ロンドンの南西部にあるサリー州という地域に行ったよ。
えっとねぇ〜どこに行ったかっつ〜とね〜たぶんおそらくパハップスお口に入れるのチュッパチャップス。うん、いいねぇーいいノリしてんじゃん、俺。俺たちが行ったのは、たぶんおそらくイギリス中の人たちに「どっかにドライブに行こう!つったらどこに行きますか?」ってクエスチョンしたとするじゃん。そしたら100人中100人が絶対に答えとして列挙しないであろう場所に行ったんだ。マニアックだら。いやいや、もの好きなだけかもよ?
我が最大の憧れ、ポール・ウェラーの出身地:WOKING(ウォーキング)とその近郊にある街:GODALMING(ゴダルミン)という街に行きました。ロンドンから行くのにはねぇ、これがまたカッコいいんだ。ザ・キンクスの大名曲『ウォータールー・サンセット』の舞台にもなったウォータールー駅から行くんだ。カッコいい。
ウォータールー駅に到着。チャックベリーグー。改札を抜ける・・・俺の身体に電流が走ったっ・・・!俺は身体にヤバイものなんて何ひとつ付けちゃぁいねーぜ。キャセイパシフィック航空のエコノミー観覧席の狭いシートでも隣席のイケ面イギリス野郎からの執拗なクール攻撃に耐え抜いたオトコだぜ!イェイっ!我に返ると正面の扉にオトコが片目を塞いで写っている。「おまえは・・・いやっ!失礼しましたっ!あなたは・・・アナタは・・・イギーさんじゃぁありませんかぁ!今でも上半身裸なんですね!髪型もワイルドでイカしてますっ!でもこんなところで広告の・・・」「ジュンちゃぁ〜ん!電車出ちゃうわよ〜!早くぅ〜!こっちぃ〜来てぇ〜っ!」家内のカワイイ声で目が覚めた。「そうだ!俺は今からウォーキングへ行くんだっ!そんじゃぁイギーさん、失礼しますっ!またお会いしたいですっ!」つってイギーにお辞儀をすると俺はホームに止まっている今にも発車しそうな列車に飛び込んだのさ!発車オーライっ!
ウォーキングに着いた。実は以前にこの街には来た事があるんだ。ひとり旅でね。理由はもちろん!最大に憧れてるオトコが育った街に行ってみたい。そして彼の代表作“スタンリー・ロード”というアルバムのタイトルにもなってるその路を訪ねたいっていう超単純なファン心理からです、そん時は。でも今回は違う理由からだったんだ。家内がどうしてもウォーキングに行きたいと。そしてゴダルミンにも行きたいと。
ウォーキング駅からちょっと歩いてバスに乗った。バスには老夫婦やらベビーカー引いた若婦女やら。平日だもん。月曜日だもん。街へ繰り出すのは職を持たない人が多く占める。これはハママツもウォーキングも同んなじって事さ。俺が生まれた街もウェラーが生まれた街も同んなじって事さ。って事は俺もウェラーも同んなじって事さ。ひょっとして俺達は腹違いの兄弟かもしんない。ウッヒッヒっ。
バスを降りてしばらく歩く。完全な田舎の町。横を歩く家内のニコニコした表情だけが俺の全てだったんだ。
ウォーキングの市内に戻りちょっと遅い昼食をパブでいただく。英国名物:フィッシュ&チップスとラガー・ビール。これで決まりだね。それからそれから、クラークスのデザート・ブーツが愛靴なのだがこれのクツ紐がボロボロで今にも切れそうだったんで駅近くの靴屋さんで替え紐を買った。備えあれば憂いなしってとこだね。
ウォーキングから更に南へ。電車に乗った。3分足らずのモッド・ナンバーが7曲分の距離にあるゴダルミンに着いたでごだる。決まりだね。
マンネリなんてクソ喰らえ〜なんて俺は思わない。マンネリでいいじゃぁないか。いつまでもこのままでいよう〜なんても俺は思わない。アクセル捻るのは道がそこにあるからなんだ。付かず離れずの感覚。この間隔。答えが出ないから離れられない。答えが出ないから一歩踏み出すんだ。この感じ。
生まれて初めて踏み入るゴダルミン。なんの観光スポットもない町で俺が見たのは普通に人が生活してる風景。月曜日の午後の景色。これが良かったんです。
さぁ時間さ。ロンドンへ帰らなきゃぁ。ゴダルミンの駅に戻るでごだる。改札に入ろうとした。やっぱり奴がいた。ハローっ!イギーっ!
夕方にロンドンへ戻る。そのままロンドンで電車乗り換え。1時間強の移動。この夜は通称:学生の街、オックスフォードで過ごすんだ。オックスフォードに着く。ホテルを探す。運良くやさしい老夫婦が営むB&B(朝食付き簡易旅館みたいなもの)に転がり込む事ができた。えっ?転がり込む?どういう意味か?って?今回の旅行、初日と最終日以外はその場その場で宿を探すことにしたんだ。すごいら。新婚旅行でこんな事する夫婦は少ないと思う。イェイっ!スリーコードできっかり決めるロックンロール・ナンバーも最高だし、メンバーの様子やライブ会場の雰囲気を見て変わってくようなロックンロール・ナンバーも最高!って事さ。
ホテルで荷物を降ろし夕飯を食べようつって街中に出て行ったんだ。パブでビールとサンドウィッチみたいなやつを食べて。1時間ほど後だったか、街道沿いをホテルに向かって戻っていったらすんごい人だかり。劇場みたいなタウンホールみたいな建造物の入り口にキワドイ衣装のお姉ちゃんふたりが台の上に立って入場を誘ってる。そして入場を待つヤングな若者たち。並んでる女のコもけっこうキワドイ格好。
「これが夜の学生の街か。おい!おまえら勉学しなくていいのか。いや、別にしなくたっていいよ。だって“欲望”なんて言葉が世界で一番似合うのがキミたち若者なんだから。さぁ!立ち上がれっ!ワコード共よっ!キミたちのヨクボーの野獣を野に放てっ!そうだ!放つんだぁーーーっ!ギャァ〜オ〜っ!」年甲斐もなく、いつの間にか興奮してるボク。まるで動物。俺は家内の存在を完全に忘れ、ひとり、そぉゴチてたんだ。
イギーよ、あなただったら彼らにどう言うんだい?
そうしてオックスフォードの夜は更けていった。
これがフィッシュ&チップス。以前に食べた時はお魚のフライが普通のコロモがついたニッポンのフライっぽかったのに今回は写真のような冬期に60歳過ぎの金持ちババァが羽織ってるようなセンスの無いコートを巻き巻きしたようなフライでした。チップスはニッポンで言うところのフライドポテトです。
見よ!見よ!この行列。このあほんだら学生どもを!あーーーボクもあの頃のボクに戻りたい・・・
さぁ!さぁ!さぁ!これです!これです!これです!
間違いなくイギー・ポップでしょ?この人。あなたはどう思いますか?こんなイギーを。さぁ今すぐロックのガイドブックを開いてみよう!インターネットで検索してみよう!“パンクのゴッド・ファーザー”って書いてあるはず。イギーの事を。ゴッド・ファーザーがこんな事してるぜ。コマーシャルで。でもね、正直な話、俺はメッチャクチャ嬉しかったんだ!アンダーグラウンドな匂いを放つ人や物が一般的な舞台に普通に登場するのって快感なんです。
もっと正直に言うとロットンだったらダメだったね。この広告。イギーって事に意味があるんだ!最高っ!

0