アルツハイマー型認知症薬の新薬、メマンチン(商品名:メマリー)とガランタミン(商品名:レミニール)が近々承認されると聞いています。
その後にリバスチグミンパッチもちょっと遅れて承認されるようです。
アルツハイマー型認知症の治療薬として、現状としてはアリセプトしかないのですごくよろこばしいことなんですが・・・
ちょっと考えてみますと、新薬は承認されてから1年間は最大でも14日間しか処方できないという制限を受けることになります。
これは治験という小規模の患者さんを対象としたところでは、大した副作用が起きなかったかもしれないところを、市販されて大勢の患者さんに投与されることになると、なにが起きるかわからないということで、副作用を細かくチェックするために、こまめに受診をしなさいよ、という意味で14日までの処方に制限されるのだと理解しています。
また、治験だとCRCがぴったりついていて丁寧に説明をしてくれて、一緒に服用してはいけない薬や用法・用量を変えてはいけない薬があって、厳しく管理されますので、それほど問題は起きにくいと考えられます。
しかし、市販されたあとは親切なCRCがつきっきりではなくなりますので、いろんな薬と一緒にのむこともでてくるので、それこそなにが起きるかわからないということです。
でも、新薬だからといって14日に1回受診をしなければならないという制限を受けてしまうと、困ったことが起きます。
クリニックや診療所なら問題にならないのかと思いますが、病院だと2週間ごとの予約がとれない可能性があります。
また、認知症の患者さんを2週間に一度病院に連れてくるのもご家族としたら大変な苦労を強いられることとなります。
すると、本来やってはいけない診察なしで薬だけ処方するということをしないと回っていかないということが起こり得ます。
それと、治験に入っている患者さんでは3ヶ月に一度程度の来院ペースでよかったのに、承認されて市販されたら、14日に一度来なさいというのも酷なことです。
新薬の14日処方制限・・・なんとかなりませんかねえ?
特に今回のアルツハイマー型認知症薬は現場もご本人、ご家族も、切実な問題だと思います。
【関係ページ】
2010/11/25 アルツハイマー型認知症:メマンチンとガランタミンが承認の見通し
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/2181.html