ワクチン接種を拒否する理由としては、A/H5N1ワクチンでは「副作用が心配」が最も多く、A/H1N1ワクチンでは「副作用が心配」「ワクチン接種に適した時期ではない」「単に希望しない」がそれぞれ20%を超えていた。「ワクチンの効果に疑問」という回答も20%近くあった。
新型インフルエンザワクチンの接種希望者は半数以下:日経メディカル オンライン
新型インフル・ワクチン輸入に向け国内治験へ
スイスを拠点とする大手製薬企業「ノバルティス」の日本法人「ノバルティスファーマ」(東京都港区)が、9月にも新型インフルエンザワクチンの有効性や安全性を確認する臨床試験(治験)を国内で開始することが28日、明らかになった。
同社は年内にも製品を供給したいとしている。
政府は、国内生産で不足する約2000万人分のワクチンを海外企業から輸入する方針を打ち出している。同社は治験をできるだけ速やかに終えたいとしているが、政府は治験を省略できる薬事法上の「特例承認」を適用することを検討しており、同社の治験を途中で切り上げ、速やかにワクチンの供給を求める可能性もある。
現在、国内メーカー4社が新型インフルエンザワクチンを生産しているが、ウイルスの増殖が遅いニワトリの卵を使っているため、年内に製造できるワクチンは1300万人〜1700万人分にとどまることが課題。同社は「細胞培養法」という、より大量生産に適した方法を採用。ワクチンの効果を高める添加物(免疫増強剤)も加えている。これらは国内では使用経験がないため、同社は「日本人で使用した場合の安全性を特に確認したい」としている。
(2009年8月28日14時34分 読売新聞)
●フィット・治験会議録管理を劇的に改善
自動組版 ASPサービスの開発・運用・販売を主事業としているフィット(大阪府大東市、藤原広光社長)はこのほど、くすりの臨床試験の最終段階である「治験」の会議録管理に関するワークフローをCMS方式で一元管理することにより劇的に改善し、 PDF形式・ HTML形式での会議録の公表データを誰もが簡単に作成できる「治験会議録管理および Web公表システム「SymIRB」を8月 12日より販売開始した。
今年4月1日から治験審査委員会における審議の透明性の向上及び質の確保などを目的として、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(改正 GCP省令)第 28条」に基づき、治験審査委員会の会議録の概要の公表の義務化等が施行された。
これに伴い、同社では京都大学医学部附属病院治験管理センターから会議録の概要の公表目的のみならず、治験申請から治験審査委員会の会議録の作成、メーカーによるマスキング申請、会議録の概要のWeb公表までの治験会議録管理事務全体のワークフローを簡素化できるシステムの開発を受託し、6月から本番運用を開始した。
このほど、同センターより、この開発ノウハウを生かしたシステムの商品化についての了承が得られたことから、同社では治験会議録管理事務に特化した国内初のシステムとして販売開始に至った。
2009年08月12日
印刷タイムス: フィット・治験会議録管理を劇的に改善
サービス価格は、基本パッケージが300万円(基本パッケージで運用可能)、月額費用は月額保守メンテナンス・ ASP費用が約 15万円。オプションとしてカスタマイズ開発約100万円―300万円、ホームページリニューアルなどが約100万円―150万円となっている。
新型インフル輸入ワクチン 厚労相「安全性テストやる」
asahi.com(朝日新聞社)2009年8月27日13時6分
舛添厚生労働相は27日の会見で、新型の豚インフルエンザ用のワクチン輸入にあたり、「最低限必要な安全性のテストはやる」と話した。25日の会見では国内での臨床試験(治験)を省略する可能性を示唆したが、専門家から国産と作り方が違うワクチンの輸入については安全性、有効性を確認する必要があると指摘されていた。
舛添氏は「(国内の安全確認の手続きを簡略化する)特例承認の枠組みを使わないわけではない。迅速性、安全性の両方を兼ね備える方法が何か、あらゆる可能性を検討している」としている。
新型インフル用の国産ワクチンは季節性インフル用と作り方が同じで、副作用や対処法がある程度予想できるため、まず承認をし、慎重に監視して接種を進め、安全性のデータを蓄積することを視野に検討している。
ワクチン副作用なら「国が補償」 新型インフルで厚労相
asahi.com(朝日新聞社)2009年8月26日21時12分
新型の豚インフルエンザのワクチン接種で副作用による被害が生じた場合について、舛添厚生労働相は26日、国による補償制度を検討していることを明らかにした。多くの人に接種してもらえるよう促すための取り組みだ。
厚労省は5300万人の接種を見込んでいる。ワクチン接種を巡る専門家との意見交換会で舛添氏は、「目の前の危機に対応する必要がある。特別立法も念頭に置いて作業したい」と述べた。
ワクチンには公費負担で受けられる「定期接種」や「臨時接種」と、全額自己負担の「任意接種」がある。厚労省は、新型インフルワクチンは任意接種とする意向。任意接種で副作用が起きた場合は医薬品医療機器総合機構を通じて給付金が支払われるが、国が補償する接種の場合、死亡一時金などの金額が数倍になる場合がある。季節性インフルエンザのワクチンでは、副作用の頻度は、100万人に2人程度という報告がある。
一方、意見交換会で舛添氏はワクチン接種の優先対象として、「妊婦、小児、基礎疾患のある人、医療従事者や学校の関係者なども入るのかなということもある」などと述べた。
クローズアップ2009:新型インフル・ワクチン 接種拡大、輸入頼み
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
舛添要一厚生労働相が25日に発表した新型インフルエンザワクチンの接種対象。小中高生や基礎疾患のない高齢者も加わって計5300万人に上る。国産ワクチンの出荷は10月下旬から始まるが、足りない分は輸入ワクチンに頼らざるを得ない。舛添氏は輸入の際、国内での臨床試験(治験)などを省略できる薬事法の特例承認を検討することも明らかにした。輸入ワクチンは国産とどう違うのか? 安全性は? 1400万人が接種対象となる小中高校では、夏休みが明けると集団感染の拡大が懸念される。だが学級閉鎖の基準は都道府県によってまちまちで、国も手をこまぬいているのが現状だ。
◇国産の不足2000万人分以上 治験省略、副作用も
「非常に難しい問題だ。専門家や薬害被害者の意見も聞き、コンセンサスを得たい」。新型インフルエンザ対策でワクチン確保を表明した舛添氏。だが国内で臨床試験を行わない輸入は副作用の恐れがあり歯切れが悪い。
これまでに優先接種の方針が固まっていた妊婦や乳幼児らには、年内の国内製造分見通しの最大1700万人分でほぼ行き渡る。だが新たに接種対象者に加えられた小中高生と持病のない高齢者の計3500万人には、2010年2月まで生産を続けても2000万人分以上足りない。
新型用ワクチンは豪米英独中の5カ国で既に臨床試験が始まり、9月に供給開始の見通しだ。日本でも4社が製造を始め近く臨床試験が始まる。ワクチンの製造法はどの国のメーカーもほぼ同じだが、輸入ワクチンには効果を高めるためアジュバントという補助剤(免疫増強剤)が加えられており、この有無で副作用は異なると考えられる。そのため、本来は国内でも臨床試験が必要で、最短でも6カ月程度かかる。
特例承認検討の背景には、各国が自国民分の確保を急ぎ、輸入の是非に時間をかけられない事情がある。英国の大手製薬メーカー、グラクソ・スミスクラインは、各国政府と2億9100万回分の供給を契約していることを公表しているが、世界全体でどれだけのワクチンが製造されるのかは不明だ。新型用ワクチンの製造は65〜70%が欧州に集中しているとされ、早い者勝ちの側面も否定できない。厚労省は交渉先を明らかにしていないが、「政府の審査体制がしっかりしている国のメーカー」との方針を示す。
岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「アジュバントでワクチン効果は上がるが、接種した局所の腫れが高くなることなども予想される。臨床試験が終わっていないので、国産との比較は簡単にはできない」と説明。そのうえで「価格や副作用が出た際の責任問題、国民に国産か輸入かの希望を聞くかどうかなど議論が必要」と指摘する。
そもそも、ワクチンは新型インフルエンザにどんな効果があるのか。ワクチンは接種しても感染や発症を完全には防げない。ウイルスが鼻やのどにくっつく際に免疫として働くたんぱく質の抗体と、体内での増殖を防ぐ抗体は異なり、ワクチンで作られるのは後者の抗体だからだ。しかし肺炎などの重い合併症や入院、死亡などの危険性を減らす効果は認められ、世界保健機関(WHO)も新型用も含めて積極的に接種を勧めている。
北里大の中山哲夫教授(臨床ウイルス学)は「ワクチンでは流行を完全に抑えることはできない。感染拡大を防ぐために広く使うことが適切なのか、慎重に検討する必要がある」と話している。【江口一、関東晋慈】
毎日新聞 2009年8月26日 東京朝刊
免疫学におけるアジュバント
アジュバントは、抗原(ワクチン)の免疫原性を高める目的で抗原と共に生体に投与される試薬のことである。
アジュバント - Wikipedia
新型インフル 輸入ワクチン治験せず承認
8月25日15時34分配信 産経新聞
舛添要一厚生労働相は25日の閣議後会見で、国内で製造中の新型インフルエンザ用ワクチンの出荷は従来の見通しからさほど遅れず、10月下旬になるとの見解を示した。必要量については「5300万人分」とし、不足分は輸入で賄う考えをあらためて強調。輸入に際し、緊急性がある場合に、海外での承認を条件に国内での治験を省略する薬事法上の「特例承認」という制度を活用する考えを示した。
26、27の両日に専門家や薬害の被害者らから意見を聴き、輸入や接種の方法、接種の優先順位について検討。9月中に正式に決める。厚労省は「製造は最速でやっており、冬場に懸念される大きな流行に備える。個人でも予防、健康管理に気を付けてもらい、現在始まっている流行のピークを少しでも遅らせることが重要だ」としている。
厚労省によると、5300万人の内訳は、基礎疾患がある人(約1千万人)▽基礎疾患のない65歳以上の高齢者(約2100万人)▽小中高校生(約1400万人)▽乳幼児(約600万人)▽妊婦(約100万人)▽医療従事者(約100万人)。しかし国内で年内に製造できるワクチンは1300万〜1700万人分と限られ、今後の生産状況によってはさらに減る恐れもある。
厚労省によると、過去に医薬品に関して薬事法の特例承認が適用されたことはなく、この制度ができる以前の昭和36年に、超法規的措置としてポリオ(小児まひ)ワクチンをカナダと旧ソ連から緊急輸入したケースがあるという。
「タミフル」日本向けに改良 中外製薬、有効期限3年に延長
スイス製薬大手ロシュ子会社の中外製薬は10月をメドに、日本向けに改良したインフルエンザ治療薬「タミフル」を出荷する。これまでタミフルは全量を輸入し、国内では日本向けの包装などの加工だけだったが、初めて国内で製造する。高温多湿の日本に合わせて吸湿しにくいように改良した粉末タイプで、患者は水に混ぜて服用する。品質の劣化をおさえることで現在2年間の有効期限を3年間に延長する。
国内で製造するのは小児や高齢者でも飲みやすいように水に混ぜて飲む粉末状の「ドライシロップ」と呼ばれるタイプ。藤枝工場(静岡県藤枝市)に製造ラインを新設した。生産能力は最大で月間50万人分。タミフルの有効成分をスイスから輸入し、日本で添加物を混ぜて製品化する。現在はドライシロップをスイスから輸入して日本で瓶詰めしているが、国産に順次切り替える。
[2009年8月22日/日本経済新聞 朝刊]
<東証>中外薬が反発 「タミフル」を日本向けに改良と伝わる
(9時45分、コード 4519)反発。前週末比48円高の1940円まで上昇した。「日本向けに改良し、国内で製造したインフルエンザ治療薬『タミフル』を出荷する」(22日 付日本経済新聞朝刊)との報道が手掛かり。高温多湿の日本に合わせて吸湿しにくいようにした粉末タイプで、水に混ぜることで小児や高齢者でも飲みやすくした。この週末も新型インフルエンザの感染が一段と拡大しており、「タミフル」需要拡大の思惑から買いを集めている。
NIKKEI NET マネー&マーケット:国内株-注目株の動き (8/24 10:08)
【新型インフル】「大拡散ならタミフル複製薬を生産、特許停止も」
全在姫(チョン・ジェヒ)保健福祉家族部長官は21日、新型インフルエンザ大拡散で治療剤(タミフル)が大きく不足すれば、特許停止措置を取った後、国内で複製薬を大量生産する、と明らかにした。 外国製薬会社の特許期間が有効な状態で政府が複製薬(ジェネリック医薬品)生産を認め、危急な状況に積極的に対処するということだ。新型インフルエンザ事態以降、政府当局者が特許停止の可能性に言及したのは今回が初めて。
新型インフルエンザ治療剤でロシュ社のタミフルは特許権が保障された輸入医薬品で、国内で複製薬生産が禁止されている。 しかし国内外特許関連規定は、公共の利益のために必要と認定されれば当局が特許停止強制実施権を発動し、第3者が同じ成分の複製薬を供給できる、としている。
全長官は世界保健機関(WHO)の主催で開かれた新型インフルエンザ関連国際シンポジウムに出席、国際協調案を議論するために中国・北京を訪れた。 また全長官は新型インフルエンザ対応策に関し、国民の27%まで予防ワクチン接種を推進し、ワクチンが不足する場合は中国をはじめとする他国から余裕分を積極的に輸入する、と述べた。
全長官は特に「秋に新学期が始まって冬に入れば新型インフルエンザの大拡散(パンデミック)で多数の死者が発生する可能性も排除できない」とし「政府が用意した個人衛生規則を国民が徹底して守れば発病の70%を予防できる」と強調した。
中央日報 Joins.com
2009.08.22 09:50:42
「サクシン」「サクシゾン」薬取り違え医師を書類送検…徳島
徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院で昨年11月、入院していた男性患者(当時70歳)が、抗炎症剤と名称が類似している筋弛緩(しかん)剤を誤って点滴されて死亡した医療事故で、県警は20日、薬の投与を看護師らに指示したとして、内科の女性医師(37)(休職中)を業務上過失致死容疑で書類送検した。県警は、過失が大きいとして、起訴を前提とした「厳重処分」の意見を付けた。
県警の発表などによると、女性医師は昨年11月17日午後9時40分頃、肺気腫の疑いがあり、40度近い熱があった男性患者に解熱作用もある抗炎症剤「サクシゾン」を使うつもりだったが、筋弛緩剤「サクシン」200ミリ・グラムを薬剤師や看護師に指示して、投与。翌18日未明、薬物中毒により窒息死させた疑い。
女性医師は、サクシゾンを処方しようと、端末のパソコンの電子カルテに、「サクシ」と3文字を入力、変換。画面には「サクシン」が表示されたのに、確認を怠り、誤ったまま伝えたという。同病院は、二つの薬剤を取り違えないように、約7年前からサクシゾンは置いていなかったが、この女性医師は昨年4月に着任し、事情を知らなかったという。女性医師は「薬品名を十分確認していなかった」と容疑を認めているという。
読売新聞の取材に、男性の家族は「書類送検は一つの区切り。今もつらい気持ちは変わらない」と話した。
鳴門病院はミスを認めており、事故後、外部の有識者らでつくる事故調査委員会を発足。20日午後、最終報告書を公表する。事故原因について、女性医師の過失のほかに、▽医師と薬剤師、看護師とのコミュニケーション不足▽端末のデータベースのシステム上の不備――などを盛り込むという。同病院の増田和彦病院長は「二度とこのような事故が起きないよう再発防止に取り組みたい」とのコメントを出した。
サクシンを製造販売している製薬会社は、事故防止のため、今年7月から商品名を「スキサメトニウム」と改めている。
(2009年8月20日 読売新聞)