先日行ったミュージカル、すごかった。
日本でも上演されて20年になるというこの作品、ブロードウェイでトニー賞を総なめした当初から、ジュリー・テイモアの舞台美術には一見の価値があると評判だった。
でも食指が動かなかったのよね。
これだけブロードウェイにも通い詰めているのに。
理由は3つあって、一つは、よく言われているけど、手塚治虫の「ジャングル大帝」のパクリなんじゃないか疑惑。
2つ目はエルトン・ジョンの音楽にあまり魅力を感じなかったこと(この映画、オリジナルはアニメなのです)。
3つ目は制作がディズニーであること。
いや、アタシ、ディズニーはそれなりに評価はしているのよ。
千葉にも何回か足を運んでいるし、アニメは結構観ている。
アニメの「美女と野獣」とか最高じゃない?
でも「ショー」となると、万人受けを狙いすぎて、どうも大人が観るようなものには思えなくてさ、敬遠していたわけです。
でも今回見て、評価が一変。
この作品は必見です。
社会の調和や生命の連鎖といった大人だからこそ分かる作品のテーマはもちろんのこと、圧巻はやはり舞台美術。
もうアイデアの塊というか集積感がすごい。
これはもしかしたら文楽?と思ったら、テイモア氏、日本で文楽を学んでいたらしい。
インドネシアにインスパイアされた影絵も秀逸だったし、音楽も「ライオンは寝ている」や黒人霊歌の「誰も知らない私の悩み」がスパイスで使われていたりして芸が細かい。「モルダウ」と思うようなシーンもあったし。
サー・エルトン・ジョンの音楽はやはりピークを過ぎた感はあったけれども、それでも観客を喜ばせるには充分なもののように思えました。
あと言及しておかないといけないのは劇団四季。
彼ら彼女たちの歌唱法には一言言いたいところはあるのだけれども、でも若い役者の中には、きちんと胸が声(ベルティング)で歌える人がいるのには今後の期待が持てました。
あと主役(シンバ)の役者さんは話し声やかんばせは若々しくてとても魅力的だったものの、歌唱力という意味ではピッチが下がり気味でも、「帝王」感に欠けたのが少し残念でした。

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