オーディオケーブル専門SHOP「けーぶる舎」SHOPマスターの音楽ブログです
2013/4/1
長年迷走を続けていたThe Byrdsに安定をもたらしたのは、
意外に内省的な人物だったといいます。
アメリカの伝説的ギタリスト、クラレンス・ホワイト。
カントリーミュージック(とりわけブルーグラス)出身で、
スタジオミュージシャンとしても名を馳せ、
リッキー・ネルソン、アーロ・ガスリー、
ジャクソン・ブラウン、リンダロンシュタットらのアルバムにも参加した、
プロ中のプロというべきアーティストでした。
(ジミー・ペイジは彼をジミ・ヘンドリックスと並ぶアメリカの二大ギタリストと賞賛したそうです)
有名な「UNTITLED」でのライブセッションを挙げるまでもなく、
参加した録音のすべてに彼の類稀なテクニックとセンスを聴くことが出来ます。
世のギタリスト達が挙って早弾きの腕を競う中、
(あれほどのテクニックを持ちながら)独り悠然と
楽曲全体を見渡した余裕のあるプレイをするのです。
休符や「間(ま)」さえ掌中に収めた彼の演奏こそ、
大人の、そして本物のプロフェッショナルのそれでした。
ところで、クラレンス・ホワイト考案のベンダーギターのことは知られていても、
意外に、彼が敬虔なクリスチャンであったことは知られていないようです。
トラブルの多いメンバーたちも彼の人柄に一目置いていたことは、
それと無関係ではなかったかも知れません。
音楽スタイルのみならず、精神面においてもByrdsの支えになった人物でした。
ラストアルバムFarther Alongでクラレンスの歌った「ビューグラー」
(「角笛吹き」という、老犬のあだ名)
その内容通り、彼自身が交通事故死を遂げたことは不思議です。
クラレンス・ホワイト、29歳の、余りにも早すぎた夏のことでした。
”ビューグラー”
懐かしいキャトル川でおまえはいつも歌っていたね
川の流れは優しく、
岸辺は緑におおわれ、
晴れた日は永遠に続くかのようだった
そのみすぼらしい老犬は
気ままに生きていた
年老いた猟犬と、日焼けした労働者…
僕らはどこか似た者どうしだった
魚どもは僕の神聖な闘いに喰らいつき
青白い月明かりの下で
僕はやつらを捕まえた
あこがれの彼女を喜ばせようと
ビューグラーの吠え声が糸杉林のてっぺんから
とうもろこし畑に降り注いだ
黄金の角笛の響き
それはやつの宝物
ビューグラー、ビューグラー
おまえに神の恵みがあるように
イエスはおまえを綺麗な桜並木にいざなうよ
ああ、さようなら、さようなら
ある日、彼女が悲しいニュースを届けた
相棒のビューグラーが
とうとう遠いところへ行ってしまった
あのハイウェイではねられたと
涙を拭いて
しっかりなさい
ビューグラーは天国の真珠の門をくぐって
幸せになったのよ
ああ、さようなら、さようなら
投稿者: SHOPマスター
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