角田光代さんの講演会の中で、志賀直哉の「剃刀」という短編が怖い、というお話がありました。
「剃刀」は、新潮文庫『清兵衛と瓢箪』に入っているとのことです。
私は、志賀直哉は好きだったので『清兵衛と瓢箪』も家のどこかにあるはずです。
さっそく探し出して読み返しました。
すばらしい筆さばきでした。
原稿用紙に書き写したいくらいでした。
ですが、読んだ記憶は全くない。
記憶はないけれど、どうやら潜在意識にはあったようです。
なにしろ、私、四半世紀も床屋に行ってませんから。
(顔をあたってもらってない、ということです。美容院には行ってます)
この『清兵衛と瓢箪』の中で、三十余年前の私は、「網走まで」と「老人」という短編が気に入ったみたいです。エンピツでマル印がついていました。
読み返してみると、どちらも「パタッ」と終わってました。
なんとも潔い終わり方です。
例えて言えば…例えが唐突ですが、つげ義春の「ゲンセンカン主人」が終わりの2ページをカットして終わってるような感じです。(私は「ゲンセンカン主人」の終わりの2ページは無くてもいい、と思っています)
話がそれたついでに、つげ義春の作品は、最高傑作が「李さん一家」、次いで「ねじ式」と、私は思ってます。


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