今日は完璧なるオフ日。
以前に一緒にシステムを作っていた方から
鶴岡八幡宮で行われるコンサートに誘われていたりもしたんだけど、このところ何かとお疲れ様モードなので、遠慮させていただくことにしました。最近やや付き合い悪しモード>自分。
その代わり自宅では年末の某結婚式に向けてピアノのお稽古。弾いていて自分でイライラしてきちゃうけど、毎日何分かでも鍵盤を触っていたら、そのうち感覚も戻ってくるよね、と甘い期待(笑)。取り敢えず今月末までには何とか形にしないと。
なんだか音楽熱に火が着いてしまったので、
さそうあきら氏の
「マエストロ」という漫画に取り掛かる。
さそうさんはこの6月に
二期会のリサイタルに行ったときにゲストコメンテイターでいらしてて、一度その作品を読んでみたいと思って早々に取り寄せていたのに、しばらくの間部屋の片隅で「積ん読」状態になってしまっていたのよね。忙しいと本当にダメです。
で、この漫画、不況で解散を余儀なくされてしまったオーケストラが、天道という謎の爺さんの指揮棒により復活を遂げていく話なんだけど、作品中で取り上げられているベートーベンの交響曲第五番「運命」をステレオで流しながら読んでいたら、なんだかとめどもなく涙が溢れてきてしまって。いや漫画でここまで号泣してしまったのはほんとしばらく記憶がないくらい。
アマチュアでへぼコーラスを歌っている自分からすると、音楽家の皆さんはいわば憧れの存在。子供の頃から意外と現実的で、将来は学者か教師なんて思っていた(しかも実際には会社員になっている)自分だけど、音楽に対する夢はなかなか捨てきれない。
でも学生さんならともかく、音楽家の皆さんもこの世で暮らしてらっしゃるわけで、現実にはローンを抱えてらっしゃったり、子育てが大変だったり、病気を患ってらっしゃったり。そしてその一方で、芸術を極めていくというのは、孤独でキリのない途方も無い道だったりして。
天才的な16歳のトランペッターに、先輩のトランペッターが言います。
「君のトランペットは野原を好き勝手に走りまわるコドモみたいなもんだ」。
そして「個性なんてものは後からついてくるものなんだ」とも。
僕が齧っている歌の世界では「歌は30歳から」と言います。
そして自分の感覚でいうと、本当に人を感動させる歌を歌えるようになるのには、もう少し年数を必要とするように感じます(バーブラが「イエントル」を歌ったのが41歳のときですもんね!)。
この漫画は教えてくれます。
音楽は人生の積み重ねなんだと。その人が重ねてきた年輪から音楽が紡ぎ出されてくるのだと。
そして、音楽は嘘をつかない、この世で一番美しいのは音楽なんだと。
There are not many things in life you can be sure of.
Except rain comes from the clouds, sunlights up the sky,
And music makes me cry.
(from "Everything must change")

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