109医薬品「早期承認を」 厚労省検討会が必要性認定
asahi.com(朝日新聞)2010年4月28日9時38分
日本で承認されていない医薬品の導入を検討する厚生労働省の検討会議は27日、抗がん剤のジェムザールなど109医薬品について「必要性が高い」として早期に承認すべきだとの評価結果を公表した。厚労省は今後、製薬会社に開発を要請し、早ければ来年夏にも一部が承認される見通し。
海外で認められた薬が国内で認められるまでに遅れが出る「ドラッグ・ラグ」の解消を目指してできた「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」による認定は初めて。
早期承認を求めて学会や患者団体から寄せられた374件のうち、今回認められた未承認薬は50品目。国内で承認されているが、別の病気への適用が認められていない適応外薬は59品目。
アルツハイマー病の攻撃的な行動を抑えるリスパダールなど30品目は、安全上の問題などから必要性が認められなかった。海外での承認や保険適応がない医薬品103品目は検討対象から外す。
医薬品を製造販売するには薬事法などで定められた臨床試験(治験)をし、データを提出して厚労相の承認を得る必要があるが、国内で承認されるまでの期間は米国よりも2年半程度遅いとされる。
厚労省は必要性が認められた医薬品について5月中旬にも製薬会社に開発を依頼。製薬会社は国内で追加試験が必要ないと判断されたものについて6カ月以内にリポートをまとめ、検討会議に出す。
ジェムザールの早期承認を訴えてきた卵巣がん体験者の会「スマイリー」代表の片木美穂さん(36)は「一歩前進だ。(承認薬の少なさは)患者にとって命の選択肢が削られるということ。海外で認められている薬は日本でも使えるようにしていくべきだ」と話した。(月舘彩子)
このニュースは朗報ですね。
山が動いたという気さえします。
未承認薬が一気に承認され、海外とのドラッグラグが多少解消されるかと思われます。
毎日新聞にはこのように書かれています。
厚労省は5月中に、製薬企業に承認申請手続きに入るよう要請する。国内外の臨床試験(治験)結果などから追加の治験が不要と判断された品目については早ければ来年5月にも承認される見通し。厚労省が昨年6〜8月、米英独仏のいずれかでの承認を条件に初の公募を実施していた。
毎日新聞 2010年4月27日 東京夕刊
厚労省がすでに製薬会社に公募していたんですね。
追加治験がない場合があるとなると、製薬会社としての金銭的負担も少なくて済み、また患者さんや医療を提供する我々としても治療の選択枝が増えるので、いいことずくめだと思います。
【関係ページ】
2009/9/1「ドラッグラグは本当になくなるのか?」
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1929.html
2008/4/21「ドラッグラグが起きている本当の理由」
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1444.html