以前から「この人は多作な人だなぁ」と思っていたんだ。「曲作りにおいてスランプっつ〜のがないんだろか」とか思っていた。あれからこれへと次々とプロジェクトを組んではそれぞれの組織において新曲で構成されたアルバムを発売しちまったりね。高校時代からの友人でもある有名男優は学生時代に彼のノートをこっそり見たら一冊まるまる歌詞で埋め尽くされていてビックリしたというような主旨の発言もしている。
そして彼は絵も描く人だった。今までの音源からもその絵画作品はジャケット等に使われていたしいろんな媒体で目にすることも多かった。ボクとしては「おもろい絵だな〜」って感じ。落書き的ニュアンスがすんごく強く感じられる絵だったんだ。つまり「よぉ〜し、傑作を作ってやる〜」みたいな感じで真面目に描くんではないような、ノリで描いてるような、ちょちょいのちょいで描いてるような感じ。だけど高いデッサン力が備わっているんで見てるこちらも納得させられてしまう・・・っつ〜。
そしてその絵を中心とする個展が東京・原宿で開催されてる事を先週土曜日に知った。「んじゃぁ明日行こう!」って決めて日曜日に行ったんだ。即対応型性格か。いやいやその日しかスケジュールが空いていなかったからさ。
行ってみてビックリした。想像はしていたがやっぱりビックリした。絵も多作だったんだ。そんな時間あるの?って感じ。バンドマン活動もあんな頻繁にやっててさ。オフの日ってけっこうダラダラするんじゃないのかな、バンドマンって。一般市民なボクらだってオフの日(休日の事ね)はダラダラしてるぜ、どいつもこいつも。若い奴等なんて意味も無く「だり〜だり〜」言ってるぜ。なのに彼は多作。ものすごい作品数。ペンでのちょい描きから油彩画まで。しかも油彩画の多くは大きなサイズのキャンバスに描いている。そして作品の中には子供の悪ふざけのようないたずら書きみたいなものもたまに出てくる。バックがしっかり描き込んである作品でもだ。やっぱり落書き的感覚か。
落書きってのは“そこ”に書く場所やスペースや時間や雰囲気、そして当人の意識があったから書いてあるんだ。それが“作品”かどうかはわからんがとりあえず“物体”や“痕跡”として存在するんだ。
次から次へといろんな事を感じるから。生活してるとね。
五感から感じた事を表現せずにはいられなかったんだ。きっと彼は。ボクの勝手な言葉のフィーリング的解釈なんだけど彼の表現って『芸術』っつーよりも『アート』って感じかな。
《個展 忌野 清志郎の世界》を観に行ったのさ。
会場はラフォーレ原宿6F ラフォーレ・ミュージアム原宿。
図録。絵の展覧会とか観るのが実はボク、好きでね。気に入った内容の展覧会だと一応図録を買うようにしてる。とりあえず買うんだ。案外それって記念碑的な匂いが強くて。ボクの場合。あれだよ、あれ。ライブのパンフレット買うのと同んなじだよ。
だけど滅多にその日以降の生活ん中でその図録を再見するという事はしない。今回は当然だけど図録購入したんだ。帰りの新幹線ん中でビール飲みながら図録をメクったんだけど見ててビツクリ。展示作品以外の作品もしっかり掲載されてるではないか!これは展覧会の図録というよりも彼の作品集的な色合いが強いっす。

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