小学校の頃、地理マニアだったアタシ。
やれ、どこが県庁所在地だとか、政令指定都市はどこかとか、どこの街の人口が多いだとか。
その頃は単に人口が多いところが街としても優れているのだと思っていた。
だって地元と違って都にはなんでもあったから。
大人になって、いろんなところに住み、出かけるようになって、人口だけでは測れない何かがあることが分かった。
いわば街の「格」のようなもの。
官公庁や行政機関の集積、映画館やコンサートホール、オペラハウスの存在、美術館や博物館の有無、有名大学がキャンパスを構えているかどうか、歴史があり歓楽街が栄えているかどうか、名門ホテルがあるか、など。
その中で、意外と大きい位置を占めているのが百貨店。
モールや商業ビルと違い、デパートには公の器としての役割が期待されている。
その百貨店がアタシが住む僻地から消えようとしている。
ただでさえ「ベッドタウン」に毛が生えたようなもので、なんの歴史も文化もないのに、その上公の器までがなくなろうとしている。
はからずも今日はホワイトデー前の休日で、そのデパートはかなりの賑わい。
なんとかして思いとどまらせることはできないのか。
お返しのチョコレートを買いながら、改めてそんなことを思った次第。

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