あんなに準備に手間取っていたのに、いざ出発当日となると、時間を持て余すほどで。
羽田で夕方便だからこそのこの余裕だけれど、こんなことなら昨日少々無理してでも日本を経った方が良かったかな。
そうしたら会社の有給休暇も3日の消化で済んだし。
なんて、そういうふうに考えてしまうのって、アタシってばほんと社畜。
ゆったり時間を使ってリフレッシュしたと考えればいいのにね。
ま、確かにクリーニングや年賀状受け取ったり、もし昨日出発してたらできなかったようなことも前倒しでできたから、いいことにしよう。
今回の旅行はJAL便にて。
いつもはANA派のアタシだけれど、夏に中南米出張したときのマイルでうまくアップグレードできたので、あっさり宗旨変え。
って次からはまたANAに戻すけどね。今回のデスティネーションだとANAだと成田になってしまうというのも大きかったです。
ラウンジでカレーなど少々いやしんぼしてから機内へ。
やっぱりビジネスクラスっていいわー。
機内食とは思えないレベルの懐石料理をワインと一緒に楽しみながら、CAさんに持ってきてもらった週刊文春を読破。
いつもは感心しない林真理子のエッセイに深く共感する。
ってネタはトランプの勝利なんだけれど、「アメリカ」という国に「幻想」を抱いているのは、アタシ達中高年の共通点なのかしら?
海外に対する興味も憧れもないと云われる今の若者たちからすると、また別の感想を抱くのかもしれないわね。
サンフランシスコに降り立つのは1994年の大晦日以来。
そのときは確かバーブラがMGMグランドのこけら落としをするときで、ラフベガスでホテルが取れなくて仕方なく(?)この街に泊まったのよね。
日本はそれから失われた10年だか20年だかを過ごし、一方でこの街はIT産業の隆盛と集積で存在感を増し、空から見るその風景は洗練されて豊かそのもの。
20世紀にトランジットでこの街をよく使っていたときにはもっとのんびりとした雰囲気も漂っていたものだけれど。
こちらに住むゲイ友に空港まで迎えに来てもらい、ダウンタウンにあるホテルにチェックインしてもリッチでクレバーなイメージは変わらない。
しかし仮眠を取ってから街に繰り出してみたらその印象が少し変わり始め。
なにか街が臭うのだ。
たとえ話ではなくアンモニア臭や腐敗臭が漂っている。
これはジュリアーニが就任する前のニューヨークのような…。
そちらの方向に目を遣ると、そこにはホームレスの人々が。
一人や二人ではない。
少なくとも二桁のレベルで道に寝そべってお金を乞うている。
街は週末の感謝祭、その後のクリスマスに向け、華やかに彩られている。
堅実なアジア人が住民の65%を占めるというだけあって、街ゆく人々も基本は裕福そうに見える。
その足元でのこの人々。
この格差、このディバイドが今回のトランプ当選の起爆剤かと思うと、なるほど今の政治に対して不平不満を持つ人々はかなりの数に上るのだろうと思いました。