いよいよ最終回!第52話「大晦日の幸福」
納豆マンの納豆菌によってより強力になった「地獄に彷徨う暗黒の魂」を手に入れたディアブルは
それをモモコに飲ませて彼女を「暗黒の民」へと変貌させようとした。
「暗黒の魂」を飲まされたモモコは「暗黒プティット」へと変身、正体を知り驚いたディアブルは
「より強き暗黒の民となりてポワトリンを倒せ」とさらにパワーアップさせるが、「想像を越えた
暗黒の民」となったプティットはそのパワーで暗黒世界を崩壊へと導いた!!
この時期、実写テレビシリーズの細かいエピソードに石ノ森章太郎先生が関わっているとも思えず
また浦沢義雄大先生が石ノ森漫画をちゃんと研究しているとは思えない(勝手な推測なので違って
たら御免なさい!)のだが漫画「キカイダー」の最後で「悪の心を持ったキカイダーが破壊光線で
兄弟すら殺せるようになった」と言うくだりを想起させるような「石ノ森ヒーロー」らしい顛末に
なっているのが素晴らしい。
(まあ、普段の話も”くっだらない事が原因で怪人となってご町内に迷惑をかける者と戦う”
「ゴレンジャーごっこ」みたいと言っちゃえば、そうなんですけど・・・)
暗黒世界を破壊しつくしたプティットは、さらにユウコを狙う。
攻撃を受けながらなんとかポワトリンに変身するユウコだが、プティットの正体がモモコだと
知らされては思うように戦えない。
プティットがモモコなら大好物の「クリームあんみつ」に弱いはずだとコスモマジックでクリーム
あんみつを出し「食べている時の幸せな笑顔」を思いださせようとする。
思惑通りプティットが思い出しかけた隙を突いて刺激を与え、「暗黒の魂」を吐き出させた。
「暗黒の魂」は次なる宿主をディアブルとした。
ポワトリンと正気を取り戻したプティットは協力して「ダブルスペシャル虫下し」でディアブルの
体内へ入り込み「暗黒虫退治」で「暗黒の魂」をついに撃退する。
そして例のオルゴールを聴かせてディアブルの少年時代を思い出させるのであった。
回想場面では彼の家は昔の普通の民家で母親も昔の普通の母親であり、彼自身も顔に銀のマスクを
付けている事以外は普通の少年で「大きくなったら偉いお坊さんになるんだ」と木魚の練習に鍋を
叩き、その事を母親に叱られふてくされる姿が見られました。
「あの頃を思い出して、もう一度、仏の道に進むのです」
ポワトリンの言葉に泣き崩れるディアブル、、、、永い戦いは今、終わりを告げたのだ。
だが、喜んでばかりはいられない、神様との約束で正体を知られたモモコはザリガニにされて
しまうと嘆くのであった。
そんなモモコに「あなたひとりをザリガニにするわけにはいきません」とユウコも神様との約束で
カエルにされるのをかえりみず、自ら正体を明かすのだった。
こう書いてるのを読んでるだけではなんだか滑稽にも思えるけど、姿形が変わってもお互いを想い
合おうと姉妹で愛情を確かめあい、不安と悲しみをたたえた表情で抱き合う美しい姿は感涙必至の
名場面でもあります。
(こういう台詞の表面上こそ馬鹿馬鹿しいけれど、その実、結構、美しかったり哀しかったりする
人間の心情を描かせたら、やはり浦沢大先生の右に出るものはいませんね)
とてつもなく物悲しいBGMの流れる中、ふたりは苦しかった戦いを思い出すのでした。
そんなふたりの前に神様の使い(奥村公延さん)が現れます。
「暗黒の世界が崩壊したので、もう宇宙とご町内の安全と平和を守る必要が無くなった」ので
「ふたりが変身する能力を消し、カエルやザリガニにならなくても済む」と告げに来たのです。
(このシーンで神様の使いを急がせる男は番組を立ち上げたものの異動で途中から離れてしまった
フジテレビの原岡健一郎氏だそうです。)
そして ー大団円ー
大晦日、ポワトリンクラブの面々と村上一家が餅つきをしているところにディアブルから手紙が
届きます。
「改心してお坊さんになったので除夜の鐘をつくからみんなで来て下さい」と言うお誘いでした。
皆でお寺を訪ねると、そこには銀の仮面以外は普通に袈裟を来たお坊さんになったディアブルが
笑顔で迎えてくれるのでした。
ディアブルのついていた鐘をポワトリンクラブのメンバーやモモコ、そしてユウコがかわるがわる
つきます。
いろいろおかしな人々やへんてこな事ばかりの一年は去り行き、また新しい年が訪れます。
彼女達にとって新しい年はどんな一年になるのでしょうか?
そんな余韻を残しつつ番組はクロージングへと・・・・・
と言うわけでついに終わってしまいました。
「ディアブルが仏門へ」と言う意外な結末に脚本家の思想的なものを邪推する方がもしかしたら、
いらっしゃるかも知れませんが、最終回放映日が12月30日と言うことで、最後に「除夜の鐘を
つかせてみたら」・・・ただ、それだけの事なんだと思います。

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