インフル薬、妊婦に異常なし 産婦人科学会80万人調査
asahi.com(朝日新聞社)2010年12月11日
日本産科婦人科学会(日産婦)は11日、新型の豚インフルエンザに感染した妊婦に抗インフルエンザ薬を使っても問題はないと発表した。抗インフルエンザ薬のタミフルとリレンザを使った場合、お産と胎児にどんな影響があるかを分析する全国調査で、治療薬が原因とみられる異常はなかったという。日産婦は引き続き、インフルエンザに感染した妊婦は48時間以内に抗インフルエンザ薬を使うよう推奨していく。
日産婦は日本産婦人科医会の協力を得て、昨年5月以降に妊娠した妊婦約80万人を対象に調べた。治療薬の使用の詳細が分かっている162人のうち、とくに薬物などが胎児に影響を与えやすい妊娠4〜12週で治療薬を使った妊婦は30人いた。うち2人が妊娠6週目で流産、1人が妊娠36週で早産になったが発生頻度は通常の妊婦と同じだった。
妊婦が新型インフルエンザに罹った場合、すぐにインフルエンザ薬を投与することが推奨されてました。
それに加えてインフルエンザワクチンの接種される方が多かったので(妊婦への新型インフルワクチン接種は、医療従事者の次に優先されました)、諸外国に比べると新型インフルエンザが流行したにもかかわらず、日本での妊婦の重症例は少なかったということです。
そして、妊婦にタミフルとリレンザを投与してもいいかという疑問に答えたのが今回の中間報告です。
日本産科婦人科学会:抗インフルエンザウイルス薬投与妊婦の出産と小児に対する特定使用成績調査中間報告
妊婦にインフルエンザの薬を使っても、流産などの異常分娩や奇形児が産まれるという確率は薬を使わないときと同じくらいであるという中間結果がでています。
ということは、インフルエンザの薬を使った方がインフルエンザ症状が重くなるのを防ぐことができるので、積極的に使いましょう、という従来からの治療法が支持されたということになります。
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