副作用で22人死亡 インターフェロン製剤8製品
厚生労働省は25日、慢性C型肝炎の治療に使われるインターフェロン製剤の7社8製品の副作用で間質性肺炎になったとの報告が04年4月〜今年5月に計223件あり、うち22人が死亡していたとする調査結果を公表した。
同製剤で間質性肺炎の副作用が起きることはこれまでに知られており、製品の添付文書で警告されているが、同省は使用に際して改めて注意を呼びかけている。
8製品の推計使用者数は計16万8800人。最も副作用報告が多かったのは、中外製薬の「ペグインターフェロンアルファ―2a」(商品名ペガシス)で、124人(死亡13人)だった。この124人のうち11人は過去に間質性肺炎を患っていた。
次に多かったのは、シェリング・プラウの「ペグインターフェロンアルファ―2b」(商品名ペグイントロン)で、78人(同6人)だった。
厚労省は「ペガシスについては既往歴のある患者に高い確率で副作用が起きる傾向にある」として、既往歴がある患者に投与しないよう添付文書に書き加えるよう指示した。
asahi.com(朝日新聞)2008年9月25日
インターフェロンの副作用として間質性肺炎はよく知られていますし、厚労省も再三注意喚起しています。
インターフェロンの間質性肺炎の副作用に関しては、ずいぶん前から注意喚起されておりますが、この度インターフェロン製剤による間質性肺炎に関する副作用報告の件数及び推計使用者数(平成16年4月から平成20年5月まで)が報告されています。
それによると、ペガシスとペグイントロンの副作用報告が多いです。
使用患者も多いので、副作用も多くなるのは当たり前ですが。
ペガシスの推定使用患者は42,600人:既往歴・合併症あり11人(うち死亡例1人)、既往歴・合併症なし113人(うち死亡例12人)で、合計124人(うち死亡例13人)
ペグイントロンの推定使用患者は94,000人:既往歴・合併症あり1人(うち死亡例0人)、既往歴・合併症なし77人(うち死亡例6人)で、合計78人(うち死亡例6人)
単純にみると、ペグイントロンの方が使用患者が多いのに、副作用はペガシスの方が多いということになります。
そのことより、ペガシスに関しては間質性肺炎の既往がある患者さんには禁忌と変更されています。
副作用の数字を見れば、間質性肺炎の既往がある方よりない方のほうが圧倒的に数が多いのがわかります。
そこをどう対処するのかが重要なことであると考えます。
医薬品・医療機器等安全性情報No.250 2008年9月
インターフェロン製剤(「C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善」の効能効果を有する製剤)による間質性肺炎について
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_anzen/file/PMDSI250.pdf#page=3