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2007/6/26

6月の提言:戦略的コミットメントを再認識せよ!  ビジネス

最近、日本企業と海外企業との戦略的行動の差は、「戦略的コミットメント」を理解しているかどうかによると思うことがよくある。戦略的コミットメントとは、工場新設や新製品参入など、影響が長期間に及び「後戻り」できない意思決定をいう。価格設定や四半期ベースの生産数量決定など、後戻りができ、影響も短期間ですむ「戦術的」意思決定とは明確に区別されるべきである。一握りのグローバル企業を除いて、この点を認識しているのだろうか(注1)。

戦略的コミットメントが重要なのは、業界の競争環境に影響を与えるからだ。自社のスタンスからみれば、コミットメントを行うことによって競争相手の予想に影響を与え、自社を有利な環境に導くことができるのである。しかしながら、このようなコミットメントが有効に働くには、企業が競合他社の動きを予想しながら、合理的な意思決定を行うことが前提となる。だが、日本企業の場合、この「合理的に」という部分がどうもあやしいのである。

たとえば、ある企業(A社)が積極策に出て、新工場を建設するとしよう。この場合、競合他社(B社など)にも同様な動きがあると仮定する。A社のコミットメントによって、競争相手から期待通りの反応をえるには、次の3点の特徴が不可欠である。

1.目に見える
2.理解できる
3.信用できる

競争相手に目に見え、理解できるようにするには、先行的な工場新設投資計画を公表し、さらに積極策に対応した評価制度、報酬制度の導入を発表するなどの手がある。そして、A社がこうした積極策を実行すると競合が信じるには、工場用地買収契約の締結などのリスクを伴う動きが不可欠だ。A社がこのようなコミットメントを行うことで、たとえばB社は工場建設を断念して消極的戦略に転じ、A社はよりよい結果をえることができる(注2)。

上記のケースの場合、日本企業は往々にしてB社のような消極的戦略に転じることなく、A社と横並びの積極的戦略をとることが多い(たとえ積極策の予想キャッシュフロー、つまりNPV(Net Present Value:正味現在価値)が消極策に比べて少なくても)。その結果、低稼働の工場あるいは肥大した資産をもつ業界が多数出現したのである。具体的な業界をあげるまでもなく、読者のまわりをみると、いまだにこうした業界が現存していることが理解できるであろう。

他方、海外企業の戦略的コミットメントへの対応を誤り、積極的戦略をとるべきなのに、消極策に終始して後手に回ったケースも多い。たとえば、かつての半導体メーカーの設備投資の遅れが代表例である。また、ビール業界において、アサヒビールが新商品としてスーパードライを投入したケースも、戦略的コミットメントの観点からみると興味深い。筆者の試算では、キリンビールが可及的速やかに積極策を講じ新商品を投入していれば、二番手に甘んじることはなかったかもしれない。筆者のみる限り、キリンビールはアサヒの積極策に対して消極的戦略しかとりえなかったのである(注3)。

しかし、戦略的コミットメンは自社の行動に縛りをかける点に注意すべきだ。つまり、予期せぬ環境変化によって見通しが狂ったり、ライバルに手の内を知られて予想とは異なる反応に直面し、投資を回収できないリスクがある。効果的なコミットメントを行うには、先を見通し、相手の反応を見極めるプロセスが重要である。完全な予測はありえないものの、情報収集によって一層先読みの精度を上げてリスクを少なくすることは可能だ。

筆者はかつて経営トップの意思決定にゲーム理論を活用するよう提言したことがある。戦略的な意思決定が行われたと思われるケースも散見するが、まだ「情の経営」から脱しきれていない。筆者は「情」を全否定するつもりはない。だが、戦略的コミットメントをはじめ「戦略的行動」とは何かを再考し、意思決定にかかわる部分では「理の経営」へと変身してほしい。それが企業の意思決定の質を高め、内外の競争環境に生き抜くための課題だと思うからだ(注4)。

注1:
戦略的コミットメントに関して詳しくは下記を参照。

デイビッド・ベサンコ他(奥村昭博+大林厚臣訳)『戦略の経済学』(ダイヤモンド社、2002年)

注2:
読者の読みやすさを考慮して、ゲーム論等の理論的説明を省き、厳密さを無視して直観的な解説のみとした。厳密な論理展開に興味のある方は前掲書(pp.281-305)を参照のこと。

注3:
日本の半導体メーカーの大型設備投資の遅れに関しては、当時の間接金融の流れの中で銀行の担保ベースの融資姿勢にも問題があったとする見方もある。

注4:
ゲーム理論の活用に関しては、2004年10月の提言『意思決定にゲーム理論を活用せよ!』(こちら)を参照。
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2007/6/20

株主総会の集中日  日記

今日品川駅周辺のホテルでは、KDDIやソネット(ソニー系のプロバイダー)などが定時株主総会を開催していました。例年6月の最後の週の木曜日が3月決算企業の集中日(今年は28日)ですが、最近では大分分散してきたことを実感します。

東京証券取引所のデータによると、3月期決算の上場企業1823社のうち、集中日の28日に開催する企業は52.9%の965社だそうです。昨年に比べて2.6ポイント減少し、ピーク時の95年の96.2%から12年連続で減少しています。

それでもまだ半分以上の企業は、集中日の株主総会を開催しているのですね。このように総会が集中したのは総会屋対策の一環だったわけです。今でも多少は総会屋の動きもあるようですが、当局の締め付けの強さを考えると大分安心できるようになりました。それなのに、まだ過去の前例に倣ってか半数強が集中日を選択するとは驚きを禁じえません。

株主総会を集中日に開催するようでは、いくら「ステークホルダーのために」といってみても、あるいはCSR経営を標榜しても、クエスチョン・マークがつきますね。本気で株主を含むステークホルダーのことを考え、真剣にCSR経営に取り組むのであれば、少なくとも年に一度の株主総会においてできるだけ多くの人に集まってもらい、説明責任を果たすべきだと思います。

むしろ集中日を避けた5割弱の企業を褒めるべきかもしれませんね。そして、個人株主が参加しやすいように週末に総会を開催する大和証券グループ本社や化粧品のファンケルなど39社に注目すべきですね。

いずれにしても、日本企業も遅々としたテンポではありますが、少しづつ変化していることは確かです。さて、来年はどうなるのか。来年に期待したいと思います。
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2007/6/17

猫族と犬族  日記

世の中に動物好きは多いですが、大きく猫族と犬族に分けることができるといわれています。asktakaは子供の頃から犬を何回か飼っているので、恐らく犬族だろうと自負していました。ところが、最近どうも自信がありません。

というのは、ワイフの実家は動物好きで最近まで犬と猫を飼っていました。昨年老衰で犬が死んでから、十何歳の猫が残ったのですが、その猫も少し前に死んでしまいました。そこで、猫好きの義母と義弟が次なる猫を物色して、ようやく近所の薬屋さんから生後間もなくの子猫をもらってきたのです。

木曜から親戚の不幸があって両親が家を空けることになり、義弟も出張(?)で海外に出かけているので、金曜の夜猫の小守に東京の郊外の実家に行ってきました。何せ子猫ですから、結構手がかかるし、外に出たことがないので自分でえさを確保する術を知らないのです。そりゃそうですね。母猫の母乳で育ってそのままペットフードを食べているのですから。

そんなわけで、金曜日の夜から土曜日にかけて猫の小守で大わらわでした。リビングのソファーに座っていると、甘えておなかの上や頭の上に登って遊んでいるのですが、なかなか可愛いものです。それとまだ生後50日ぐらいの子猫ですから、起きているときは落ち着かず動き回っています。下の写真は、asktakaのお腹の上で遊んでいるところを携帯のカメラで撮ったものです。可愛いでしょ!

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可愛いのはいいのですが、しばらくすると、眼は痒く、鼻水は出るはで、asktakaの体に変調が生じました。以前の猫はだいぶ慣れてきた上に、客間二部屋を占領して食事など必要以外は猫のいる空間と遮断していたせいか、このような現象は生じませんでした。子猫の体毛は少ないので問題ないと思いきや、眼鏡をみると小さな子猫の毛が何本か張り付いていました。やはり猫の毛アレルギーは健在で、asktakaは猫を受け付けない体なんですね。実家を出て新宿駅に到着するころには、すっかり症状はおさまっていますからね。

とはいえ、前の猫もそうですが、猫たちはasktakaにまとわりついてくるので、自分は犬族だと思っているけれど、猫族でもあるのかなと考えてしまいます。ワイフいわく、asktakaの体温が高いので猫は寒くなると暖房代わりに寄ってくる、とかいっています。本当かな?猫は猫好きなasktakaの本性を見抜いているような気がしますが・・・。

今度いつ子猫に会えるか分りませんが(多分8月かな?)、その時は以前と同様な籠城体制で、あまり猫に接触せずに少しだけ遊んであげるしか手はないのか。
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タグ:   ペット



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