第4話「ナポレオンの亡霊」
いよいよ新井礼子の登場です。
なんと最初はタクトたちの「憧れのマドンナ」的存在だったのですね。
皆が「初恋は新井礼子にする」って言うのを聞いてしまったユウコは「あんたたちの初恋はワタシじゃなかったの!」と詰め寄ります。
ケンジが正直に「あの時はケーキが欲しくて」と言っちゃうのでさらにヒートアップするユウコ、笑っちゃう場面ですがユウコとタクトと仲間たちが昔から仲良くしてたと言うのが感じられて好きです。
改めて言う事でもありませんが新井礼子、とんでもないキャラクターですね。
求愛者に無理難題をふっかけると言うのは「竹取物語」なんかが根底にあるのかも知れませんが新井礼子が求める物は劇中に実在し、やっかいな事件を引き起こします。
整った顔立ちですが表情が乏しく(依頼をする時に笑顔や泣き顔を見せるので無いわけではないが)抑揚の無いトーンで淡々と喋る様子がどこか不気味ですらあります。
しかし、よくこんなにハマる子役の娘見つけてきたものです。もしかしてこのキャストありで書かれたのかも知れないし、撮影現場でイメージを固めていったのかも知れません。
「病で苦しむ乳母を助けたい」と言う大嘘までついて新井礼子がタクトたちに頼んできたのは「ナポレオンのワイン」、不老不死の効用があると言うのです。
戦時中の旧新井家の描写、時代考証的なことはわかりませんが雰囲気は出ていると思います。(関わったスタッフの意地みたいなものすら感じさせます)
なんとなく横溝正史シリーズみたいな感じもありますね。
ところでナポレオン役のマイク・ロジャースさんて誰?何やってた人?どっから連れてきたのでしょう?
現在、検索したらまずスポーツ選手の方が出て来ますが絶対違うひとです。
あとマルチメディアプロデューサーの方がいらっしゃって「1984年から日本で活躍」とかあるのでこの方でしょうね。(経歴にポワトリン出演の記述は見つけられず)
そんなマイク・ロジャースさん、何を考えながらナポレオンを演じていらっしゃったのでしょうか?
ナポレオンが登場し「フカノウノモジヲカエセ」と先々代の旦那様の愛人(!)に詰め寄る場面なんてもう最高です!!
「あたい学校行ってないからそんな偉いひと、知らな〜い」「やあだ、もおう離してよお〜」
台詞や演じる女優さんの演技からしてなんか「愛人」と言うものに対する偏見が透けて見えるようです。(爆
しかし、直後に彼女が仕事にも忠実で堅実そうな現代の新井家の乳母の実の母親だと語られるのは衝撃的です。
この乳母の人生が劇中語られることはありませんが、とても壮絶なドラマがあったのではないかと思わせます。
「フカノウノモジヲケズッタノハオマエカ〜」と襲いかかるナポレオンに「何故、自分で探す努力をしないのです」と諭すポワトリン。
いやはやもうなにがなんだか、浦沢義雄大先生以外に誰がこんなこと思いつけると言うのでしょうか?
ナポレオンの幻のワインを飲んだ新井礼子、鏡の中に老婆になった姿が映し出されますがあれはポワトリンが見せたものであって本当に老婆にしちゃうぐらいでないと懲りないよねぇ!(いや、それでも懲りそうにないような気もするが)
一方、それなりに懲りたのか「新井礼子には気をつけなくちゃ」とか言ってるシンスケに頷いてる彼らの前にしれっと現われる新井礼子
平成ゴジラの映画の最後は倒されたはずのゴジラの復活が示唆されて終わるのが定番でしたがこの場面の新井礼子にも同様の畏怖の念を抱いてしまうのは自分だけなのでしょうか?


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