ふと思いついて金沢へ。
マイルでは昼過ぎのフライトしか取れなかったのだけど、こういうゆったりとした旅行も悪くはないわね。
勢い行ける場所は限られてくるけれど。
小松空港から金沢へは空港バスで。
隣に座った大学生くらいの若者が小柄で可愛い。
こうして見るとやっぱり地方地方で「顔」というものがあるわね。
福岡顔、熊本顔、岩手顔…。
アタシの祖父は加賀の出身だったのだけど、どことなく在りし日の彼を思い出させる住民の方々もそこかしこに。
ホテルにチェックインして、まず向かうは長町の武家屋敷跡。
・路地の両側にお屋敷が立ち並ぶ
この町は観光に力を入れていて、沢山の公共交通機関が用意されている。
主な名所旧跡を周遊してくれるバスや、兼六園と金沢駅を結ぶシャトルバス、サイクルポートであればどこで借りてどこで返してもOKのレンタサイクルなどなど。
こういうの、京都もチャレンジすればいいのに。
話を武家屋敷に戻すとだけど、ここ、今も実際に市民の方がお住まいなのね。
先日訪ねた角館も風情のあるところだったけど、ここの地域も素敵でした。
中でも印象に残ったのが鏑木商舗という九谷焼のお店。
・看板代わりの提灯
ここで見かけた人間国宝の故・
三代徳田八十吉氏の焼き物が素晴らしくて。
釉(うわぐすり)が光彩を放っているのよね。まるで闇を切り裂く太陽のように。
思わず見惚れている自分がいました。
こういうとき、ウチの生業との縁を感じたりするのよね。
香林坊からバスに乗って大野という漁村に向かう。
・香林坊バス亭。バスが市民の足として活躍しています。
地元で旨いと評判の寿司屋があるそうなので。
しかしここの店がヒドかった。
ゲリラ豪雨の中、しかもバスの一日乗車券も使えない(これは自分の予習ミスだけど)寒村までやってきたのに、「よくいらっしゃいました」の一言もない。
主人は常連客とおしゃべりに夢中。
メニューに載っているネタは「今日は入荷しておりません」の連続。
せっかくの純米吟醸を頼んでも常温のコップ酒。
帰りも豪雨の中放っぽり出される始末。
1時間に1本しかない停留所なら、「バスが来るまで雨宿りなさいませんか」の一言くらい掛けんか。
確かにネタは新鮮ではあった。
・セットのお寿司
しかしこれが1万円に見合う味、サービスか。
常連らしい隣の客は下品に舌打ちしながら「ウマいウマい」を連発していたが、東京や京都なら、こんな店一発で淘汰されると思いました。
二度と来るもんか!
・寿司屋の外観。それなりに風情はあるのだが…。
気を取り直して片町へ。
・片町交差点。この賑わい!
盛り場ってやっぱり落ち着く(笑)。
雨は降っていたけれど、興に乗って犀川方面へ。
この川をじいちゃんはもう一度見たかったんだね。
柄にもなく来し方行く末を考えました。
・犀川大橋から下流を臨む
最後は行きつけのバーのマスターから借りた本に書いてあった
バーへ。
そういえばここのマスターもじいちゃんに似てるかな(笑)。
店で聞こえる言葉のアクセントも上方のそれで懐かしくもあり。
良いバーというものはどこの街にあっても自分の部屋のようにくつろげるものですね。
・お釈迦さんと修行僧も気持ちよさそうです。
すっかり気分を持ち直し、ホテルのサービスの夜鳴きそばを平らげた後は、屋上の露天風呂で若者の裸を堪能しつつ、金沢の夜は更けていったのでした。
・夜鳴きそば、てか、ラーメン。旅行だからいいよね?(笑)


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