診療報酬の早期見直しも 看護師不足で中医協が協議
全国の病院間の看護師獲得競争が激化し、一部病院が看護師不足に陥りつつある問題で、中央社会保険医療協議会(中医協)は29日、対応を協議した。看護師を手厚く配置した病院に入院基本料を上乗せする診療報酬改定が問題のきっかけとされるが、診療側、支払い側の双方から「軽度の患者が多く看護の必要度が低い病院にまで上乗せを認める必要はない」などの指摘が相次ぎ、診療報酬が早期に見直される可能性も出てきた。
asahi.com2006年11月29日
大病院も看護師不足 採用5割増、内定は7割
全国の病院間で看護師の獲得競争が激化している問題で、国立大学病院など423の大手病院が来春採用を予定する看護師は前年比5割増の1万8740人に上る一方で、現時点の内定者数は予定の約7割にとどまっていることが厚生労働省の調査で明らかになった。大病院の看護師採用急増の影響を受け、中小病院では採用活動がさらに難航している可能性が高い。来春以降、相当数の病院が看護師不足に陥ることは避けられない情勢だ。
asahi.com2006年11月29日
「大酒」は自殺リスクを高めるらしいことが、名古屋市立大の明智龍男助教授(精神医学)らの大規模疫学調査で分かった。酒量を調べた中高年男性のその後を追跡調査したところ、「1日3合以上飲む人」の自殺率は「時々飲む人」の2.3倍に上った。英国の精神医学雑誌に報告した。
厚生労働省研究班として90〜93年に飲酒状況を聞いた全国の40〜65歳の男性約4万5000人を、その後約8年半にわたって調べたところ、168人が自殺。全体では毎年約2200人に1人が自殺したことになる。
酒量に応じ、全く飲まない人から1日3合以上飲む人まで6グループに分けて比べると、酒量が増えると自殺率が上がり、酒量が最も多く自殺率も最も高い1日3合以上のグループでは、毎年約1600人に1人の割合で自殺していた。
全く飲まない人の自殺率も1日3合以上グループとほぼ同じだったが、自殺の危険性を高める重病を持ち、酒を飲めなかった人が含まれていたことが考えられるという。
明智さんは「最近あの人飲み過ぎでは……、そんな酒量の増えた人がいたら要注意。周囲の人の対処が必要」と言う。
飲酒と自殺については、ソ連時代のロシアとベラルーシで、85〜89年の禁酒政策時代に自殺がそれぞれ約3割減ったと報告されるなど、以前から関連が疑われていた。国内でも都道府県の住民1人当たり飲酒量と自殺率の間に強い相関関係がみられる、と明智さん。
国立病院機構・久里浜アルコール症センターの樋口進副院長は「依存症の人は自殺率が高いという調査はあったが、飲酒と自殺の関係を大人数の追跡調査で実証した意義は大きい。自殺への歯止めが利かなくなるほか、飲酒がうつを引き起こしたり悪化させたりすることも考えられ、今後解明が必要だ」と指摘する。
asahi.com2006年11月28日
押収の半分程度が個人輸入か
「バイアグラ」の商品名で販売されている性機能改善薬については、ここ数年、各国で偽物が流通しています。
このため、製造元の製薬会社ファイザーは偽物の輸入差し止めを求めており、ことしに入って税関や警察に押収されたケースは70件、押収量は14万錠に上っています。
このうち、およそ40件は国際郵便が使われていることから、多くは一般の人たちがインターネットを通じて注文した個人輸入とみられています。
偽物は、錠剤や容器の色や形が正規品とほとんど区別できないほど似ていますが、成分の含有量がまちまちで、服用のしかたによっては健康被害を引き起こすおそれもあるということです。
WHO・世界保健機関で偽物の医薬品対策にあたっている金沢大学大学院の木村和子教授は「海外では、抗生物質などの偽物も多く出回っている。偽物の薬は安全性も有効性もまったく保証はない。個人輸入した薬は偽物であったり、不良品であったりすることも否定できないので、医薬品は専門家に相談したうえで購入してほしい」と話しています。
厚生労働省も「一般の人には偽物かどうかの判断や安全性の確認は難しいので、安易な薬の個人輸入は控えてほしい」と呼びかけています。
NHKニュース 11月25日 19時14分