谷本整形が改善報告=点滴患者死亡事件−三重
三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴を受けた患者が体調不良を訴え、うち女性1人が死亡した事件で、同診療所の谷本広道院長は29日、伊賀保健所に院内感染対策などを盛り込んだ改善報告書を提出した。県は立ち入り調査などで問題がないことが確認できれば、診療自粛要請を解く方針。
8月29日 時事通信
筑波大病院の医療ミス:抗がん剤投与時、薬剤部も確認−−事故防止策 /茨城
筑波大付属病院の抗がん剤の過剰投与で女性が重度の合併症を起こした問題で、同大は26日、従来医師と看護師だけで行っていた抗がん剤投与のチェックに、薬剤部が加わるなどの再発防止策を発表した。
具体的には、抗がん剤を使う場合、担当医が治療計画書を作成。薬剤部など他の部署が計画書を見て、薬の種類や量が適切か判断してから、患者に薬を出す。防止策は21日付で院内に通知した。
今後、外部の専門家を含めた調査委員会の調査結果が出た段階で、改めて再発防止策を発表する予定。
大学側によると、女性は7月に腹腔(ふっくう)内臓器の腫瘍(しゅよう)切除手術と抗がん剤治療後、急性腎不全などを発症。担当医の入力ミスで予定の4倍の抗がん剤を投与したのが原因とみている。
8月27日 毎日新聞
抗がん剤としてのサリドマイド本格検討 厚労省
厚生労働省は、かつて睡眠薬や胃腸薬として販売された「サリドマイド」を、血液がんの治療薬として承認するかどうかの本格的な検討に入った。深刻な薬害のため販売が中止された経緯がある一方、患者らは早期承認を求めており、議論が活発化しそうだ。
26日始まった同省検討会に、承認申請している藤本製薬(大阪府松原市)や患者団体などが、処方できる医師や扱える病院、卸売業者を限定するとした「安全管理基準書案」を提出。同省は27日に薬事・食品衛生審議会の部会を開き、さらに検討を進める。
サリドマイドは国内では58年に発売。服用した妊婦から生まれた子に重い障害が出る被害が相次ぎ、62年に発売が中止された。だが、近年、海外で血液がんの一つ「多発性骨髄腫」への効果が高いと認められ、国内でも医師の個人輸入が急増。未承認のまま使用されており、「日本骨髄腫患者の会」などは早期承認を求めている。
一方、サリドマイド薬害の被害者団体らは安全管理の徹底を要求。団体の理事で、同検討会委員の増山ゆかりさんは「国は安全管理をどう考え、再発防止に努めるか示して欲しい」と求めた。
asahi.com(朝日新聞)2008年8月26日
金木病院で投薬ミス 意識不明後に死亡
五所川原市の公立金木病院で6月下旬、肝硬変の女性入院患者に利尿薬と誤って血糖降下薬が投与され、女性が意識不明に陥り7月上旬に死亡したことがわかった。同病院は投薬ミスと死因との因果関係は特定できない、としている。五所川原署は業務上過失致死の疑いも視野に、遺体を司法解剖し調べている。
同病院が22日公表した。同病院によると、死亡したのは北津軽郡の女性患者(当時73)。肝硬変で通院していたが、腹水がたまり、6月13日に同病院の内科に入院した。6月22日夜になって容体が急変、意識不明になった。
女性は低血糖状態で意識障害を起こしたと判明。6月27日午後になって、腹水を尿として出す利尿降圧薬「アルマトール」ではなく、血糖降下薬の「アマリール」が投与されていたことがわかった。いずれも錠剤で、誤った薬は同6月20日夜〜22日朝に2錠ずつ4回投与されていた。
医師が書いた薬の処方指示をもとに、事務委託をしている業者からの派遣職員が、薬局に出す処方箋(せん)をパソコンで打ち出す際、薬の名前を誤記しており、医師も看護師も処方箋の内容をチェックしていなかったという。
同病院は6月27日、事故調査委員会をつくり、翌28日、家族に謝罪、五所川原署に届け出た。その後も治療は続けられたが、女性は7月8日夜に死亡した。「肝硬変による肝不全」が死因とされた。
8月22日になって、こうした事実を記者会見で公表した小野裕明院長代理は「患者やご家族、社会に対して医療不信をあおる非常に重大なミスだった」と謝罪した。
死因との因果関係については「肝硬変がかなり進んだ状態で、病態が非常に複雑。病院としては死因の特定は不可能だ」と述べ、県警による司法解剖結果を重視したい、とした。
また、職員が医師の指示をもとに処方箋をパソコンで打ち出すシステムについて、石戸谷鏡治事務局長は「医師、看護師が確認するが、それがいつの間にか形骸(けいがい)化した」とチェックのない態勢が続いていたことを認め、小野院長代理も「ニアミスが何回かあった」と、処方箋の誤記が何度かあったことを示唆した。
asahi.com(朝日新聞)2008年08月23日