インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した中学生が転落死する事故が、2月中に2件続いたことを受けて、厚生労働省は28日、「未成年者がインフルエンザにかかると精神・神経症状が出て、異常行動をとる場合がある」として、発症後2日間は未成年者を1人にしないよう注意を呼びかけた。
ただ、同省は、タミフルと異常行動の因果関係については否定している。
同省は、小児や未成年の患者が自宅で療養する場合、<1>異常行動が起きる可能性を医師が説明する<2>インフルエンザ診断後、少なくとも2日間、1人にならないよう保護者が配慮する――ことが事故防止に適切としている。厚労省の研究班の調査で、異常行動の95・6%が発症後2日間に集中していた。
2月28日 読売新聞
インフルエンザ治療に携わる医療関係者の皆様へ
(インフルエンザ治療開始後の注意事項についてのお願い)
○ 今月に入り、抗インフルエンザウイルス薬リン酸オセルタミビル(販売名:タミフル)を服用したとみられる中学生が自宅で療養中、自宅マンションから転落死するという痛ましい事例が2例報道されております。これら2例については、現在、情報収集を行っており、タミフルの使用との関係を含め専門家による十分な検討を行うこととしております。
○ タミフルの使用と精神・神経症状の発現の関係については、別紙〔参考〕の2及び3に記載したように、これまで専門家による検討や調査を行ってきたところです。それらを踏まえると、タミフルの使用と精神・神経症状に起因するとみられる死亡との関係については否定的とされていることなどから、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えておりませんが、今シーズンは更に詳細な検討を行うための調査を実施しております。
○ 以上のような状況の下において、現在のところタミフルと死亡との関係については否定的とされておりますが、インフルエンザウイルスに感染した場合、別紙〔参考〕の4のとおりタミフルの販売開始以前においても異常言動の発現が認められており、また、まれに脳炎・脳症を来すことがあるとの報告もなされていることから、以下の点について御配慮いただきたくお願いいたします。
万が一の事故を防止するための予防的な対応として、特に小児・未成年者については、インフルエンザと診断され治療が開始された後は、タミフルの処方の有無を問わず、異常行動発現のおそれがあることから、自宅において療養を行う場合、
(1) 異常行動の発現のおそれについて説明すること
(2) 少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮すること
が適切であると考えられます。
このため、インフルエンザ治療に携わる医療関係者においては、患者・家族に対し、その旨説明を行っていただきたい。
●厚生労働省:インフルエンザ治療に携わる医療関係者の皆様へ
(インフルエンザ治療開始後の注意事項についてのお願い)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/02/h0228-3.html
27日午前1時20分ごろ、仙台市宮城野区の13階建てマンションの11階から、マンションに住む中学2年の男子生徒(14)が約30メートル下の駐車場に転落し、頭などを強く打って死亡した。
仙台東署によると、生徒はインフルエンザを発症し、26日は中学校を欠席。医師から治療薬「タミフル」10錠などを処方され、26日夜の就寝前までにタミフル2錠を服用していたという。転落の直前に苦しがり、そばに寝ていた母親を起こし、「トイレに行く」と言ったまま玄関を出たという。生徒は11階の自宅前の共用通路にある高さ1・26メートルの柵を乗り越えて転落したとみられる。
転落時は、上下パジャマ姿でトレーナーを着ており、靴は履いていなかった。遺書などはなく、変わった様子も見られなかったことから、同署は自殺の可能性は低いとみて、タミフル服用と転落の因果関係などを調べている。
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タミフル服用後の事故は、今月16日にも愛知県蒲郡市で女子中学生(14)が自宅マンションから転落死したケースがあり、厚生労働省は製薬会社を通じて情報収集する。
柳沢厚生労働相は27日朝の閣議後記者会見で、服用と事故の因果関係について「専門的な検討をしなければいけない」としたが、現時点での注意喚起などについては「根拠がしっかりしていることが必要」と否定的見解を示した。
同省によると、16歳以下がタミフル服用後に死亡したケースは、昨年10月末現在で16例報告されたが、専門家による検討で因果関係は「否定的」とされた。
事故死した子どもの家族らで作る「薬害タミフル脳症被害者の会」は、「因果関係がはっきりしてからでは遅すぎる」と、厚労省の対応を批判している。
(2007年2月27日 読売新聞)
マスコミ報道されていますのでご存知だと思いますが・・・
まだ薬との関係はよくわかっていないのですけど、このインフルエンザの薬「タミフル」をのんで変な行動を起こす方がいるようです。
念のため服用されてしばらくの間は目を離さないようにしてくださいね。
年を取るのは素敵なことです、そうじゃないですか
忘れっぽいのは素敵なことです、そうじゃないですか
(中島みゆき:傾斜)
「another side of ”d-inf”」様から2本トラックバックをいただきました。いつもありがとうございます。
血液のがんの一種、多発性骨髄腫(しゅ)などの治療薬として海外から大量に個人輸入されている催眠鎮静剤「サリドマイド」について、厚生労働省は個人輸入をする医師に、インターネットを使って薬の使用・管理状況、治療経過などを登録してもらい、安全に使われているか監視するシステム(SMUD)の運用を来月中旬にも始める。
サリドマイドを個人輸入するために必要な「薬監証明」という許可を厚生労働省からけるために、SMUDへの登録が必要になる。薬の使用状況を一元的に把握でき、薬害の防止に役立ちそうだ。
SMUDは、厚労省の研究班(主任研究者=久保田潔・東京大助教授)が作り、東大病院にある「大学病院医療情報ネットワーク研究センター」が管理・運営を担当する。サリドマイドを処方する医師や薬剤師がSMUDに患者のイニシャル、生年月日、診断名、投与開始日のほか、副作用などについて入力する。
2月26日 読売新聞
SMUDは平成18年11月から一部の関係者によってテスト運用を開始しています。テスト運用で大きな問題が発見されなければ平成18年暮れから平成19年初めにも運用を開始します。SMUDから発行される薬監証明交付申請時添付書類を添付することが、薬監証明交付申請時に求められるようになるのは、運用開始の2ヶ月程度後からになることが予想されます。運用開始と同時にサリドマイドに関係されると思われる医師・薬剤師の先生方にご連絡いたします。
米バーモント州にある名門ミドルベリー大学の史学部が、オンラインで一定の利用者が書き込んだり修正したりできる百科事典「ウィキペディア」を学生がテストやリポートで引用することを認めない措置を1月に決めた。日本史の講義をもつ同大教授がテストでの共通の間違いをたどったところ、ウィキペディア(英語版)の「島原の乱」(1637〜38)をめぐる記述にたどり着いたことが措置導入の一つのきっかけになった。
asahi.com(朝日新聞)2007年02月23日