アップルのCEO、ティム・クック氏がゲイであることを公表したらしい。
時価総額でアメリカ一の企業であり、若者に圧倒的に支持されているこの企業のトップが同性愛者であることを明かした意義は非常に大きい。
今までも歌手や俳優でカミングアウトした人はいたし、彼ら彼女らは立派に一つのロールモデルとしての役割を果たしてくれている。
しかしその一方で世の中の殆どのLGBTは「堅気」として生きている。
これから世の中に出て行く青少年にしてもその大多数はアタシと同じように会社に入りチームの一員として働いていくだろう。
社会のとば口に立ったとき、ゲイの青少年が不幸なのは、身近にゲイの職業人の先輩を見つけにくいこと。
理想像を見つけることは上達の一番の近道だけれど、企業に入った後ゲイの自分がどういう人生を送るのかイメージしにくいし、またどのようにふるまい働いていけば業務上の成功を勝ち得るのかよく分からないのだ。
クック氏は"「人生における最も大事な問い掛けは『自分は他人のために何をしているか』だ」というマーティン・ルーサー・キング牧師の言葉を深く信じている"と語っているけれど、今回の彼のこの寄稿が彼の敬愛するキング牧師の言葉と同じように、ゲイの若者たちが生きていく上での礎になることでしょう。
個人的に最も共感したのは「豊かな人生」と題されたチャプター。
長くなるけれど引用しておくと、
"ゲイであることで私は、少数派に属するというのがどういうことか、より深く理解できる。他の少数派グループの人々が日々直面しているチャレンジを垣間見ることができる。これは私が他の人に共感する力を高め、より豊かな人生を私にもたらしている。難しいことや居心地が悪いことも時にあったが、自分自身であること、自分の道を進むこと、逆境や偏見に負けないことへの自信ができた。面の皮がサイのように厚くもなった。これはアップルの最高経営責任者(CEO)としては都合がいい。"
彼の言葉とアタシの言葉では重みが月とスッポンほども違うけれど、ここで時々書いているようにアタシも「ゲイ最強説」の持ち主。
今までsurviveしてきたのだから、少々のことではへこたれない自信が身に付いているのだ。
アタシの場合、彼の寄稿のように「同性愛者であることに誇りを感じる」とまではまだ割り切れない。
でもゲイだからこそ経験できたこと、学べたことは多いし、アタシってなんてラッキーなんだろ、と思うことはかなりある。
ゲイでよかった、とお仲間達みんなが言える日が来て、さらに、良かったとも悪かったとも思わないような世界が一日も早く訪れますように。
クックさん、あなたのお蔭で今日はとても良い気持ちで一日を終えることができました。
ありがとう。
日本語の全訳のリンクを貼っておきます。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NE956V6KLVRB01.html

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