先輩プリマのリサイタルを聴きに恵比寿へ。
アリアもよかったし、先日市原愛さんの歌で聴いたシューマンの「女の愛と生涯」もとてもよかった。
プリマは自分で和訳した歌詞を歌う前に朗読してくれたんだけど、実際の歌い方も、ドイツ語なれど朗読のまんまで、これぞパランド唱法!と、独りでほくそ笑んでおりました。
でもいろんな「おんな」がいるものですね。
市原さんは良家の子女というか、良妻賢母っぽく貞淑な感じで歌ってくださり、これはこれで素敵だったし、一方先輩のはもっと親しみやすい感じで(市井の一女性みたいな)、歌詞の内容(恋して結婚して子供を産んで旦那を看取って)からしても、これはこれでこういう解釈もアリだなぁと感心しました。
しかしやっぱりシューマンはいい。
伴奏の方の曲紹介によると、フランス人は三大B(バッハ・ベートーベン・ブラームス)は大嫌いだけどシューマンは好きらしく、へぇ〜とか思ったけど、言われてみれば、シューマンのピアノには印象派の萌芽とも受け取れるような繊細な響きが感じられることも多いし、調性が一瞬にして移り行く様も(偶性和音とかいうらしい)、フランス人お得意の色彩感に通じるところもあるように思うので、言われてみればなるほどな、と思ったのでした。
でも彼の音楽の底に流れているものは、やっぱりドイツ的だとは思うけどね。彼が詩に歌を付けたロマン派の詩人、ハイネやアイヒェンドルフを持ち出すまでもなく。
惜しむらくは聴衆の質。
演奏の途中に出たり入ったり。
大きな音で着メロまで鳴らすばばあまでいて、怒りを通り越して笑いそうになりました。
でも世の中の音楽愛好家なんてこんなものなのかしらね。
これでいっぱしの音楽通を気取っているとしたら、噴飯ものだなと思いました。
先輩にもっと素養があってお金持ちのパトロンが付きますように(笑)。
夕方からは賢さんのお家で恒例の忘年会。
いつもながら人選が素晴らしく、初対面の方もそれなりにいらっしゃったのだけど、最初から旧知の間柄のように打ち解けられました。
初めて食べたトマト鍋もおいしかった。
あの〆のリゾット風雑炊はハマりますね。
楽しい時間をありがとうございました>賢さんはじめ参加者の皆様。

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