先日twitterで誰かがリツイートしていた鬱当事者の漫画。
当事者側からその気分や症状を発信したものというのはありそうでなかなかないので、興味深く読んだのだけれど、ハタとページをめくる手を止めてしまったのが、問題行動の5段階の話で。
これは心理学者アドラーが唱えているものらしいのだけれど、承認欲求にとらわれた人間が起こす問題行動を「目的」に注目して5段階に分けるらしく。
第1段階:称賛の欲求
第2段階:注目喚起
第3段階:権力争い
第4段階:復讐
第5段階:無能の証明
1〜4は割と分かりやすいのよね。
自分でも思い当たる節があるし(おい)。
でもその先に「無能の証明」というのがあるのか。
インターネットの情報だけれど、
>あらゆる手段を講じたが特別な存在になれなかった場合、「これ以上わたしに期待しないでくれ」という思いが、この段階につながる。
>
>人生に絶望し、自分のことを心底嫌いになり、自分にはなにも解決できないと信じ込むようになる。
>
>そして、自分がいかに無能であるか、ありとあらゆる手段を使って「証明」しようとする。
らしい。
なるほど…。
というか、会社で長く働いていると、「あなた、そんな人でしたっけ?」と思うくらい、仕事ができなくなっている(ように見える)人に時々出くわす。
アタシとしては若い時に仲良かったり、良くしてもらった記憶があって、親しげに「〇〇さん、ご無沙汰です。また一緒に仕事できて嬉しいです」的な態度で接するし、また実際に口に出すこともままあるのだけれども、ほどなくして「うーん」という事態に直面したりするのよね。
有体に言って、そういう方たちは会社で「報われなかった」方々も多く、そういう記憶が積み重なって自信を喪失なさっているのかと思っていたけれど、アドラーさんによると、それは彼ら彼女達のせめてもの「抵抗」の顕れだったりもするのだな。
自分の今の部下達を見ていて、理解に苦しむほど横のものを縦にもしない人がいたりするのだけれど、その人の人生における挫折感を慮るに、その人の今のこの状態というのは、まさにこの「無能」を証明しようとなさっているのかなと思いました。
ってだからといってアタシが何をできるわけでもないのだけれどね。

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