12年前、小学校に入学した長男は、グローブとバットには見向きもせずにサッカーをはじめ、親父もぼうずに付き合ってコーチになった。5年後に次男が入会したときには監督、翌年三男坊が入ったときにはすっかりサッカー狂となっていた私である。 今年、長男は高校三年生で最後の部活生活、次男は中学入学、三男は小学6年となる。 都内X区の少年サッカーボランティアチームの悲喜交々を不定期に、かつ適当に綴るブログです。 ときどき独白「孤事記」を、気が向けば「読書記」を書いてゆきます。

2009/11/4

fanta.156/諦めません、勝てぬとも  少年サッカー親子奮闘記

 朝方まで事務所でパソコンに向かっていた所為で、昼飯を自宅で済ませて、午後の遅くにやっと家を出た。こうなるのだったら半分徹夜した意味がない……と当たり前のことを思ったけれど、寒波が過ぎた空は美しく広がり、風は適度に冷たく、反省するのはやめにした。私は二つ先の駅まで歩いた。広い河川を渡す橋の上を歩きながら、己を取り巻くさまざまが頭をよぎってゆく。片付けるべき仕事、思うにならない案件、やりたいこと、やらねばならぬこと……それらは無造作で秩序なく脳内を巡り、私は次第に面倒になり思考を停止する。するとサッカーがやってくる。子供たちの一喜一憂を思い浮かべる。次に大人たちのあれこれを思い出す。途端に全身の血がたぎってくる。それは情熱ではない。苛立ちである。
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2009/10/24

記66/Thank You  孤事記

先週、仕事で奈良、平城宮のロケに行ってきた。
来年の遷都1300年に向けて、
平城宮跡には大極殿が再建され、ほぼ出来上がっている。
初秋の平城京跡に構える、大極殿、朱雀門は趣深い。
よくぞ奈良は平城京の跡地をビルの群れで覆わなかったものである。
先人達の感謝だ。
自転車に乗って、平城京の周囲をぐるりと巡りながら、
時間の許す限り、寺院を訪ねた。

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2009/9/28

fanta.155/無念  少年サッカー親子奮闘記

 三男坊たちが入学してきた6年前、私は自分の目標を、この子らが6年生になったときに長男たちのレベルまで持っていくことと定めた。長男たちの6年間から得た反省材料を踏まえ、特に3年間は目先の勝敗は度外視し、焦らずじっくりとスキルを身に付け、戦術、メンタルを加えていけば長男たちのレベルには持っていけるだろうと踏んでいた。長男たちの6年の後半の頃には、練習態度、戦術理解などにおいては何も不満はなかった。ボールは回るし、みんなよく走っていた。不足していたのは個でトライするための背景だった。つまりあまりに低学年時から組織的なことを優先してきた弊害を感じたのだ。それを払拭するために、三男たちに対してはひたすら我慢、辛抱を重ねてきた。それがやっと開花しそうな、この秋だった。すでに過去形で記したように、またもそれは適わなかった。
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2009/9/24

fanta.154/攻撃のカタチ  少年サッカー親子奮闘記

 ベスト16で散った、先の「さわやか杯・ブロック予選」を振り返って、ウチのSコーチが言った。
「守備はずいぶん良くなったと思うんですよ。簡単には破られなくなりました。攻撃が弱いのはポストプレーがないからじゃないですか? フォワードにボールが入れば、また違ってくると思うんですけど」
 それはもちろんそう。「くさびが入らないものね」と私も同意した。次のX区・区民大会まで日がないどころか、練習日は1日のみしかなかった。私はSコーチの進言を受けて、ウチのチームなりのポストプレー、というか、FWを活かすプレーを考えたが、その問題解決は案外簡単で、練習で試してみた。
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2009/9/17

fanta.153/パス!!!  少年サッカー親子奮闘記

 長男が悔し涙に暮れた翌日は、三男たち「少年FC」の大会第2ラウンドだった。相手は春の大会でブロックベスト4に残ったチームで、今までに練習試合、公式戦で何度も戦ってきた。総合力では負けてしまう。相手の11人に穴はない。しかし、勝ち目はある。確実に。何よりも負けたくない相手である。私は何度もシミュレーションを繰り返した。ウチの決定機を演出するパターンとやられるケースを。カギは両サイドMFが敵陣深く入り込むこと。何度も繰り返し練習してきた、相手ペナルティボックスにいかに侵入することができるかがポイントだ。そしてそれは困難なことでは決してなかった。相手チームは巧者ではあるが強者ではない。ディフェンスラインは深いし、サイドバックのポジショニングは危機意識が薄い。必ずそこにチャンスがあるはず。ウチの両サイドMFはきっとやってくれる。しかし……。
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2009/9/9

fanta.152/長男のラストゲーム  少年サッカー親子奮闘記

 長男の高校3年の選手権予選二次トーナメントが土曜日に行われた。負けたら引退だ。相手高校には「少年FC」で長男といっしょにやっていた仲間、Nくんがいる。当時、Nくんは地元では有名な選手だった。ドリブル、運動量、無回転のインステップシュート(ホントです。驚きだった)、パスセンスと、オールラウンドなサッカーキッズだった。その彼と高校生活最後の大会で相まみえるなんて、世間的にはごく小さな、私にとっては大きなドラマだった。
 午前中、大会期間中の「少年FC」の練習に少しだけ顔を出し、三男たちのトレーニングメニューを他のコーチに託して、私は妻を助手席に乗せて、大会会場に向かった。私は妻に言った。あいつが出るとしたら先発だよ、先発しなかったら出ないと思ってた方がいいぞ、と。妻は、わかってる、出ないと思っておくと答えた。
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2009/8/31

fanta.151/秋季公式戦初日  少年サッカー親子奮闘記

 最後まで絶対にあきらめず、自分たちのサッカーをやって周囲を驚かせてやろう……いつもながらの試合前の台詞と共に、秋の公式戦一発目「さわやか杯」に臨んだ。ブロック予選大会はトーナメントだ。負けたら終わり。グランドに入ろうとしたが前の試合がPK戦となり、みんなでその様子を観ていた。私はキーパーのアキラに、
「お前は身体がでかいのだから、両手を大きく広げて背筋を伸ばして構えろ。相手が助走に入るまでそうしてるとプレッシャーになるぞ」
 と言った。アキラは「わかりました」と元気良く答えた。
 PK戦なんかやめてくれよ、勝った記憶が少ないのだから、と私は胸の奥で思っていた。長男が6年の時に14人までかかって勝ったことがあるが、それ以来、PK戦は負け続けている。そんなことより、子供たちのどこか散漫というか、気合いの入らない様子が気になっていた。盛り上がっていないのだ。淡々としている……。
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