。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第6日 続き
彼女はみなし子だそうで、子どもの頃両親は強盗に殺され、その後施設に入れられたが、威が引き取ってくれたとのことである。
そして涼雪は威が歌ってくれた子守歌を披露する。
「白い家の子供」という歌である。
そこへ威が入って来て、「いやぁ、おじゃまでしたね。 すぐ出て行きますから」などという。
何か勘違いされたようで、恭介は嬉しいような気恥ずかしいような、複雑な気持ちになる。
遠羽東通りを歩いていると成美と出会った。
珍しくまともな格好してるわねと成美は言うので、パーティーの帰りだと答えると、「まぁ誰だって春は来るもんだしね」と、見抜かれてしまった。
自宅に戻り、中国の子守歌を検索すると、あの白い家の子供もあった。
どうやらその歌も五行相剋らしい。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第7日
今日はまず柏木邸で哲平と子守歌についての話がある。
見立て殺人となれば、その歌を教えてくれた涼雪も危険かも知れない。
グランパレス江榮へ行き、涼雪に子守歌について聞いてみると、この歌を知っているのは張家の人々と、亮太も知っているとのことだ。
傘を借りるときにこの歌を歌っていたからである。
サイバリアで奈々子に話を聞くと、彼女は前にもサイバリアの近くで亮太と会ったことがあるそうだ。
その時には、白石哲平を知っているかと聞かれ、知っていると言ったら、袋を渡されて哲平の郵便受けに入れてくれと頼まれたと言う。
・・・・・・
これで又森川に嫌みを言われることになってしもた。
その後自宅に戻り、事件の推理となる。
子守歌の歌詞では、「じいさん」は被害者、「まっしろ」はおしろい、「まっしろいおうち」は場所、ということになる。
まっしろいとは雪や氷を指し、その場所は遠羽埠頭にある倉庫の大冷凍庫ではないか。
遠羽埠頭にある倉庫に行き、落ちていた針金を使って冷凍庫のドアにつまった泥を掻き出すと、大冷凍庫の扉が開いた。
中に入ると何かに躓いた。
それは亮太の死体だった。
そして、亮太の首には細いワイヤーで絞められた跡があったのだ。
その後はスピリットにより、起きると柏木邸にいた・・・
■第3話 託されたペーパーナイフ 第8日
事務所に顔を出すと京香が親身に心配してくれた。
その後諏訪法律事務所では、青島組の組長の写真を見せて貰ったが、バックに映っているペン立てには、あのペーパーナイフがさされていた。
遠羽警察署では、亮太の胃の中の食物がわかったと森川が言う。
それはスイカと抹茶とグラタンだった!
奈々子は「夕べきた哲平の友達は全部食べた」と言っていたのだ。
つまり亮太は、エイジが殺される前には既に死んでいた、ということになる。
そして氷室は「あのナイフは密輸ルートを支配する証明書のようなものだ」と教えてくれた。
柏木邸に戻り、ご隠居に密輸品について聞くと、銃や薬が主だが最大のものは「人間」だろうとのことである。
人身売買である。
自宅に戻ると部屋の様子がおかしい。
留守の間に誰かが入り込んだようだ。
そしてパソコンを立ち上げると、「読者への挑戦」というアイコンがあった。
そのアイコンはテキスト文書のもので、開くと「全ての手がかりは提示された。 犯人は誰か?」とある。
そこへ成美から電話がかかってきた。
「すぐ来なさい! ナイフを探している客がきているわよ!」
息せき切ってセクンドゥムに駆けつけると、残念ながら女ドラキュラは生きていた。
客は二階にいるとのことで、行ってみるとその客とは・・・
紫宵だった・・・
ミッシングパーツその18へ続く

2020/5/25 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその16
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託されたペーパーナイフで、亮太の指紋がついている外袋を警察に提供し、感謝された所からである。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第5日 続き
哲平とは昼過ぎに会おうと約束して、事務所に行った。
事務所に入ると、戸棚の鍵が開いている。
全ての鍵をかけた筈なのだが・・・
枕ヶ崎では青島組の連中と哲平が一悶着、危機一発の所でのんびりした声が「おまわりさ〜ん、ここで〜す!」
その隙にハードラックに逃げ込み、組の連中がいなくなるのを見計らってビジネスパークへ逃げ出した。
「無事でよかったねえ」と同じのんびりした声が言う。
言わずと知れない柴田賛、戸棚の鍵は開けるわ、絶賛大活躍中。
その後ハードラックに移動し、エミーの話を聞くと、亮太がエイジへ送ったメールの件は、青島組からは聞こえて来ないそうで、二人共騙されていたらしい。
そしてさらに、枕ヶ崎の借り主が自殺した倉庫は、契約期間が異様に短いそうだ。
おおっぴらに扱えない品物を、一時的に隠すなどしたのではないかとのことだ。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第6日
早朝、携帯に電話がかかってきた。
それは氷室からで、東公園に来てくれとのことである。
「また出たんだ、あの悪趣味な死体」
樹に縛られたエイジの死体が黄泉還り、めまいがしてきた。
今度はヒロヤだそうだ。
ヒロヤは下半身を土に埋められていた。
口には木の枝が突っ込んであるが、それで刺されたということではなさそうだ。
頭には複数回殴られた痕跡があり、氷室の話では木の枝で殴られたらしい。
そしてエイジ同様に白い粉がまかれている。
柏木邸に戻ると、哲平が話し始めた。
彼は元鉄砲玉で、ある日玉を取りに行ったが、撃つことが出来なかった。
臆したわけではなく、相手が動揺もせず、さりとて威嚇するわけでもなく、あまりにも自然体であったからである。
その相手とはご隠居だったのである。
彼は白虎隊という、東日本最大の組の元幹部だったのだ。
そしてさらに恐ろしいことには、襖が開くと京香+成美の凸凹コンビが、危ないことをしおってと、お説教をたれる。
すぐ氷室にナイフを渡し、謝ってこい。
それまでは、白いパンツ(京香)も、赤いパンツ(成美)も、黒いパンツ(ご隠居)も、やらないぞと、おんだされた。
氷室は特に怒らないが、やたら怒るのが他一名いた。
そして話して(他一名とは罵りあって)いるうちに、あの見立ての意味が、恭介の頭に閃いた。
木、かけられた土、口のつらら・・・
これは五行相剋だ。
木、土、水、火、金である。
しかし、なぜそんな面倒なことをしなければならないのか、その動機がどうしてもわからない。
サイバリアで昼食をと入ると、紫宵がいる。
そしていかなるわけかわからねど、紫宵の誕生パーティーに出席することになってしまった。
夜サイバリアまてで向に行くと、奈々子が待っていた。
・・・・・・
馬子にも衣裳とはよくいったものだ。
普段の能天気がヘソだしTシャツを着たような奈々子とは一変、フォーマルなドレス姿である。
グランパレス江榮に行くと涼雪がで迎えてくれた。
こちらもシックな濃紺のチャイナドレス姿で、美少女二人がならぶと、中々の見物である。
このような晴れがましい所は気付かれするので、涼雪と共に外に出てみると、青島組の連中がいる。
慌ててワインセラーに隠れ、涼雪と話をした。
ミッシングパーツその17へ続く

2020/5/24 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその15
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枕ヶ崎で柴田という得体の知れぬルポライターと出会った所からである。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第3日 続き
ともあれサイバリアに入り、奈々子に食事を注文すると、得体の知れないものが出てきた。
一見グラタン風のものだが、緑と黒の筋が入ったケッタイなものが入っている。
どうやらそれはスイカらしいが、なぜグラタンにスイカが入っているのか、地球人には知り得ることのない謎である。
味の方は言わぬが鼻血・・・
しかし奈々子は「昨日来た哲平の友達は、全部食べてくれたよ」という。
それはどうやら亮太らしく、「明日までに全部終わらせて戻るから、それまで待っててくれ」と言ったそうだ。
恐怖の食事の後、ハードラックに向かった。
その後はこれまた恐怖のコイントスとなる。
どちらが残ってエミーの話を聞くかの賭である。
首尾良くコイントスに勝った恭介は。一路スピリット経由柏木邸へ。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第4日
ご隠居邸でき勝手に朝メシを作り、哲平とは昼にサイバリアで落ち合うことになった。
事務所へ行くと京香はまだドラキュラ療治なのか不在である。
しかし、あの自称ルポライターの柴田を見かけた。
やはり京香が心配なので様子を見に来たのだろう。
●心というやつなのだろうか。
サイバリアで哲平と落ち合ったが、そこへタカが入って来て、エイジが今朝から見つからないという。
哲平がエイジの携帯に電話をかけると、出たのは氷室だった。
氷室から教えられた上遠羽の山道に入ると、エイジの死体があった。
その死体は樹に縛り付けられているのだ。
しかも衣服には白い粉があちこちについている。
死因は胸の傷と思われるが、傷の下部は水に濡れたように、出血が薄くなっている。
氷室はエイジの携帯を見せ、これに昨日の最後に入っていたメールの差出人は、亮太だと言うのだ。
そしてその内容は「大金が入る仕事がある。 表で30分だけ待つ」というものだった。
昨夜エイジが、ハードラックから急に出て行った理由はこれなのだろう。
胸の傷は2回さされているとのことだ。
後の方はつららだろう。
また、血痕がないところを見ると、現場は別の場所だろう。
しかしなんのために、こんな見立て殺人のようなことをする?
この殺人はわけのわからないことが多すぎる・・・
そこへ京香から電話がかかってきた。
涼雪がセクンドゥムに来ているとのことだ。
涼雪は警察の人に傘のことを聞かれ、きれいに拭いて干したと言ったら、残念と言われたそうだ。
指紋を採りたかったのだろう。
自宅に帰るとあの闇サイトで出したメールに返信があった。
どうやら鞘については気づかなかったらしいし、もっと詳しい情報なら報酬を上げてもよいとあった。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第5日
翌朝、哲平と悪巧みを相談した。
あのナイフと手紙は見せられないが、袋だけなら警察に持って行ってもよいのではないか、ということである。
案の定氷室はそれは助かると喜んでくれた。
亮太の指紋が入手できず、困っていたらしい。
お礼として、青島組は気が立っているから気をつけろと教えてくれた。
ミッシングパーツその16へ続く

2020/5/23 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその14
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亮太探しを続けている所からである。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第2日 続き
哲平と落ち合い、グランパレス江榮に向かう。
インタホンで4011に連絡すると、涼雪は亮太を捜しに行ったそうだ。
あの馬鹿娘、懲りずにまた危険な所へ・・・
ふたりは急いで枕ヶ碕に向かった。
枕ヶ碕ではこちらの足音を聞いて物陰に隠れる人影を発見、涼雪だった。
ピンクのチャイナ服を着た涼雪と話していると、人の気配を感じた。
振り返ると逃げ出す人影が見え、哲平は後を追った。
人影は廃工場に逃げ込んだので、中を調べるとふたの閉じた箱の中に男の子が隠れていた。
その子は紫宵(ツーシャオ)といい、あの威張りくさった張(チャン)の孫だそうだ。
ジジイに似てこのガキもやたら威張りやなのだが、実のところは遊んで貰いたいだけらしい。
ともあれ、この物騒な枕ヶ崎にガキと娘っ子を置いておくわけにはいかないので、グランパレス江榮に連れて行った。
グランパレス江榮では威に夕飯をご馳走になったが、彼の腕は超一流中華料理屋のシェフクラスだった。
その後ハードラックで再度の聞き込みをした。
亮太が一緒だったのは、族上がりのチンピラだと哲平が言うと、タカはそれは蹴邊炉好という、炉好きが集まった族だと言う。
? ケルベロス?
微妙に字が違うような気がするが、まあ大過はないだろう。
そして亮太が海岸沿いの道に行った理由について聞くと、あのあたりは首つり倉庫があるだけだとのことである。
その首つり倉庫では、最近首を吊って自殺した男がいたらしい。
その時急にサミーが口を挟み、「そんな所に亮太が行ったのは、彼女(涼雪)の後をつけていたのだろう」と言う。
確かに涼雪は美少女だし、それはありうると恭介も哲平も思った。
その話をしていると、誰かが入って来た。
エミーというオカマさんである。
しかも驚いたことに、カマ賛は恭介の名前や成美探偵事務所の所員であることまで、知っているのだ。
彼女?は哲平が前に言っていた凄腕の情報屋だったのだ。
そしてエミーは、裏取り引きサイトのアドレスや、ケルベロスのアタマは青島組の幹部だが、組長は最近死んだが、変死だったなど、様々な情報を教えてくれた。
それと、このハードラックでは喧嘩をすると呪われるという、噂も話してくれた。
自宅に帰り、エミーに教えて貰ったサイトで検索すると、なんとあの龍のペーパーナイフがヒットしてしまった。
しかも特徴は全て合致しているのし、その値段が300万円なのだ。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第3日
翌朝哲平が訪れてきて、昨夜のサイトの話になった。
とあるサイトでフリーのメアドを入手、「鞘莢のついたものなら見たことがある」と、返事を出してみた。
天狗橋で哲平と合流すると、彼はこの前ドブで死んでいたのは、青島組の幹部だったと言う。
ではそのドブ川をもう一度調べてみようと、枕ヶ崎に行くと伊佐山という中年男がいて、哲平を怒鳴りつける。
伊佐山は少年課の刑事で、哲平をしばたいていたそうだ。
しかも遠羽警察ではなく、上遠羽警察だそうだ。
まあ遠羽には刑事は二人しかいないので、当然ではあるが・・・
ドブ川に行くと、男がいる。
無精ヒゲの生えた冴えない男だが、彼は柴田というフリーライターだそうだ。
そして恭介が名乗ると、急に態度が一変し、まじまじと顔を見つめる。
「あの木原邸の事件を解決した真神君だったのか・・・」
サイバリアで話そうと歩き出すと、京香と出くわした。
京香からは「二人で」どこ行くのと聞かれる。
「二人で」?
見回すといつの間にか柴田の姿が消えている。
何か「今は」京香と顔を合わせたくないような、事情でもあるのだろうか?
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2020/5/21 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその12
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真犯人に罠を仕掛ける所からである。
■第2話「赤いカメオ」 第11日 続き
スターライツビルでは、唯と共に7階の会議室前の廊下で、青緑色の小さな粒を見つけた。
それはカメオの穴にピッタリと治まった・・・
こうして事務所に戻り、京香にリューヌ同行を頼んだ。
リューヌでは水城からのFAXが届いており、発注者は高崎美幸となっていて、その日付は美幸が死んだ当日だった。
事務所に戻ると哲平が飛び込んできた。
スタートライツビルは抵当に入っていて、売ることはできないというのだ。
そして恭介は思い出した。
あのつけ爪で話を聞いて回った時、全員が見ていると言っていたが、一人だけ見ることの出来ない人物がいたことを・・・
それは橘で、美幸が亡くなった後にこのビルに戻ったと、言っていたのだ。
橘はあのつけ爪は、当日にならないと存在しないことを知らなかったため、そう言ったのだろう。
スターライツビルに急行し、屋上に上がると橘が唯を羽交い絞めにして、割れた酒瓶を突きつけていた。
恭介は橘に謎解きをして見せると、動揺した橘は一瞬唯から手を離した。
その隙に恭介は唯を奪い返し、氷室は橘を殴り倒す。
その時、屋上の入り口のドアが開き、そこには白い服を着た女性が立っていた。
その白い服は幽霊の衣装らしい。
氷室は「ちびちゃんか・・・」と呟く。
確かに京香の服は幽霊のものと似ているのだ。
そしてその女性は橘に歩み寄り、二人共手すりのない箇所から姿を消した。
思わず恭介が「京香さん!」と叫ぶと、「呼んだ?」というのんびりした声がする。
振り向くと京香が立っている。
下を見下ろすと倒れているのは、橘だけだった・・・
■第2話「赤いカメオ」 エピローグ
この事件は、橘の自殺という形で決着した。
あの夜の記憶は目撃した者の心にだけ刻まれ、美幸にしてもそれ以上のことは何も望んでいないだろう。
数週間後に関係者一同は、スピリットに集まっていた。
未成年者の奈々子まで来ているのだ。
あのカメオはその後発見されておらず、静ちゃんwwは呪いのカメオは人が死んだら姿を消すと言っていたが、どうやら本当らしい。
その時氷室に電話がかかり、話している間に氷室の表情は、困惑・懐疑・当惑とめまぐるしく変化する。
氷室の話では、天狗橋の下から男の遺体が見つかったが、それが幽霊そっくりの服装で、死因はひき逃げだそうだ。
犯人は自首したのだが、死んだのは大門寺だったのだ。
そして、幽霊の噂を流したのは成美だった。
詐欺師が店に来たら、「これは本物の呪いのカメオです。
何か不吉なことは起きませんでしたか?」
怖くなった詐欺師は、只同然の価格で手放すだろう・・・
テレビでは、唯のデビューが始まっていた。
3人分の願いをこめて歌う唯の胸には銀のロケットが輝き、彼女の歌声は皆の心にしみ入っていった。
その胸元には銀のロケットが光っていた。
これにて赤いカメオは終了である。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第1日
朝っぱらからにぎやかなのが入ってきた。
そ奴は袋を見せて開けろという。
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2020/5/21 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその11
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恭介=女性下着泥棒という事実は、地球中に知れ渡った所からである。
■第2話「赤いカメオ」 第9日 続き
セクンドゥムでは、成美がダンスシューズを見て、ここになにか刺さっていると言う。
それは前に拾ったガラス片と同じものだった。
しかもそのシューズは、亀山が唯のものと間違えて持ってきた、明日香のシューズだったのだ。
そして問題なのは、それが落ちていた場所だ。
高所恐怖症で屋上には行っていないと、明日香は言っていたのに・・・
しかも、明日香はあの日から突然長袖の服を着るようになった。
恭介と京香は急遽警察に駆け込んだ。
明日香に、落ちていた場所や屋上へは行ってないと言っていたはず、美幸の部屋で捜していたのはカメオだなとたたみかけると、普段から色白な顔の色が更に蒼白になる。
そして京香が明日香の袖をまくり上げると、抵抗創があった。
美幸の爪痕である。
明日香は全てを話し出した。
明日香は、屋上で美幸ともみ合いになったが、突き落としたりはしていない。
それに美幸は、このカメオは偽物で本物は隠してあると言ったそうだ。
その後明日香は自室に戻ったが、突然ドンという大きな音がして、外を見ると美幸だったとのことである。
美幸の話には矛盾がある。
最初はカメオは隠してあると言ったのに、その後では買い戻して貰ったと言ったのだ。
これは「捜している」が本当で、「隠した」が嘘だろう。
それで明日香は、美幸の部屋を調べたのだ。
話が終わり、恭介と京香は、唯と亀山共々セクンドゥムに行った。
例によって例のごとく、京香と成美は丁々発止、火花を散らしたが、夜も更けたこと故、ご隠居の所に泊めて貰うことになった。
■第2話「赤いカメオ」 第10日
翌朝柏木邸で、哲平は鬼頭が接触しようとしていた情報屋を捜しに行くと言う。
恭介は、唯がつけている銀のペンダント見せて貰うと、縁の所につなぎ目がある。
そこを触るとペンダントが開き、中には青年の写真が入っていた。
そしてその男は、成美の所に最初にカメオを探しに来た男だった。
美幸がカメオを探すよう依頼したのは、鬼頭ではなくこの男だったという可能性も出てきたのだ。
成美が赤いパンツに例えた話は、的を射ていたのだ。
そして実際に恭介も京香のパンツを欲しがっている・・・
恭介「いないっ!!!」
ペンダントの蓋の裏には「しんや」という文字が刻まれている。
年齢は美幸と同じ位なので、ふと思い立って奈々子に電話してみると、名簿はあるので昼にサイバリアで渡してくれるそうである。
警察では明日香に逮捕状が出たと聞かされ、セクンドゥムに飛んで帰ると、ネットには早くもその件が出ている。
その中には、大門寺局長の写真もあったが、それはカメオを売りに来たあの男だった。
明日香が局長から貰ったものと、鬼頭が質屋で買ったものの、2つのカメオ。
指紋がついたカメオは、鬼頭の傍にあったので、2つのカメオはどこかで入れ替わっていたということになる。
そして、売りに来たのが局長だとすると、その時間帯は鬼頭の推定死亡時刻とほぼ同じとなる。
つまり、局長にはアリバイがあるのだ・
サイバリアでは奈々子から大量の名簿などを貰い、セクンドゥムにとんぼ返り、皆で調べると「山岡進也」がヒットした。
スタートライツの駐車場で、花を手向けにきた進也と出会い、話を聞くことができた。
彼の話は、これまでの恭介の推理を裏付けるものだった。
■第2話「赤いカメオ」 第11日
成美とは、指紋がついたカメオがセクンドゥムから出てきたというガセネタを流したら、という話になり、京香から氷室に連絡して許諾を得た。
ミッシングパーツその12へ続く

2020/5/20 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその10
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美幸の部屋でポルターガイストが出て、スピリッツでは恭介が京香のパンツを盗んだ所からである。
■第2話「赤いカメオ」 第8日
起き抜けに京香から電話がかかり、亀山達はテレビ局に行くとのことで、現地で落ち合うことになった。
テレビ曲では、前回会った金井プロデューサーと出会った。
金井は京香にばかり気を取られて上の空、「いやぁ! 探偵所長がこんな美人とは・・・」などと関係のない話ばかりしたがる。
京香は28歳という設定で成美と同じ年頃、現代の基準では充分「若い娘」の範疇に入るし、しかも美人である。
それにしても、彼の態度はあからさまにおかしい。
こう言う話にはとろい方の京香が訝しむ位なのだから、妖しさ大爆発なのである。
如月百合子に聞くと、大門寺局長は最近行方不明だと言う。
そして聞き込みを続けると、幽霊の噂を流したのは金井だとわかった。
これで幽霊の件は解決である。
これまでの話を纏めると、カメオを求める人は、鬼頭ともう一人いるらしい。
柏木邸ではそのあたりを調べることになったが、哲平はその辺のことは任せろと言うので、哲平が担当することになった。
そして京香と共にスターライツに向かい、専務には幽霊騒ぎの犯人は解っているし、状況を再現して見せると大見得を切った。
唯の部屋に行き、京香に調べて貰うことになった。
タンスの中には白い衣装とカツラがあり、机の引出にはリモコンが、コンセントの差込口にはタイマー付きの纏めコンセントがある。
ドライヤーと肩たたきはスイッチが入ったままになっている。
それは、タイマー付きの纏めコンセントと電池切れのリモコン、正常なリモコンを組み合わせた仕掛けだったのだ。
そして配電盤では、テレビだけは別のブレーカーにつなぎ替えられていた。
こうして恭介は、幽霊は唯だと指摘した。
唯に害意があったのではなく、美幸は自殺などしないということを、訴えたかったと唯は言った。
そして部屋を荒らしたのは、明日香だった。
その時、氷室と森川達が入ってきた。
氷室は重要参考人として明日香に同行を求めたのである。
その理由は、鬼頭殺しの現場で、遺留品に明日香の指紋が検出されたからである。
しかし、氷室にしても鬼頭を殺したのが明日香とは、考えていないらしい。
その後スピリットで哲平と情報交換となったが、彼はかなり危ない橋を渡っているようだ。
■第2話「赤いカメオ」 第9日
いつものように幕が開き、いや違った、いつものように出勤し、事務所に入ると京香が開口一番、言いずらそうに「間違っていたらごめんね。 真神君が私のパンツ欲しがっているって、聞いたんだけど・・・」
「デデデデデデマで〜すっ!」
そのデマの出所を知ったら、京香は炎上扇情逆上、カミソリを持ってセクンドゥムに殴り込みかねないので、それは言わなかった。
しかし、京香は誰からそんなことを聞いたのだろう?
成美でないなら、赤いパンツのことを知っているのは、マスターと哲平位だが、マスターがそんな話を伝えることはないだろうし、やはり哲平か。
ともあれ恭介は一人テレビ局に向かうこととなった。
金井プロデューサーを捕まえて、カメオと鬼頭について聞くと、カメオを受け取ると売り出しては貰えるが、その代わり局長の愛人になる、という噂があるそうだ。
警察で唯と亀山を拾い、待たせてあるタクシーに乗ろうとすると、氷室が手を挙げていたので、金井から聞き込んだ件を話した。
氷室はそれは事実かもしれないと言い、大門寺と明日香のスケジュールがピッタリ合っていた、と教えてくれた。
そしてカメオの指紋は、一つは明日香、もう一つは大門寺とわかったそうだ。
それを伝えたのは森川だが、こ奴は別れ際に「女性の下着など盗んだら・・・」などとぬかした。
どうやら、恭介=女性下着泥棒という事実は、地球中に知れ渡っているらしい。
そこへ成美から電話がかかり、なぜか唯はヘルシングと遊ぶことになってしまった。
ミッシングパーツその11へ続く

2020/5/19 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその9
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昨日のブログで書き忘れたのだが、先日IGNにてインタビュー記事が掲載された。
ライターは常々コメントなど頂いているシンジさんであり、S.T.A.L.K.E.R.を中心に、その世界とS.T.A.L.K.E.R.への愛を騙る(誤字にあらず)という、大変気恥ずかしい内容になっている。
S.T.A.L.K.E.R.に興味がある方は是非ご一読を!
https://jp.ign.com/stalker-shadow-of-chernobyl/43731/interview/stalkerhal78mod300
スターライツビルで現場の調査を行っている所からである。
■第2話「赤いカメオ」 第5日 続き
亀山と唯、明日香の待つ待合室がその現場で、亀山の話では、停電はこのビルだけで他の建物には明かりがついていたそうである。
皆逃げ出したが、唯は廊下の奥に白い人影を見たと言う。
待合室を調べたが、蛍光灯、テレビ、テーブル共に何の異常もない。
全員の話を聞くと、不自然な点が見つかった。
それは全員が自分より先に誰かが出て行ったと言っていることである。
もう一つ、唯だけは白い人影は前にも見たことがあるそうだ。
恭介はもう一度このビルを調べることにした。
屋上でなにかのアクセサリーのかけららしきものを見つけた。
駐車場では美幸のつけ爪を発見した。
待合室には、亀山や唯、それに専務もいたので、これらの品を見せて聞いてみることにした。
つけ爪は全員が美幸のものだと言うが、かけらの方はだれも知らないらしい・
亀山と共にテレビ局に行き、プロデューサーの金井やタレント達にもにも話を聞いた。
ほぼ同じような内容だが、一人だけ明日香は見た目と違い、性格は良くないという女優がいた。
諏訪法律事務所で梨沙につけ爪を見せると、それはリューヌのオーダーメイドだとのことであ。
早速リューヌに言ってみたがも、男性は女性同伴でないと入れないらしいので、セクンドゥムに向かった。
しかし成美も京香も奈々子でさえ一緒に行くとは言わないのだ。
いかに恭介というキャラが嫌われているのかを、如実に証明するエピソードである。
■第2話「赤いカメオ」 第6日
今日は哲平とデートである。
話の結果、スターライツとカメオは、スターライツは恭介が、カメオは哲平が、それぞれ分担して捜査することになった。
スターライツビルの屋上に上がると、手すりが壊れている。
壊れているというよりも、取り外したという感じなのである
受付で聞くと、やはり壊れかけているので取り外したが、張り紙をしておいたとのことだった。
テレビ局の局長は大門寺というのだが、この人にカメオを貰うとそのタレントは当たるという噂があるそうである。
一旦事務所に帰って京香に報告し、リューヌの件を聞くと、一緒に行ってくれるとのことだ。
早速リューヌに行き、つけ爪を見せると、それは水城チーフの一点ものだとのことである。
但し水城は出張中で1週間程は戻れないらしい。
京香とは明日も一緒にスターライツに行く事になり、サイバリアで昼食がてらの待ち合わせと決まった。
自宅に帰り、哲平とは東通りで待ち合わせて警察に行くこととなった。
■第2話「赤いカメオ」 第7日
警察では氷室とカメオの話となった。
死んだ男の傍にあったと、氷室はこともなげに言う。
死んだのは鬼頭忠というフリーの記者だそうで、
しかもそのカメオは、「静ちゃん」から貰った写真のものと似ているのだ。
そして鬼頭の方も、静ちゃんの店に来た男と似ているし、成美にカメオを売りに来た男とも似ている。
スターライツでは唯は美幸は自殺なんかしないと言い張る。
割れた写真については、専務と話していると写真立てが揺れはじめ、やがて床に落ちてガラスが割れたkだそうだ。
その時明日香の悲鳴が聞こえ、駆けつけると美幸の部屋はひどく荒らされていて、やはり白い影が現れたと言う。
ここで寝る気にはなれないというスタッフは、近くのビジネスホテルに泊まるそうだ。
恭介は、もう一つの恐怖が待っているスピリッツに向かった。
スピリッツでは、成美からとんでもないたとえ話をされた。
鬼頭の件で、「例えば恭介が京香の赤いパンツを盗んだとしたら・・・」
恭介「京香さんは赤いパンツははきません! いつも白だけです!」
ミッシングパーツその10へ続く

2020/5/18 | 投稿者: Hal
ミッシングパーツその13
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ある朝突然哲平が押しかけてきた所からである。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第1日 続き
袋の中には、骨董ものの見事なペーパーナイフが入っていた。
全体は銀色で、柄は龍の形をしており、青い宝玉が嵌っている。
そして同梱されていた紙切れには、「なにも聞かずに内緒でこれを預かってください。
絶対内緒で秘密にお願いします」とある。
差出人は哲平の舎弟で、亮太というそうである。
この件で聞き込みをする相手は、ご隠居が正解なのだろうが、生憎旅行中とのことで、静ちゃんに聞きに行く事にした。
その前に事務所に顔を出すと、京香と五行相克の話になった。
まず質屋阿舘で静ちゃんに聞いてみることにした。
龍の形のペーパーナイフについて聞くと、当今はコンプイタアとかいうもんで調べた方が速いなどと、当世風のことを言う。
ここで時間切れとなったので、その他の質問は哲平と会った後で聞いてみよう。
その後哲平と落ち合い、枕ヶ碕に入ると、少年が柄の悪そうな3人組に絡まれている。
哲平はほっとけというが、エエカッコしいの恭介は少年を助けようとした。
ところが、その3人組は哲平を見ると急にぺこぺこし出した。
この連中は哲平の舎弟みたいなものらしい。
そして、少年と思っていたのは少女だった。
彼女は謝謝(シェイシェ)と礼を言うところを見ると、中国人らしい。
名前は涼雪(リャンスェ)というそうだ。
その後はハードラックという酒場に入ったが、店主はサミーという黒人である。
3人組に色々と尋ねたが、失踪の理由などまるでわからない。
写真を見せていると、涼雪が「似ている」と言う。
彼女も人探しをしているのだが、亮太はその人と似ているようなのだ。
どうやらにわか雨にあった時、亮太に傘を借りたのだが、何時まで経っても取りに来ないので、探しに来た、ということらしい。
その時、タバコを吸いに外に出ていたタカが、血相を変えて走り込んできた。
人が殺されていると言うのだ。
現場を調べると、狭いドブのような所だ。
死体の首には細いワイヤーが結ばれていて、これで絞め殺されたようだ。
しかも喉には防御創が残されている。
建物の上を見上げると、鉄骨が1本不自然に折れ曲がっていた。
犯人はここにワイヤをかけて、輪にしたワイヤで被害者を一気に吊り上げたのだろう。
やがてやってきた警察は、無論森川と氷室だった。
遠羽署にはこの二人しか刑事がいないので、当然ではある。
その後はお定まりの事情聴取となり、お開きになると涼雪を家に送り届けることとなった。
涼雪の家はビジネスパークより更に北の山の手にあり、グランパレス江榮という豪勢な超高層マンションだった。
中からは威(ウェイ)一凱という若い男が出て来て、涼雪は「おじさま」と呼ぶ。
涼雪は子どもの頃に両親をなくし、威が親代わりとなっているそうだ。
そこへ「張(チャン)」という威張りくさったジジイがやってきて、威を叱り飛ばす。
早々に退散してビジネスパークまで戻ると、女ドラキュラから電話がかかってきたが、咳やくしゃみをしていて様子がおかしい。
馬鹿と吸血鬼は風邪をひかないと昔のことわざにもあるのに、なぜ成美が風邪をひくのかは、遠羽の神秘なのだ。
ともあれ、京香に連絡すると看病のためにとんできてくれたので、恭介と哲平は柏木邸に泊まることとなった。
■第3話 託されたペーパーナイフ 第2日
まずは聞き込みと、サイバリアと諏訪法律事務所を訪れたが、亮太の写真を見ると、諏訪はどこかで見たような気がするそうだ。
ここでコンソール機としては珍しくフリーズ、PS2は反応しなくなった。
匡体を持ち上げるとドライブアクセスの音が聞こえ、フリーズ解消。
ミッシングパーツその14へ続く
