第13話「秘密のニセ札工場」
テレビランドや漫画本でいっぱいのシンスケの部屋
「マンガ日本の歴史」「マンガ日本経済入門」「ザ・スターボウ」サンコミックス「佐武と市捕物控」秋田書店豪華版「サイボーグ009」KCスペシャル「リュウの道」もある。
「一寸法師」「天狗のかくれみの」なんてのもレアなのでは?
石森プロに協力してもらったのであろう事情は察せるとしてもセレクトがシブいぜ。
って言うか、「ザ・石ノ森章太郎」(アニメや実写など映像化された石ノ森作品をまとめたもの)、「漫画進化論」(ダーウィンのアレではない、石ノ森先生と大物漫画家たちとの対談集)なんてものまであるのでシンスケって「マンガ好き」って言うよりは「石ノ森マニア」なのでは(笑
(余談だが1987年の「仮面ライダーblack」が石ノ森先生の少年漫画誌における最後の連載作品であり「ポワトリン」当時の小学生の部屋が石ノ森漫画まみれと言うのには違和感を禁じ得ない、あそこには「グリングラス」もきっとあるはずだ)
買い物に行かされるシンスケは途中で出会ったユウコにゆっくり漫画を読める場所を尋ねる。
ユウコに「そのねえちゃんって言い方やめて」と言われても「タクトんちのねえちゃん」と続けるシンスケとのやりとりが特に意味も無くお話にもカンケイないがなんとなく微笑ましくって好き。
ユウコに言われたとおりにホントに川の上流に行くシンスケだが古典的なギャングスタイルの怪しい男たちに捕まってしまう。
イガクリスタルがありそうないつもの洞窟、そこはニセ札工場であった。
しかし、子分たちは「出来上がりが美しくなるように」と印刷機に洗剤を入れるようなバカ連中、当然、印刷機は故障しちゃうのであった。
嘆く親分の姿が「父ちゃんにそっくり、ほっとけない」そして「漫画で印刷の事を知ってるから役に立つ」とシンスケ
浮かぶイメージ「マンガ印刷術入門」一光書房(たぶん撮影用に部分的に作ったものだと思うけどどうせなら中身が石ノ森タッチならよかったかも)
シンスケ「ひとり静かに仕事がしたい」
親分「いいなあ、そういうの文学的で」
素直に散歩に出るギャングたちと入れ替わりのように入ってくるタクトたち
親分「オゾンいっぱいの空気をを吸ってすがすがしいな」
子分「あとは肉まんさえあれば」
タクトんちから母親に電話するシンスケだが「ぶん殴る」と怒る母親に逃げ出してしまう。
シンスケを連れ戻しにくるギャングたちだが理由が「ニセ札」云々より、まず「堅気の小学生を信じた自分が馬鹿だった」と荒れる親分を心配してってのが面白いね。
そんなシンスケたちを見かけたユウコ「あの連中只者じゃないわ」(見ればわかる)
「このままではシンスケくんが犯罪者になってしまう」とギャングの幹部にオリュードする
こんなのいたっけ?と考え込むギャングたち、さすがに怪しいことに気付く親分だったがすでに「ていねいな挨拶をしてお帰りになられました」後だった。
修理された印刷機から出てきたお札にはポワトリンの写真が!!(ルパンかよ)
さすがにマジ切れする親分はシンスケに暴力を振るう
シンスケ「お前なんか父ちゃんにそっくりじゃない!」
確かにさっきまでのどこかとぼけたところはどこかにいっちゃった。
ポワトリン登場!名乗りの口上にややエコーがかかってるのが(E)=カッコいー
あっと言う間にギャングたちを倒し印刷機を爆弾で吹っ飛ばす過激?なポワトリン
ま、お約束っちゅうかギャングたちはいかにもコントって感じのボロボロになるんだけど更にベタな「このゴミは警察署行きです」と『粗大ごみ』の立札を立てられちゃう。
「漫画で得た知識は正しいことにお使いなさいませ」の言葉を残し去って行くポワトリン
迎えに来た母親に駆け寄りすがりつくシンスケ、愛しい我が子を抱え込み何かを告げる母親(音声はOFF)
そんな美しい光景を目にして微笑むタクトたち、そしてそれを観てほほ笑むユウコ
なんとなく感動的なラストシーンに目を眩まされたような気がしないでもないが正直なところどこか物足りない。
ふくらまそうと思えばふくらませる要素が無いワケでもなかったのにわりと真っ当な展開、悪く言えばこのシリーズらしい飛躍に乏しいのよね。(なんかえらそうですいません)
ニセ札作りの理由も儲けた資金で全国一の広域暴力団にのしあがろうと言う至極真っ当なものだしー子分たちの馬鹿っぷりも古風な感じだしー、何よりも親分とシンスケの関係をもうちょっと何とか出来たのではないかと思うのですが、どうでしょうか?(訊くな)

1