ボクらが昨夜、探し当てたホテル。数あるライの観光名所ん中でも特にカメラのシャッターが切られる回数が多い場所のすぐ近くだったんだ。偶然にも。ラッキー。でも、場所が場所だけにやっぱり料金はグレイトだった・・・。
さて、短い夜は明けて、美味しいボリューム満点の朝食を取った後はチェックアウト。昨日の遅い時間での飛び込み宿泊を快くOKしてくれた30代のホテル・オーナー夫婦にボクらはあるプレゼントをした。葛飾北斎の浮世絵が印刷されてるマウス・パッド。「旅をしてると、いつか必ず世話になったり力になってくれる人に巡りあうはず。そん時にいかにもニッポン的なモノをプレゼントしよう!」って思いつき事前に購入しておいたのさ。案の定、若夫婦はビックリしながら喜んでくれました。
朝早い観光地にはまだ人もまばら。昨夜のうちに強引にこの町まで来ておいてよかったぁー。これが狙いだったのさ。
ライと言う街には石畳のような路地が幾つかあった。転がる石のように、旅行バックを載っけたキャリーを転がしながら坂道の路地を登ってゆくと♪ガッタ!ガッタ!♪って言うんだ。そいつは。まるでオーティス・レディングや忌野 清志郎のように。「愛しあってるか〜い?」ってふたりが坂の上からボクらに声を掛けてくれてる様な。そんな気持ちになってしまう街並み。ボクたちはふたりで「一緒に坂を上ってる途中です、今」って唄うんだ。オーティスと清志郎に向けて。声を合わせて。もちろん“坂”って言葉に“人生”ってモノを重ね合わせて唄ってる事にキミは気付いてくれたと思う。
昼過ぎにロンドンに向けて出発。16時間ぶりにビールを飲んだ。駅のホームで。
ロンドン市内で売られている週刊誌がある。『Time Out』という情報誌。ニッポンでいうところの『ぴあ』みたいなもの。ロンドン市内の音楽、演劇、映画、イベント情報が1週間分掲載。渡英初日に購入。9月17日〜23日号。すぐさまライブ・チェック。唸るようなライブを発見したが都合が合わず断念。オックスフォードに行く日だったからだ。そして数日後にまた購入。9月24日〜30日号。ページをめくる。ペラペラ。24日のライブ・チェック。ロック欄ではいいのが見つからず。「ついでにジャズも見ておくか・・・っと。ええっ〜〜〜っ!マジかよ!」あるグループの名前を見つけボクは飛び上がった。ぐぅ〜ん。バキっ!バキっ!バキっ!ホテルの天井を突き破り外気が頬を擦る空中に飛び出て、さらに上へ。ビック・ベンと同んなじっくらいの高さまで飛び上がった!だって見えたもん、水平方向にベンが。しかし空中に浮かびながらよぉ〜く見るとビッグ・ベンのでっかい時計の長針に何かがぶら下がっているようだ。「なんだ?あれは?あれじゃぁ時計が正確な時間を刻めやしないじゃぁないかっ!今日、ビッグ・ベンの午後5時15分の時報を合図にウォータールー・ステイションで、初デートの約束をしてるロンドンっ子だっているかもしれないのに!なんなんだ!そんな青少年少女の夢を壊すような仕業を仕組んでるのは!」そう思ったボクは自分の目を疑った「また、あいつだ!もぉ〜〜〜いい加減にしてくれ!俺の前にこれ以上姿を見せないでくれよ!」
みなさん、いい加減もうお解かり。そうっ!その通り!クールなイケ面イギリス野郎。あやつがベンの長針に腰掛けていやがった。クールに足を組みやがってね。くそう。おれがそっちまで行って浣腸してやるっつーの。そしてこれがホントの検ベンさ!
信じられないだろ。ホントの話さ。
《James Taylor Quartet / at Ronnie Scott's》って書いてあったのさ!Time Outには。
そしてついにその時がやって来る!ロンドンに午後3時過ぎに到着。イギリス滞在最後のホテルにチェックインした後は買い物。夕飯喰ったらロニー・スコッツへ行くのさ!
ライの街並み。石ころコロコロと地面の中。上の写真がみんなが写真撮る有名な坂道らしい。ボクも写真を撮ってみんなの仲間入りって事さ。
商店街付近の通りを歩いてたら民家の窓際で犬がひなたぼっこしてた。
「おぉ〜いいじゃん。俺が着てるシャツと似てるじゃん。ちょっと撮って」「はいはい」
もうまったく必要ないのに部屋まで持ち帰っちゃったよ、タイム・アウト。

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