ご紹介する本
思考・発想にパソコンを使うな (幻冬舎新書)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/434498126X
この本で感じたことは
「手書き」に関して、いろいろ考えることがあっていままでもたくさん本を読んでいました。
その中で新聞広告で見つけて買ったのがこの本でした。
近年、コンピュータの性能が進んできて、また低価格のパソコンもでてきており、文書は特にパソコンを使うことが多くなってきています。
私もご多分に漏れずにそうなってきています。
でもそんなパソコン全盛時代だからこそ、手書きが大事であるのでは、というのがこの本の主旨かと思いました。
デジタル系のメモツールの紹介があるのかと思ったら、もっと違う本質的なことが書かれています。
なんでもかんでもパソコンを使うな、というのは世の中の流れかと思いますが、まさにこの本がいいたいのはそういうことだと感じました。
私のみた実例紹介
私自身は病院薬剤師をしておりますが、昔、ある病院へ研修に行ったことがあります。
その施設では、たくさんの事務書類を毎日処理しなければならず、その作業には最新のコンピュータを駆使してされているのかと思っていたら、手書きのノートによって整理がされてました。
毎日どの書類がきて、依頼者からどんな内容の電話がかかってきて、その処理はどのようにした、というような内容が手書きで書かれてました。
手書きで書いておいた方が頭に残ってわかりやすいのだろうと感じました。
この本を読んで、そんなことを思い出しました。
手書きにすると脳の使い方が変わる
「コンピュータ入力したものはすぐに忘れてしまうのだけど、自分で書いた手書きのものは頭に残っている」
茂木健一郎さんがいいそうなことですが、でも実際にそうだと思います。
キーボードを使って書いても、文は残るけど頭には残りません。
しかし手書きのメモをとると、そうやって書いたなあと頭に残っています。
パソコンで文書を書く場合は、文書になるかどうかなんて考えず、思いついたことをどんどん羅列し、切り貼りをしながら、そのつながりを考える。最終的に、正しく文章になっているように調整していけばいい。文章を書くというよりは積み上げていく、という感覚である。デジタル脳あるいはコピペ脳とでもいえばいいだろうか。
それに対して、手書きの場合は、文章が一本の糸のような形で頭に浮かんでくる。きちんと文章の形で流れているのだ。そうでないと、手が動き始めない。パソコンのように、思いつくまま単語を並べて、入れ替えなどしていたら、消しゴムがいくつあっても足りない。最初に頭の中で文章として成り立たせ、それを文字にして書いていく。これはまさにアナログ感覚であり、脳が気持ちいい。やってみると、手書きのほうが、文章がどんどんと浮かんでくることを実感できるはずだ。
これも個人的に共感します。
仕事で、患者さんにどのように薬のことを説明しようかと考えることがありますが、そのとき、あちこちの文章を切り貼りしていると、文章のつながりがおかしくなるということをしばしば経験しています。
メモとノートは違う
もう一つの発見は、「メモとノートは違う」ということです。
メモは短期的に利用するもので、ノートは誰かに読んでもらうためのものである。
”誰か”とは誰だろう。それはあなた自身なのである。
未来のあなた−−一週間後のあなた、一年後のあなた、十年後のあたなに向けて書かれているのが「ノート」なのである。
ふむふむ、私自身、メモとノートが違うということを全然意識していなくて書いています。
でもたぶん、仕事ではメモ程度のことしか記録していないという気がしています。
また、ノートはただ書くだけではなく、別の利用方法があるとのことです。
それは読み物としての側面です。
ノートには二つの側面がある。そこに「書き込む」という側面がひとつ。そしてもうひとつが、「書いたものを読む」という側面である。「書く」という行為だけでなく、文庫本のように「読む」という行為も、ノートとつきあうにあたっては重要な形なのである。
私が高校生の頃、日記のようなものを手書きで書いていたけど、自分自身で読み返すのはひどく恥ずかしいです。
その頃の負の感情であったり、誰かに対する不平や不満であったりして、とても読めたものではありません。
それでも、その当時のことが懐かしく思い出されるものです。
ノートを書くのが楽しくなれるといいな
それで私も、この本を読んでみて、コンピュータばかりに入力していないで、手書きのノートを活用してみようという気になってきました。
このごろ、ちょっと手書きを意識してやっておりますが、キーボードに入力するより頭に残りやすいし、ちょっと気持ちがいい・・・そんな感じがしています。
またノートを見返すことにより、全体を俯瞰することができますので、いま流行の「見える化」にもつながるのかと思います。
この習慣、しばらく続けてみようかと思っています。
このエントリーは、
シゴタノ!読書塾Vol.3に参加しています。