先日実家の片付けをしているときに出てきたクッキーの抜き型。
母親や姉とこれでクッキー作りに勤しんでいたのは、小学校の中学年から高学年に掛けてのことだったかしら。
麺棒で延ばした生地を型で繰り抜いて、アーモンドを載せたり、アラザンをまぶしたり。
卵の黄身を溶いて刷毛で塗って焼いたら光沢が出るんだよね。
焼き終えたクッキーは、シリカゲルと一緒に「そばぼうろ」の缶に入れて、クリスマスやお正月みたいな家族だんらんの時間に開けてみんなで食べて。
懐かしい思い出の一つです。
でもなぜあのときにクッキーだったのかしら。
姉がお年頃を迎えていたから?
それとも単に巷でクッキー作りが流行っていたから?
思えば母親はよくおやつを作ってくれた。
卵たっぷりのプリンとかバターの香りがかぐわしいシュークリームだとか。
でもそれも母親が糖尿の診断を受けてからはめっきり機会が減った。
そんな中でのクッキー作り。
考えてみたら上に書いたようなお菓子よりは若干カロリーが低めかしら?
こまっしゃくれたガキだった僕は「バターをたっぷり入れたアイスボックスというクッキーはとてもさくさくして美味しいらしいよ」なんて無邪気に提案してたけど、今から考えると母にとっては大きなお世話だったかもしれない。
それにアイスボックスだったら、型抜きのような「家族イベント」にはなり得ないしね。
あのクッキー作りは母親にとっては一石二鳥の名案だったのかもね、なんて今頃になって思いました。
でもヒドいのは父親。
そんなアイデア商品を「まずい」の一言で片付けてしまい、その後クッキーは一度も作られることなく今に至る、みたいな。
でも親の話によると今は姉が姪たちと一緒にクッキー作りに励んでいるとのこと。
出てきた抜型も姉が持ち帰ったものの残りらしい。
姉のレシピもあの固いクッキーなのかしら?
味はともかく(笑)、あの楽しい時間を姉や姪が共有しているかと思うと、少し心が温かくなったのでした。

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