老年医学会 高齢者災害時医療ガイドラインの試作版作成
東日本大震災被災地での高齢者医療の一助に役立ててほしいと日本老年医学会(JGS)が「高齢者災害時医療ガイドライン(GL)」と「一般救護者用・災害時高齢者医療マニュアル」の試作版を作成した。GL研究班は26日に被災地に届ける。
厚生労働省の厚労科学研究費補助金を受けて長寿科学総合研究事業の一環として、2010年度から「災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に関するガイドライン」を作成する研究班が立ち上がっていた。
11年度内の完成を目指していたが、大震災が起きてから被災地の医療現場で高齢者の厳しい現状が多く報告されていることから研究班が急きょ、試作版としてまとめた。
日刊薬業WEB(2011年3月25日)
哀悼に感謝 萎縮せずに 宮城知事
6千人以上の犠牲者と8千人以上の安否不明者が出ている宮城県の村井嘉浩知事は「被災者の身になって各地の人たちが哀悼の意を表してくれることはうれしいが、日本全体が元気になることで、東北も元気になれる。被災地以外の人たちは後ろめたさを感じずに、経済活動や行事を遠慮せずにやってほしい。被災者も、とがめることはないはず。『萎縮しないで』というのが願いです」と話している。
asahi.com(朝日新聞)2011年3月27日朝刊より
肺炎球菌・ヒブワクチン、4月にも接種再開
細菌性髄膜炎を予防する小児用肺炎球菌ワクチンや、ヒブワクチンなどを同時接種した乳幼児の死亡が国内で相次いだ問題で、厚生労働省の検討会は24日、接種後数日間に死亡した7人(0〜2歳)について、「接種と死亡との間に明確な因果関係は認められず、ワクチン接種の安全性に特段の問題があるとは考えにくい」と結論づけた。
同省は、今月4日、この2種類の接種の見合わせを自治体などに通知していたが、早ければ来月1日にも接種再開の見通しとなった。
ただ、両ワクチンの同時接種は、過去のデータ分析から「安全面の懸念はない」としつつも「単独接種もできることを保護者らに示すこと」を求めた。厚労省には、今後も接種後の死亡事例の情報を集め、死亡事例が報告された場合は、専門家による評価を速やかに行うことを求めた。
(2011年3月24日21時05分 読売新聞)
ヤンセン・武田薬品 抗認知症薬レミニールを新発売 同一製品名でコ・マーケティング
ミクスOnline 2011/03/23 05:03
ヤンセンファーマと武田薬品は3月22日、アルツハイマー型認知症治療薬「レミニール」(一般名:ガランタミン臭化水素酸塩)を同日に新発売したとそれぞれ発表した。同一商品名でそれぞれ販売(コ・マーケティング)する。同剤の効能・効果は、軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。抗認知症薬としては国内2剤目となり、ファーストインクラスのエーザイのアリセプト(ドネペジル塩酸塩)以来、約10年ぶりの新薬の登場となる。
日本で同剤はヤンセンが開発して、2011年1月21日に製造販売承認を取得。一方で、営業面では、10年3月末のヤンセンと武田との共同発売契約に基づき、コ・マーケティングする。同剤の情報提供は、ヤンセンが全約900人のMRのうち中枢神経領域担当MR(人数は非開示)が、武田は約2000人のMR全員が担当する。武田の医薬営業本部の山中康彦本部長は、「(レミニールは)医療上必要性の高い未承認薬として開発要請され、申請からわずか11か月でスピード承認された社会から期待される薬剤。長い間、本剤を待ち望まれていた患者さんとそのご家族がより良い毎日を実現されることを願っている」とコメントした。
NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤
「メマリー(R)錠5mg、10mg、20mg」の発売時期に関するお知らせ
第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤「メマリー(R)錠 5mg、10mg、20mg」(一般名:メマンチン塩酸塩)につきまして、3月18日に新発売する予定でおりましたが、このたびの東北地方太平洋沖地震の影響をふまえ、本剤の発売後の安定的な供給を確実なものとするため、発売日を延期することといたしましたのでお知らせします。
当社は、一日も早い発売に向けて準備を進めてまいります。新発売の時期につきましては改めてお知らせいたします。
以上
ニュースリリース - 第一三共株式会社 - NMDA受容体拮抗 アルツハイマー型認知症治療剤 「メマリー(R)錠5mg、10mg、20mg」の発売時期に関するお知らせ(2011年3月16日)
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/003949.html
【東日本大震災】製薬各社の工場も損傷‐従業員被害はほとんどなし
東日本大震災の発生を受け、本紙は製薬各社の被害状況をまとめた。各社とも被災地域の工場で一部建物が損傷し、復旧のメドが立たないケースも見られているが、人的被害はほとんど発生していない模様。
武田薬品は、被災地域の営業拠点について現在調査中で、状況不明としている。報告されている物的・人的被害はない。
アステラス製薬は、高萩工場(茨城県)と西根工場(岩手県)が現在稼働停止中。設備・装置を確認している状況。ただ、物流センターや医薬品卸に在庫があるため、供給体制に問題はないという。交通機関を確認しているという。人的被害は生じていない。
第一三共は、館林・平塚・小名浜の各工場で壁や床、天井にひび割れが発生。配管にも損傷が見られた。特に最も被害の大きい小名浜工場は、断水・停電の被害を受け、現在状況を調査している。稼働状況も不明。人的被害は生じていない。
エーザイの鹿島工場が断水による被害を受けた。今週の操業は停止し、来週から再開する予定。また、仙台コミュニケーションオフィスの営業人員数名と連絡が取れない状況にある。
大塚ホールディングスは、子会社である大塚倉庫の仙台工場と浦安工場で、医薬品などの荷崩れが発生。現在被害状況を確認中。また、イーエヌ大塚の花巻工場では余震と停電の危険性があるため、現在操業を停止している。人的被害は発生していない。
塩野義製薬の金ケ崎工場(岩手県胆沢郡金ケ崎町)は、工場の稼働が止まった。設備の破損など被害が出ているが、その規模は不明。復旧のメドも未定となっている。対象地域の従業員の無事を確認。人的被害は出ていない。
大日本住友製薬は、東日本の物流をカバーする東京物流センター(埼玉県)の配送が不能となった。14日から大阪物流センター、神戸物流センターより東日本に向けて製品を発送する。人的被害は発生していない。
田辺三菱製薬は、関東エリアにある各工場への影響を現在確認中。人的被害は生じていない。
協和発酵キリンは、高崎、三島、町田の各工場で停電が発生しており、今後は影響が出る可能性があるという。人的被害は発生していない。
中外製薬は、現在調査中としているが、人的・物的な被害は出ていない。
大正製薬の仙台支店で建物(窓ガラス)が破損。仙台物流センターでも建物が破損し、復旧に時間がかかる模様。また、大宮工場で建物の一部が破損したが、大宮物流センターと羽生工場の生産に支障はないとしている。人的被害は発生していない。
久光製薬の宇都宮工場で天井が崩壊した。現在操業を停止し、安全確認中。復旧のメドは未定という。また、現在従業員3人が避難所に待機中だが、安否は確認されている。
科研製薬は、工場と研究所に被害は見られず、営業所と支店の物的被害については調査中。人的被害は生じていない。
持田製薬は、子会社である持田製薬工場の大田原本社工場で製造設備が損傷。詳細は調査中で、現在操業を停止しているという。人的被害は発生していない。
ゼリア新薬は、筑波工場の建物に損害が生じたが、設備に問題はないとしている。操業再開のメドについては未定。その他の物的・人的被害は生じていない。
あすか製薬は、いわき工場の建物が一部損傷した。機械・設備の点検後に、操業再開時期を判断する予定。
日医工は、山形県と埼玉県の生産工場で一部損傷が発生した。復旧には1〜2週間程度かかる見通し。
沢井製薬は、生産工場の関東工場(千葉県茂原市)で地震発生時に一時停電が生じたが、その他の設備・機器の損壊などの被害はない。現在、確認作業を進めている段階。大阪本社内に危機対策本部を設置して対応している。
東和薬品は、山形第一工場(山形県上山市弁天)での人的・物的被害はない。地震発生直後から停電のため工場全体が稼働を停止中。電力供給復旧時期が不明で生産活動再開の目処は立っていない。また、山形配送センターは停電通信状態・交通事情の悪化等により、今後の出荷に影響が出る可能性がある。
小林製薬は、子会社製造工場の仙台小林製薬(宮城県黒川郡大和町)の一部生産ラインで被害が発生。操業停止状態で復旧の見込みは立っていない。今後、原資材料の調達で影響が出てくることが予想される。現在本社に危機管理本部を設置し、復旧に取り組んでいる。
なお、参天製薬、日本新薬、キョーリン製薬ホールディングス子会社の杏林製薬、キッセイ薬品については、人的・物的被害は生じていない。
【東日本大震災】製薬各社の工場も損傷‐従業員被害はほとんどなし : 薬事日報ウェブサイト 2011年3月14日 (月)
ヒブワクチン130万本回収へ 異物混入の指摘受けて
asahi.com(朝日新聞社)2011年3月11日
ヒブワクチン(販売名・アクトヒブ)の国内唯一の共同供給者であるサノフィパスツールと第一三共は11日、医療機関から異物の混入があったと指摘されたことから、同じ工程で製造された130万本(13ロット分)を自主回収することを決めた。
ヒブワクチンについては、兵庫県宝塚市など5市で接種後の乳幼児5人が死亡したと報告されている。死亡が報告された5例のうち、宝塚市、熊本市、川崎市で接種されたものは、今回回収される13ロットに入っていたという。
厚生労働省は異物混入と乳幼児死亡には因果関係はないとみているが、サノフィパスツールは「安全を優先して回収することを決めた」(渉外担当)と説明している。
厚労省によると、今年2月以降、ヒブワクチンの接種を受けた乳幼児5人が、接種の翌日や数日後に亡くなったという。小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種の場合もあった。
厚労省はこれを受けて4日、両ワクチンについて接種を一時見合わせることを決めている。
サノフィパスツール・第一三共は年間400万本のヒブワクチンの供給能力がある。
ワクチン同時接種問題、接種再開の判断は見送り
細菌性髄膜炎などを予防する小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」や、ヒブワクチン「アクトヒブ」などを同時接種した乳幼児の死亡が相次いだ問題で、専門家などで構成する厚生労働省の調査検討会は8日、死亡した5人の症例について、「現段階ではワクチン接種と死亡の間に明確な因果関係は認められない」と結論づけた。
一時見合わせている接種の再開については、複数のワクチンを同時接種した場合の影響などに関する詳しい情報が必要として判断を見送った。2週間後をめどに開催される検討会で最終結論を出す。
死亡したのは兵庫、神奈川など4府県の乳幼児5人。プレベナー、アクトヒブ、DPT(ジフテリア・百日ぜき・破傷風混合ワクチン)、BCG(結核予防ワクチン)のうち2〜3種類を同時接種し、1〜3日後に亡くなった。
(2011年3月8日21時32分 読売新聞)
ヒブ・肺炎球菌ワクチンを一時中止 接種後に4児死亡
asahi.com(朝日新聞)2011年3月5日
厚生労働省は4日、小児用肺炎球菌ワクチンとインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンの予防接種後に乳幼児4人が相次いで亡くなったことを明らかにした。いずれのワクチンも接種を一時見合わせることを決め、自治体や販売業者に通知した。週明けにもワクチンとの因果関係を調べる専門家による検討会を開き、接種の再開を判断する。
同省によると、2日以降死亡が報告されたのは、兵庫県宝塚市、同県西宮市、川崎市、京都市で生後3カ月〜2歳代の4人。このうち2人は心臓に持病があった。接種の翌日〜3日後に死亡していた。接種した医師らの報告では、接種と死亡との因果関係は「評価不能」や「不明」という。小児用肺炎球菌とヒブは、乳幼児の細菌性髄膜炎を防ぐワクチンで今年度の補正予算で公費助成が始まった。
4人が小児用肺炎球菌ワクチンのプレベナー(販売名)を打っていた。このうち3人がヒブワクチンのアクトヒブ(同)との同時接種。もう1人はジフテリア・百日ぜき・破傷風混合ワクチン(DPT)との同時接種だった。プレベナーを製造・販売するファイザーのスペシャリティ・ケア事業広報部は「詳細情報の収集を進めている」と話している。
宝塚市は4日、当面、複数のワクチンの同時接種を中止することを決めた。同市内と西宮市で亡くなった2人が打ったプレベナーと同じロット(製造群)番号の製品の使用中止も決めた。
野々山恵章・防衛医大教授(小児科)は「米国ではヒブワクチンは約20年前、肺炎球菌ワクチンも約10年前から打っており、同時接種もしていて問題は起きていない。今回、死亡した子どもの死因について検証は必要だが、不用意にワクチンを怖がって、やっと日本に導入されたワクチンが打たれなくならないようにして欲しい」という。