久しぶりの関西出張。
どことなく霞が掛かっているような独特の空の色に、故郷に帰ってきたことを感じる。
関西独特の柔らかさはこの空気感から来るのかしら。
電車の中も、職場でさえも時間はゆっくり流れて、東京のようにトゲトゲしいところがない。
・・・なんて、自分が大阪から離れたからそう思うだけだろうけど。
でも、昔馴染みのちゃんこ料理屋に足を踏み入れた時、女将から「お久しぶりですね。こちらに戻ってらっしゃったんですか?」と訊かれて、久しぶりに顔のある自分に戻ったような気がしました。
この店を訪れるのはおそらく5年以上ぶり。単に店員と客と云うお互いに名前すら知らない関係なのに、僕も彼女もお互いを「個」として認識している。
東京のオフィスではもう4,5年通い続けていても警備員が顔を覚えないというのに。
僕のようなマイノリティにとっては、東京はとても住みやすい街で、独身でいても基本的には放っておいてくれるし、誰もプライバシーには踏み込んで来ない。
しかしこれはもしかしたら匿名性と引き換えに得られたものではないか。
永遠のアウェー感、アウェー感に対するシンパシーを楽しんでいるだけではないか、なんてふと思いました。
終の棲家を東京にするのか、故郷にするのか。
答えはなかなか出ないようです。
帰りはスーフリ君(仮名)を京都のおばんざい屋に連れて行き、うまいもんを堪能して、終のぞみにて帰宅。

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