2014/4/6

ドリラーキラー  映画館

 10代の頃より8ミリで映画を撮り続けてたのに、デビュー作はポルノ映画だった。どこかで、聞いたような話だが、「バッド・ルーテナント」で脚光を浴びたニューヨークの無頼派映像作家アベル・フェラーラも多分に漏れず処女作は「エレクトガール」なるピンク映画。流石に不本意だったのかどうかはわからないが、劇場長編第1作目は自身を主役に据えた恨み節全開のスプラッター映画で再スタート。

 
 タイトルは「ドリラーキラー」。

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 画家としての成功を夢見ながらもただ生きる事さえもままならない日々の中で、やがて狂気に蝕まれた主人公が携帯バッテリーを搭載した電気ドリルで夜な夜な人を襲っては殺しまくるというスプラッター映画です。低予算なゆえか単にアイデアに乏しいのか、ドキュメンタリータッチながらも映像には緊張感は全くないのが至極残念である。しかも、ターゲットが社会からの落伍者といった弱者なもんだから、主人公には共感どころか憐れみさえ感じられない。最低最悪の破壊衝動に駆り立てられるシリアル・キラーと言えよう。

 では、なぜこのブログで紹介するのか?それは、厳しい現実に押し潰れそうになる主人公を更に追いつめる隣に越してきたバンドに理由がある。バンドの名はトニー・コカコーラ&ルースター。演奏も曲はたいして取り上げる事はやってないのだが、バンドのマネージャーがTHE NOTHINGのボーカルTrixz Slyeなんです。THE NOTHINGというと、Killed By Death #9に収録された” Uniformz”で知られるパンクバンド。音源を出した年と映画が製作された年が一緒なので、THE NOTHINGでの銀幕デビューでないのが非常に悔やまれる。

 とは言え、DVDのジャケットの端にも、その勇姿が収められてるのでファンとしては良しとしたい。

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 THE NOTHINGの音源はEPが1枚だけリリース。20012年にSing Sing Recordsで再発されたが、それすら既に入手不可能らしい。

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 ソロでEP盤を1枚出してるが、噂では中身はあまり良くなく安価でない限りは入手はお薦めできないそうだ。

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 Trixz Slye様は数年間に亡くなられていて、再結成は望めないだけにこの映画は凄く貴重な資料のひとつといえよう。

 
 なお、DVDは廉価版が出てるようなので、興味を持った方はそちらをどうぞ。って、画像は廃盤になったDVDですので、間違えないように…。

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 併せて、ミルウォーキーのパワーポップ・バンド、ウイッグスが出演する「幸せへのリムジン」のサントラ盤が昨年ひっそりとリリースされてたのでご紹介したい。サントラといってもあくまでも、ウイッグスのコンピレーションとしての立ち位置。劇中で流れてたフレッシュトーンズやリプレイスメンツの曲は収録されていません。一番の聞きどころは、ひたすらに熱く歌い上げてる同郷のシーバーズのカバーで”hold on”。ボーナス・トラックとしてチャールズ・ブロンソン主演の「必殺マグナム」やクリスティ・スワンソンの「マネークラッシュ」からの曲も収録されてるとはいえ、コアなファンでないと買う意義はないかも…?!

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2012/9/21

「断末魔のアンコール」  映画館

 バンドが終焉を目前にした時、再起をかけて映画に出演することもある。しかし、頼んだ相手が悪かったら、それは悪手としてさらに失墜が加速するはめになる。そんな映画を紹介したい。

 タイトルは「断末魔のアンコール バックステージにはグルーピーの全裸死体が…」。

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 制作は1980年で、監督はドン・エドマンズ。この監督の代表作といえば、ダイアン・ソーン演じるイルザが主役の悪魔のハーレム・シリーズ。

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 セックスとバイオレンスを悪趣味なまでに突き詰めたセックス・エクスプローション映画で知られる監督に救いを求めたのは、アメリカはイリノイ州ロックフォード出身のパワー・ポップ・バンドThe Names。ライノのDIYシリーズのひとつ「Come Out And Play - American Power Pop”に涙を誘うバラード曲の”Why Can't It Be」が収録されたバンドだ。

The Names - Why Can't It Be



 本当に救いを求めたのかは不明ですが、映画には主役のバンドとして登場。内容としてはライブ会場を舞台にした、スラッシャー映画。サントラは全編を通して、バンドが担当。助っ人として元フューズのチップ・グリーンマンを招聘。フューズといえば、地元のヒーローでもあるリック・ニールセンとトム・ピーターソンがチープ・トリック結成前夜に参加していたバンド。これ以上はない、お膳立てである。映画が劇場ヒットすれば、復活を知らせる狼煙としては最高のモノになったはず。
 しかし、その出で立ちは黒尽くめの衣装に、派手な化粧に京劇風のマスク姿。ほとんどキッスのようで、やっているのはギンギンのヘビメタだったりする。

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 劇中ではザ・クラウンズというバンド名になっているが、まさにその様は道化としか言い様がない。乳を放り出して言い寄るファンの女の子を次から次へとメンバーが食いまくってたりもして、がっかりした女性ファンも少なくないはず。

 監督の意向としては「キャリー」や「ファントム・オブ・オペラ」、「トミー」の線を狙ってたのだろうが、どう考えても失策以外の何物でもない。

 とはいえ、本当に見る価値はないのだろうか?
 件のコンピにバラードが収録されたがために、バンドに対して勘違いをしてないだろうか?唯一の音源でもあるシングルのB面に針を落とし、さらにボーカルのデイブ氏によるサイトで聞けるでバンド名義の未発表曲を耳にすればわかるはず。彼らは泣きのバラードよりも、一撃必殺のロック・ナンバーが得意だったのでしょう。

The Names - Baby You're A Fool



 ちなみに下の曲はThe Names名義ながらも所々で、メタリックなリフが顔を出すハードなナンバー。劇中ではこれをヘビメタ・バージョンでやってたりするが、曲がいいだけに全く違和感もなく聞けたりする。最近、発売されたばかりのシカゴのパワー・ポップ・コンピ「Buttons:From Champaign To Chicago」にも収録されてるので、興味がある方はそちらも入手されるのもお薦めしたい。

The Names - It's A Miracle



 サントラとしては前述の他、”Let It Rain”、"Forever Love From"といったヘビメタな曲をステージ上で、ショック・ロックな演出と共に披露。リサという女性に捧げられた涙腺を刺激しまくるラブ・バラードを、控え室でアコギを手にしてしっとりと聴かせるという大サービスもあります。惜しむらくはその曲だけでも化粧なしで見たかったが、それは欲張り過ぎかもしれませんね。

 本国のアメリカでもDVD化はされてませんが、国内盤のビデオはヤフオクでもよく見かけるので是非とも手にして欲しいです。

Terror On Tour (1980) Trailer



 それと共に激しく推薦したい1冊が、金沢在住のシノブさんによるファンジン「RADIOFUN!」のVol.2。The Namesのボーカルでもあるデイブ氏へのインタビューだけでなく、EP盤+未発曲を収録したCD-Rの豪華特典までも付属。音楽への惜しみない愛情が、濃すぎる内容として爆発しまくりで感心しきりです。
 
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RADIOFUN!のホームページ  http://radio8969.blogspot.jp/


 なお、ドリーム・オン・レコードで今なら「RADIOFUN!」全号、手に入れることが出来るはずですのでお早めにどうぞ!

dream on recordsのホームページ   http://dor11.shop-pro.jp/

 The NamesのボーカルDave Galluzzo氏によるサイト。
Dave Galluzzo's Living Room Recordings   http://www.reverbnation.com/artist/artist_songs/596755

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