俺は働く男。
なんにもせずにはいられない。
せっせと作りせっせと動きせっせと寝る。
ずんちゃっちゃ〜ずんちゃっちゃ〜の三拍子で。
先週ほんとに久しぶりにレコード屋へ行ったのだ。周りの友達がみんな教えてくれたからだ。俺に。「甲本ヒロトが新作をソロで出すみたい」ってね。
それで行った。レコード屋へ。レコードを買いに行ったんではないんだ。レコードをもらいに行った。自分の稼いだお金で購入しようとしたわけではないからだ。
図書カードってのがあるんだね今は。会社でそれを頂いた。7500円分も。それを利用しようってわけだ。
初めて使う図書カード。
レコード屋へ行ってCDコーナーへ行く前にDVDコーナーへ寄った。今はいろんな映像があるね。ボーナス・トラックまで付いて。「なんでこんなすっごい映像が今まで発売されてなかったんだ」ってびっくり仰天しちゃうのも販売されてる。普通に。ニューヨーク・ドールズのDVDとストーンズのハイド・パークのDVDをもらった。図書カードと引換えに。
図書券やビール券と違って残りのポイントでも再利用可能なんだってさ。便利だなって思った。
部屋に戻って気が付いた。
ヒロトのCDを買い忘れてた。すっかり忘れてた。
ぼくうっかり。淳うっかり吉郎。
そして二日後。
「今日は忘れずに買うぜ」って仕事場からの帰り道で最寄のレコード屋へ行った。今日は自分のお金で買うのだ。ヒロトのCDを。
無かったんだ。ヒロトのCD。ブルーハーツ欄にもハイロウズ欄にもコ行欄にも。俺落胆。ぼくがっかり。
部屋に戻ってPCにて検索。タイトル確認の為。
「ほぉ〜『真夏のストレート』かぁ。ほぉ〜『天国うまれ』かぁ〜」「おぉ〜!」俺絶叫!ぼく叫ぶ!「7インチあるじゃんっ!」。
アナログ盤も発売されてたんだ。即電話。ザ・ハイロウズのねアルバム『DO!!The★MUSTANG』がね発売された時にねアナログ盤のね予約をね忘れていてね浜松市内のねCD量販店をね10店舗以上ね駆け巡ったのね。
そして遂に見つける事ができたお店へ。即電話。げんをかつぐ為に。
やっぱりあった。1枚だけ。「明日伺います」。
夕飯を作った。作りながら考えた。「お前それでいいか?」「今すぐ聴きたいだら?お前」「うん聴きたいよ。ぼく」「だったら行動しろよ。お前」「うん。おそうめん食べたら行くよ。ぼく」。
車を発車。淳うっかり吉郎。
明日行くという前言撤回うっかり吉郎。
うっかりの車は高速で目指す量販店へ。時速69キロメートルで・・・って言うと思ったら?みんな。違うんだなこれが。なんとうっかりは時速300キロメートルで走ったのだ。一般道を走ったのだ。なぜならうっかりの車はランボルギーニ・カウンタックなのだ。もちろんターゲット・マークのシールをバンパーに貼ってあるのだ。
店内に入りまずはDVDコーナーへ。うっかりは再びうっかりミスを企てる模様。しかし今日のうっかりはちょっと違う。
なぜならうっかりは本日うっかりミスを防止する為に自らの腕にタットゥーを入れた。マジックで。『ヒロト・ラブ』と。
タットゥーの効力もあり無事にアナログ盤購入。レジの女のコもカワイイ。うっかり御満悦。
部屋に戻ってレコード再生。
うっかり御満悦。
B.G.M.「甲本ヒロト / 真夏のストレート・天国うまれ」
両A面扱い。3分足らずの曲を1曲終わる度にプレーヤーんとこへ戻って再生。購入当日、30回この行為を繰返した男。それはうっかり。深夜まで繰返した男。それは私。私御満悦。
CDプレイヤーのリピートって機能は便利だと思う。図書カードと同んなじっくらい。
レコード・プレイヤーへ行ったり来たりの行動も便利だと思う。
突っ走ってるだけじゃ疲れるぜ。
ヒロトのソロ・シングルはそういう曲さ。最高!


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