
画像中央に、4階建ての建物が見える。今回は、ここで面接を受けてきた。マンション系の修繕工事の仕事だ。
朝の9時に目的の会社に到着。従業員50人ほどの、地元では中堅どころの建設会社の社長が直接面接してくれた。私はこの社長の面接に、度肝を抜かれた。
「今までどんな仕事をしてきましたか?」とか、「前の会社を辞めた理由は?」とか、聞かれるのが通常の面接であろう。
この会社は違った。そんなありきたりの質問は、最期まで一切なかった。
いきなり、血液型は?身長は?エクセルは?ワードは?酒は?タバコは?と、ポンポンと矢継ぎ早な質問を受ける。変わってる。
次の質問で私は、「はぁっ?」と聞き返した。
「Do you speak English?」との質問を受けたのである。
私は、ズーッと建築の仕事をしてきたが、今まで英語の能力を問われたことはない。必要なかった。世界に事業を展開している、スーパーゼネコン以外は必要ないと思う。
まして、四国のマンションの修繕工事である。
私 「英語でしょうか?英語は、全くできませんが・・・。」
社長「英語は使えないか。だめだよ、あなた。英語をつかえるようになりなさい。」
私 「・・・・・・・・・」
その後社長の話を聞いていくと、その意図は分かった。以下に記すことは、この社長の主張するところである。
今後少子高齢化の日本は、中国人やフィリピン人などが大量に移民してくるから、英語力が必要だというのだ。
英語ができない人間は、彼ら移民を管理する仕事に就けず、彼らと一緒に労働するしかない。そうなれば給料は、6万円くらいになるはずだ。5年後の日本は、必ずそうなる。
「君は、6万円で生活したいかい?否、だろう?ならば、英語を学びなさい。」
また、アングロサクソンの生活スタイルは、今後益々進む。
建築工事も、日本独自のやり方より、アングロサクソンがやっているやり方が主流となる。工夫するより、彼らの真似をそのままやった方が合理的である。
例えば、マンションの外壁 塗装。日本だと何十メートルという巨大な足場工事が必要で、これに塗装代に匹敵する高額の費用が必要。
欧米では、足場など組まず、ゴンドラの小さいようなものを使って、塗装している。約半額でできる。つまり安くすみ、合理的だ。
お客さんも、安いので喜ぶ。
「我がグループでは、もうすでに欧米の改装工事のノウハウを取り入れており、また日本の十分の一の値段の中国製の安く優秀なキッチン、水栓金具等を大量に輸入し、すでにやってる。」
あなたも当社で働きたいならば、英語を覚えなさい。
「もし入社したら、少なくとも1年半以内には覚えてもらいます。欧米の彼女を口説きに行きなさい。そうすれば1年かからない、簡単だよ(ニヤリ)。」
とのこと・・・。
面接は1時間半ほどの長時間だったが、この間ズーッと、社長のアングロサクソン話と、これからの日本社会の変革話が続いた。
人というのは面白い。
創業社長ってのは、実にいろんなことを考えながら生きているのだ。
あなたが毎日乗ってる電車の中で、隣の席に黙って座ってる人も、どんなことを考えながら生きているのでしょう?
それはともかく、私はこの会社もダメでした・・・。
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