「ブライズヘッド再び」の余韻冷め遣らず、今度は吉田健一氏(吉田茂元首相のご子息なのだとか?)訳の
文庫本を読み始めています。
amazon見たらなんだかすごい値段になってるけど、かくいうアタシもその昔にヤフオクで競り落としたのよね(価格は失念)。
でさ、アタシは結局のところ、アンソニー・アンドリュース演じるセバスチアン・フライト卿(写真右)にやられているわけだけれども、溝口彰子著「
BL進化論〜ボーイズ・ラブが社会を動かす」を並行して読み進めていて、これってマジでBLの定型なのでは?と改めて思い至り。
だって主人公の一人(セバスチアン)がヨーロッパ貴族階級(イギリスの侯爵家の次男)で、死にはしないまでも彼はアルコールで破滅的な人生を歩み、二人とも美男子(下の写真参照)で、しかも背が低くてフワフワした金髪の方(要はセバスチアン)が(原作には描かれてはいないけれども)いわゆる「ウケ」で。
・テレビドラマ「ブライズヘッド再び」より

左:チャールス・ライダー(ジェレミー・アイアンズ)、右:セバスチアン・フライト(アンソニー・アンドリュース)
日本のBLの始祖とされる森茉莉がこの小説を読んだかどうかは分からないけれども、イーヴリン・ウォーがこの小説を上梓したのが1945年だから読んでいても不思議ではないな、なんて思いました(因みに吉田健一の日本語訳が出たのは1963年なので「「恋人たちの森」の発表よりは2年遅い)。
・BL進化論表紙

構図がもろ上の写真とダブるわー(妄想)。
そんな(どんな?)中、今日は仙台へ「
北 杜夫−どくとるマンボウの生涯−」を見に行ってきました。
いやぁ、よかった(^O^)。
何がってアタシの好きな彼の人となりがすごくうかがえる展示で。
今までも彼の企画展には何度か足を運んだことがあるんだけど、それが例えば「虫」の視点だったりして、確かに彼は「虫屋」ではあったけれども、小説家/随筆家としての彼が好きだった自分としては、どこか「偏り」を感じずにはいられなかったのよね。
けれど今回のは彼の抒情性やユーモア、それの根本になっている彼の家庭環境や交友関係がうかがわれて、思わずニヤリとしたりしんみりとしたり。
会場に滞在したのはせいぜい1時間ほどだったのだけれど、自分の来し方すらにも向き合える充実した時間でした。
で、改めて感じたんだけど、若い頃の北杜夫って本当にハンサムなのよね。前述の森茉莉も讃えてたらしいけれど。
その彼にアタシは恋してたんだな、って改めて思いました。
結局実物の彼にはお会いすることはなかったけれども、こうして一緒のときを過ごせる機会を与えてくださった関係者の方々に感謝なのでした。
牛タン食って寿司食って帰宅。

0