なんか、ここんとこ濃いネタが多いような気もするが、まあ、自分はやはりそういう人間だと
言うことなのだろうか?
昨日は「ウルトラマンを創った男」飯島敏宏さんを迎えての上映会&トークイベントに参加
してきました。
急な話だったのでここ数日の間で「ウルトラQ」から「ウルトラマンマックス」までの飯島さんが
手掛けられた円谷作品をずうっと観直してました。
昨日上映されたのは「怪奇大作戦」から「霧の童話」、「ウルトラセブン」からは「セブン暗殺
計画」と飯島作品ではありませんが今年、急逝されたソガ隊員の阿地波信介さんを偲んで・・・
と言うことで「ひとりぼっちの地球人」でした。
近年、デジタルな技術で映像も音声もとってもキレイになったソフトでの鑑賞が容易になった
これらの作品ではありますが、16ミリのフィルムでそれなりに大きい画面で観ると言うのは
また違った感動がありました。
飯島さんが花粉症になられてしまったと言うこともあるのか、「怪獣のあけぼの」(DVD)で
見た時よりほんの少しお歳をとられたように見え、トークでもあまり大きな声は出されませんでしたがキャパの小さな会場でしたし、話が進むと気にならないほどお元気に話されていました。
以下、お話の中で記憶に残った事を書き記しておきます。
メモ、録音等とってたわけでは無いので正確さは保証出来ませんし、その場にいなかったら
わかりにくいのもあるかも知れませんが。
また、既に他のメディア等で語られてる事も多いかも知れませんけど。
「時代劇、それも歴史劇じゃ無くてチャンバラものが大好き!」
「テレビの創世記は生放送だったので自分の手掛けた作品も残ってないのが残念」
「怪奇の頃は他のスタッフもマンやセブンで実力をつけてきて昇格し、自信を持って作っていた」
「セブンには最初、関わっていなくて他の仕事をやってたけど、番組の対象年齢層をあげたぶん、
難しくなってしまい、人気が落ち(それでも凄い人気ではあったけど)、人気を回復するために
呼び戻された」
「Qの頃は面白がって見ててくれた山田洋次監督がセブンを見て”飯島さんがミリタリーの匂いが
するものに関わるとは思わなかった”と言われて絶縁された」
「それまでのセブンを見たりはしなかったけれど企画書を読んで基本設定を守って作った」
「カプセル怪獣のアイディアは素晴らしいが、結局”前座”で”やられる”事が決まってて、
そっちに時間とられると主役の活躍場面が減っちゃうので使いづらかった(他の人もそうだった
みたい)」
「古谷敏さん(ウルトラマンの中の人)が「顔出し」で役をもらえて本当に嬉しそうだった。
今、こうやってフィルムを見てもアップのシーンとか本当に嬉しそうだし、現場でも始終嬉し
そうだった」
「本来、研究開発はアマギの役回りだけど、(撮ろうとすると)どうもイデになっちゃうんだよね」
「ちゃんとセブンを撮ったつもりなんだけど、やっぱり「ウルトラマン」の感じになっちゃう。
回りの人にも言われたし、自分でもそう思う。マックスの時も結局そうなんだよね」
「確かにアンヌのアップは多いけど、特別な感情があったわけじゃない、女優さんを綺麗に
撮ってあげるのは当然でしょ?(笑)」
「セブンを十字架にかけたのには特に宗教的な意味はありません。後々、キリスト教の絵とか
いろいろ見たけど何だか残酷な感じがするんだよね。 クリスチャンの方がいらっしゃったら
申し訳ないけど・・・、実相寺に撮らせたら大仏にしちゃうんじゃないかな?」(場内大爆笑)
「”白い顔”は恐い、”壁抜け男”は気持ち悪い」
「”壁抜け男”は第1話のつもりで撮ってたわけでは無いし、第1話になるので付け加えたり
変えたところは無い。SRIの説明とかが入ってたりしてそう見えるけど」
(「子供をレギュラーにするつもりでしたか?」と言う質問に対して)
「子供好きなんだよ〜。番組の枠も子供向けだったし・・・」
「高野くん(後のバロム1とかキリエルの人)は可愛いかったね。ただ可愛いだけじゃなく
哀愁があるんだよ。走ってく背中だけでも見事に表現が出来てる。」
「あの小学校は「地底超特急西へ」(ウルトラQ)の小学校とは別の所ですよ。(笑)
Qではそんな遠くまでロケには行ってない。」(と、当時のロケ地名をあげられました)
「冒頭の蒸気機関車は向こうのダイヤに合わせて撮ったけど、蒸気はこちらの指示で出して
もらった。でもあれやると馬力が落ちて急勾配とか登れなくなっちゃうんだよね。(笑)
ずっと待ってたのになかなか来なかったりなんかして。」
「”霧の童話”の鎧兜や小道具は黒澤組から借りてきたもの。」
「怪奇大作戦」セカンドファイルは見ました。ウチには何の話も来なかったなあ。
やっぱり実相寺に撮って欲しかったな。もともとそういう話だったし、、」
「”ウルトラの揺り籠”(DVD)は作っておいて良かったね。あれから亡くなった関係者も
多いし・・・・」
「ケムール人はパラレルワールド、バルタンは人間の未来と言う感覚」
「バルタンの事を考えていくとやはり人間もああなっていっちゃうんじゃないかなあ?と
言う恐ろしさがある。そういう事を反面教師として警告しに来てる。」
「今後も機会があったらちゃんとバルタンの事を描いてみたい」
『今日のお客さんのように中年(苦笑)の方は満足されないかも知れないけど、子供・・・
中学生位までの子が見て理解できないような(大人にならなきゃわからない)ものは作らないし、
作りたくないんだ。』
*御自分がやってるのはあくまでもいわゆる「プログラムピクチュア」なんだと言う感覚での
発言が多かったように思います*
場内のお客さんからの質問に答えるコーナーもありましてー、
飯島監督作品を見直しててケムール人、バルタン星人、ガッツ星人の特徴的な動き
(手をブルブル震わせたりする)のが気になってたので「宇宙人にも演技指導するのですか?」
とまるで小学生のような質問をしてしまいましたー。(苦笑)
「基本的に格闘など着ぐるみだけのシーンは特撮の監督の担当だけど人間との芝居の絡みの
時は当然やります。高野(特技)監督の時は一緒に付いててやった。
的場(特技)監督はそういうのやんないで”怪獣の殺陣師呼んでこい!”って言う人だった。
当時はそんな人いないのに(笑)だからバルタンとか結構、考えましたね。
ウルトラマンのスペシューム光線とかもどうやろうか?って、苦し紛れな感じでしたよ。(笑)」
*また「Q」の頃はとにかくハイスピードで撮って重量感を出そうとしてたけど慣れてくると
ノーマルでも十分な事がわかってきていろいろ工夫するようになっていった、と専門的な話に
至るまで御丁寧に答えていただきました。
上映会とトークの後はすぐ近くのもんじゃ焼きのお店で懇親会がありそちらにも参加しました。
そのお店ではいつもその上映会の後での懇親会に使われているようで、その手の関係者のサインが
ズラ〜リと並んでおりました。
金子修介さん、螢雪次郎さん、中田秀夫さん、丹波義隆さんなどはすぐわかりました。
またひし美ゆり子さんと桜井浩子さんのが一枚に書かれたのもありました。
特に席が決められてたわけでは無いのでとりあえず座ってたら、隣の隣に飯島さんが来られて
驚いたと言うか緊張したと言うか、どうしょうか?と思いましたが、すぐ隣に座ってた方が
デザイナーやイラストレーターの岡本英郎さんだったのがわかった時にも驚きました。
サインをお願いしたら「仮面天使ロゼッタ」の横顔のイラストまで描いてくれました!
またすぐ近くにいた方が「てれびくん」の超全集シリーズを作っておられる方だったりして
「単なる一般人の自分がこんなとこに居ていいのだろうか?」と一瞬思いましたが、考えて
みたら「そういう人のための懇親会なのだ」と言う当り前の事実にすぐ気が付きました。
飯島さん達が帰られたあともしばらく他のお客さんともお話していましたが、なかでも20代の
ゴジラファン(「VS」シリーズの世代ですね)とお話するのもそうそうある事でも無いので
なかなか面白いモノがありました。
*文中、わからない単語のあった方は御自分でお調べ下さいませ。不親切でスマンです*

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