インフル患者、3週連続で倍増…新型が85%
国立感染症研究所は28日、全国約5000医療機関を対象にしたインフルエンザの定点調査で、最新の1週間(1月17〜23日)の新規患者数が1機関当たり26・41人となり、3週連続で倍増したと発表した。
全国の推定患者数は、約149万人。過去3週に検出されたウイルスは、新型インフルエンザが約85%を占め、残りは大半がA香港型だった。
都道府県別では、宮崎が64・49人で最も多く、沖縄の63・17人、福岡の48・97人、佐賀の48・44人、長崎の47・29人と続いている。全都道府県で増加し、13県で警報レベルの30人を上回った。
年代別では、5〜9歳が18・2%、20歳代15・5%、10〜14歳13・5%、30歳代13・5%、0〜4歳11・5%。20〜30歳代が患者の約4割を占めた前週に比べ、今回は14歳以下の小児への広がりが目立っている。厚生労働省は、2月上旬ごろまで増加が続くとみて、注意を呼びかけている。
(2011年1月28日 読売新聞)
今シーズンはそろそろインフルエンザが流行する兆しをみせているようです。
そしてインフルエンザと診断された患者さんのうち85%が新型インフルエンザだということです。
今シーズンの患者が多いのは、昨シーズンに新型に感染しなかったため、免疫をあまり持たない年齢層だということです。
特に、妊婦、乳幼児、高齢者は、新型インフルエンザが重症化することがあると報告されていますので注意が必要です。
また慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害、ステロイド内服などによる免疫機能不全である方もインフルエンザも新型インフルエンザのかかると重症化するリスクが高いとされています。
【参考リンク】
厚生労働省:健康:新型インフルエンザ対策関連情報:新型インフルエンザに関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html
そしてインフルエンザ治療の主軸となるものがタミフルとリレンザです。
その話題もニュースになっていましたので取りあげます。
タミフル耐性ウイルス、リレンザより出現率高め
インフルエンザ治療薬「タミフル」は、服用した小児患者の8%で、この薬が効かなくなる耐性ウイルスが見つかり、同じインフルエンザ治療薬「リレンザ」よりも耐性があらわれやすいことが、東京大などの研究でわかった。
米国の感染症専門誌に発表した。
タミフルの耐性ウイルスは多く見つかっているが、リレンザでは報告は少ない。タミフルの使用量が多い分、耐性が出現しやすいともみられていたが、薬の性質の違いで、あらわれやすさに差がついている可能性がある。
東大の河岡義裕教授らは、2005〜09年、季節性インフルエンザでタミフルの治療を受けた4〜15歳の72人と、リレンザの治療を受けた同年代の72人を調べた。タミフルのグループは6人(8・3%)で耐性ウイルスが見つかったが、リレンザのグループからは見つからなかった。
(2011年1月29日12時22分 読売新聞)
タミフルが効かないウイルスが存在することは以前から知られていました。
2008/12/20 タミフルが効かない!
そして予想通りという感じでリレンザとタミフルとそれぞれの薬が効かないウイルスを調べたところ、タミフルが効かないウイルスが多かったということです。
タミフルとリレンザの使用量を比べると、タミフルの方が圧倒的に使われておりますので、どうしてもタミフルが効かないウイルスが多くなるのはうなずけます。
実は恥ずかしながら私の身内にも、インフルエンザを発症している者がおります。
クリニックでの簡易検査なのでA型だけしかわかりませんが、それほど熱が無くて食欲が全くないということなので新型インフルエンザであるのかもしれません。
ちなみに身内に処方されたインフルエンザの薬はリレンザでした。
その先生は、インフルエンザに罹った人にはリレンザの処方を中心としているようですが、耐性のことを考えられているのかな、と思いました。