「コンっ!コンっ!」「はぁ〜いっ!ちょっとお待ち下さいませぇ〜!」
「あのぉ〜、ここら辺に鮎川さんというお宅は、ありますか?友達にこの辺りだって聞いたんで来てみたんですけど・・・」「あぁ、鮎川さんちね。先週、お子さん二人を奥さん方の実家に預けて、東京に行ったわよ」
「えっ!そうなんですかっ!もぉ行っちゃったんだぁ」「あの人達のお知り合い?」
「知り合いなんて、そんな・・・。鮎川さんがギターを弾いてらして、それで・・・」「あぁ〜あの背の高い方ね」
「そうです。180センチメートルです」「バンドか楽団、演ってらっしゃったの?」
「そうです。サンハウスっていうバンドでギターを弾いていた方です」「なるほど、そんな雰囲気あったものね」
「そうだら!かっこいいら!マコちゃん。」「だら?って、あなた浜松の方?」
「い、いや、違います。生まれも育ちも福岡です。両親が浜松出身なんで自然と方言が身に付いてるんです」「あぁ〜そうだったのね。でもマコちゃんって、あなた、友達みたいな呼び方するのね」
「ゴメンなさいっ!ついつい癖で、そう呼んじゃうんです」「でもあの方も礼儀正しい方だったわよ」
「そうでしたか・・・やっぱり」「そんで、あなたは、なんでここに?あなたも今、ギター持ってるみたいだし」
「えぇ、そうなんですよ。どうしてもギターの弾き方を知りたい部分がありましてですね。レコード何回聴いても解かんないんですよ」「あの方、レコードも出してたの?!」
「えぇ3枚出してました」「サンホームってグループで?」
「サンハウスですっ!」「あはは、ごめんね。”太陽の家”ってカキ氷、作ってくれそうね」
「息子の家ですっ!おねぇちゃんも持ってるでしょっ!」「えっ!あぁ〜その事だったの?もぉ〜いやぁ〜ね〜。お兄さん、中で紅茶でも飲んでく?ごめんね、レモン切らしちゃってるの」
「レモンなら持参してますよ」「準備がいいわね」
これは1978年当時の九州・福岡近辺で実際にあったであろうと思われる俺の空想。ギターを片手に旧鮎川家を訪れたのは淳之介というギター少年。おねえちゃんは旧鮎川家近隣のたばこ屋”椎名”の若女将・美保純似のマキさん。

『SHEENA&THE ROKKETS/ROCK THE ROCK』
2000年発表のシナロケのアルバム。もう6年も新作、出してないんだ。早く聴きたい。現役なんだから、リアルな作品を聴きたいんだ、俺は。
B.G.M.「THE SCRUFFS / WANNA MEET THE SCRUFFS?」

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